玲奈
もし君がこういう状況になったらどうする?
玲奈
Dさんはどこにでもいる普通の学生だった
玲奈
だからDさんにとってはマナーが悪い人や周囲の人が関わりたくないから注意されずにいるのに気が大きくなってる勘違い達の事は大多数の人達のように見て見ぬ振りをしていた
玲奈
ある時Dさんはある事に気付いた
玲奈
周りに迷惑をかけるような人達は何か雰囲気が悪い
玲奈
雰囲気が悪いのは当然だが、纏っている空気が淀んでいる、腐っているような感じだった
玲奈
他の人に説明しても、当たり前と言われるだけで上手に伝える事ができなかった
玲奈
だけど確実に普通の人とは異なる空気がDさんには見えた
玲奈
そこで、もう少し詳細に観察を続けて見る事にした
玲奈
淀んだ空気は、勘違い達が迷惑行為をする度に周囲の人達にも僅かに付着しているようだった
玲奈
Dさんはこれは悪意のようなものが見えてるんだと思うことにした
玲奈
時々街を歩いていると、腐った魚の様な臭いと身体全体を覆うような淀んだ空気を持つ人達がいた
玲奈
いかにもチンピラという風貌が多いが、中には普通のサラリーマンや主婦と思われる外見の人達も一定数いた
玲奈
淀んだ空気が段々大きくなっていくのであればビルのように大きな淀んだ空気を持っている人がいても不思議ではないと思ったが、そのような人達はいない
玲奈
少し興味が湧いてきたDさんは今までに見たこともないぐらい、黒い、臭い、醜い空気を纏った男を見つけた
玲奈
その男に近付かないように遠巻きに見てみると
玲奈
自分と同じようにその男を観ている人影がみえた
玲奈
でも多分本当の人ではない
玲奈
身長が3m近く、手足は細長く、全身白い服を着ている
玲奈
毛髪はなく、小粒で離れている眼、口は異様な程に大きかった
玲奈
何より、周りの人にはそれが見えていないようだった
玲奈
恐怖心を覚えたが、好奇心が勝ったDさんはその男とそれを少し観察する事にした
玲奈
それは男に近付いたり離れたりを繰り返しててチャンスを伺っているようにも見えた
玲奈
そして男が路地裏に入った時にそれは大きな口を開けて、男を頭から丸飲みにした
玲奈
それは咀嚼を繰り返して、男を噛み砕いているようだった
玲奈
それが離れた時、男は傷一つなかったが胸部の動きはなく、呼吸はしていないようだった
玲奈
淀んだ空気は見えなくなっており、それは淀んだ空気を食べているようだった
玲奈
それ以降にDさんはそれをみると遠巻きに追いかけるようになった
玲奈
勘違い達が死んでいくのを見るとDさんは自分が社会を良くしているかのような錯覚を覚えた
玲奈
それは大きく淀んだ空気を目標にしているようだったが、小さな淀みでも気付くとチャンスがあれば食べているようだった
玲奈
初めは神の使いではないか、とも考えたが淀んだ空気を好む習性がある何かと考えるようにした
玲奈
淀んだ空気を少しでも持つ人間をそれの近くを通ると、それは目標がない時には憑いて行くようだった
玲奈
それからその人がどうなるかはわからない
玲奈
だから君の状況を教えて欲しいな
玲奈
君には視える?