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結局人数が分かったのはその2日後
私は急いで作り始めた
途中で何度か言い合いをしながら
手をうごかし、
なんとか無事に終わった
終わったあと祖母から"お小遣い"を貰ったが…
日和
ありがとうの一言も出なかった
それもそのはず
ギリギリに頼んでくるのは祖母の 悪い癖の"一つ"だ
疲労感しか感じなかった私は
この"対価"は当たり前だと思った
今年の12月12日
学校から帰ってきた私の目に 入ったのは、
左上をホチキスで留められた 2枚の"手紙"だった
日和
嫌な予感がした
できることなら見たくなかった
でもリビングの"私の席"に置いてあるその手紙から、
逃げることは出来なかった
昔から"祖母の手紙"は苦手だった
何かあった時の"手紙戦法"
これも祖母の嫌いなところの"一つ"
長年見ていると嫌でも分かる
祖母の特徴的な書き方の手紙の内容は
長年見てきた目に自動翻訳されて
私の頭にスラスラと入ってきた
手紙の内容はこう。
祖母が送り迎えをして、時間まで面倒を見ている発達障害持ちの子供が
日本に来ているその子のおばあちゃんと母国に一時帰国するんだそう。
だからその子とその子のおばあちゃんに折り紙を作って欲しいとのこと。
折り紙の内容は一応4つ
何故一応なのかというと、
その中におばあちゃんの方に渡す薔薇の"花束"が含まれていたから
私はこれを一万歩譲って"一つ"(仮)ということにしたのだ
改めて言うと 折り紙の内容はこうだった
↓
・花を一輪{向日葵かチューリップ} (子供) ・コマ{大}(子供) ・コマ{小}(子供) ・花束{薔薇}(おばあちゃん)
この4つで1000円
私の折り紙を作る腕がプロというわけでもないので
まぁいいか。と
その"依頼"を受けることにした
最初は。
学校はテスト休みに入るが
私は冬期講習に行くことにしていた
その為依頼された期間内にできるのは
13日の午後と14日
日和
ちょっと厳しいかと思ったが
調べて出てきた薔薇の花束が想像以上に可愛かったので作ることにした
試行錯誤しながらも楽しかったし
さっきも言ったけど可愛かったし
でもやっぱりちょっと間に合うか不安
それを私は祖母に伝えてみた
陽子
日和
勿論
陽子
通じることはなかった
日和
見かねた母は
絢香
絢香
デジャヴかな
陽子
絢香
母と祖母が話しているあいだ
私は黙々と薔薇を折っていた
少しして、
陽子
日和
男の子だし花の方が無くなるかと 思ってた
日和
陽子
日和
日和
日和
陽子
陽子
日和
陽子
日和
日和
日和
絢香
陽子
日和
もう一度言うけど1万歩譲って薔薇の花束を1つ
4つで1000円なんだから
普通1つ250円じゃない?
むしろコマより花束の方が難しいし折り紙の枚数も必要なんだから
コマ一つで500円はおかしいでしょ
だったらコマ何個でも作って儲けるわ
日和
日和
思ったことを言ってみた
結局いつも後悔するくせに
陽子
日和
ほんと嫌い
いっつもそう
長い間この人を相手にしていても
それに慣れても
感情が収まる訳じゃない
陽子
それも聞いたよ
陽子
それも聞いた
結局いつも
それで片付けてくるよね
ほんと、
だから嫌いなんだよ
くそばばあ
そんなことでって
そこまで言わなくてもって
思いました?
まあ、
言ってないけど。
まだね。
日和
陽子
日和
日和
毎日これは
どうしても疲れる
日和
日和
陽子
全部
全部嫌いだ
あばたもえくぼ?
笑
逆でしょ。
いい思い出が無いわけじゃない
でもそれより
悪い思い出の方が
比にならないくらい多い
翌日は話さなかった
何も無かったみたいに
朝の洗い物をして、
その前を祖母が通ったことも
祖母が折り紙できたら入れといてと言った箱を触っていたことも
どうでもよかった
初めてじゃなかったから
でも
もう前みたいに理不尽に謝りたくない
あの人が
謝らないと話さないって言ったって
どうでもよかったのに
こっちが無視したって
話しかけてくるのはそっちじゃん
絢香
日和
母が、何か見ていた
日和
一枚の、ディ○二ーの便箋
書いてあったのは
また祖母の字だった
わざわざ私のフルネームを書いて
でも日にちは
昨日の、13日の日付だった
昨日書いたんだろうな
……書いているのは
縦だったり、横だったり
全部が憎い
木戸 日和へ R4.12.13(火) 祖母より 急がしいところありがとう 今回でよく分かりました! (もう少し優しいかと思ったのですが…大人の考えだわネ) 祖母の気持で、中学生から実際アルバイトができない(対価得られない)ので、少しでも潤うかとの ほんの陰ながらこの応援をしたお願いごとで、 情けない!悲しいです!
この文章は、場所や書き方以外は全てそのままです。
ちなみに、
情けない!悲しいです!
の部分はわざわざ赤えんぴつで囲ってありました
急がしいところありがとうは何でしょうね。私が断る前に書いたんじゃないでしょうか。
日和へと書いた封筒に1000円と一緒に入っていたので
日和
日和
絢香
日和
日和
絢香
絢香
日和
絢香
日和
日和
絢香
日和
日和
その後、
私達は手紙に気づかないふりをして
そっと箱の中に戻した
小春
小春
小春
小春
小春
小春