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キミヤス

ああああああああああ!!

ベランダの外から、 けたたましい怨念の声が響く

虹雨(コウ)

きたな……親父の霊や

キミヤス

僕がお父さんを落とした……! あいつのせいで僕の人生はめちゃくちゃになったんだ!!

虹雨(コウ)

除霊の準備はできとる……!

キミヤス

もうこれ以上苦しめるなあああああ!!

地響きと風。 窓の外から唸るような音が鳴り響く

虹雨(コウ)

なんや!? 外からも中からも……!

由貴

僕が……下に落ちてたお父さんの霊を吸い上げてしまった……! 忘れてた……僕の能力……!

虹雨(コウ)

アホかぁああああ!! お前なぁあああ!!!

二つの怨霊がぶつかり、 部屋の中は暴風と化す

親と子の憎悪、 恨み、 怨念が ぶつかり合い、 部屋中に渦を巻く

虹雨(コウ)

うるっっっっっさいわああああああ!!!

由貴

!? お、おい……

虹雨(コウ)

親子喧嘩は!!
他所でせえええええええええええ!!!!

虹雨の一喝が炸裂する。 その瞬間、 怨念の渦はベランダから吹き飛び、 夜が一気に明ける

夜が明けた頃、部屋には静けさだけが残っていた。

体力を使い果たした二人はそのまま、昼過ぎまで泥のように眠ることとなる──

夢の中。 山で遭難したあの日。 由貴は血まみれで倒れていた。

そこへ、影が降り立つ。 大きな男が、無言で由貴を抱き上げる

???

本当になんでもするんだな。最後の確認だ

由貴

はい……

今でも思い出す、あの返事。 後悔してないとは言えないけど、 否定もできない。

幽霊が見えるようになり、 いろんなものを背負うことになった。 だけど──

由貴

虹雨が今も横に……

由貴

ってすぐそばで寝てるぅぅううう!!

目を覚ました由貴、ベッドの上。 横には虹雨が涎たらして寝ている

部屋は……異常なし。 あんなに暴れたのに窓も割れてないし、 家具も無事。 むしろ整ってる。 そして──

由貴

……ってなんで私、肌着とショーツだけやねん!!誰が着替えさせたん!!

虹雨(コウ)

おう、起きたか……

由貴

“おう”やないわ!! 昨晩のあれは夢だったん!?

虹雨(コウ)

は? 夢ちゃうわ。ガチや。除霊済みや

由貴は立ち上がって部屋を見渡す。 和室にも、浴室にも…… 何もいない。 全ての気配が消えていた。

由貴

空に送ったんやな

虹雨(コウ)

一気にまとめてな。ほんま疲れたで……あ、服そこ置いといたから。後で買い足しに行こか

虹雨も肌着姿で、ボクサーパンツ姿。 無言で部屋着を着る

ぐぅぅぅぅぅ……

虹雨(コウ)

食べよか、朝ごはん

由貴

ああ……お腹すいた

虹雨(コウ)

この時間やとブランチやけどな

由貴

もう、なんでもええ……

するといい匂い。 目玉焼き、ベーコン、スープの香りが 台所から……

由貴

……火事ではないな?

虹雨(コウ)

あほ。火事やったらお前より先に気づいとる

由貴

じゃあ誰が……?

2人、ゆっくりとキッチンへ向かう

最強で最高な2人

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