遥輝
………(パソコンワーク中)
プルルルルプルルルル
遥輝
あれ?家電…?
遥輝
はい?もしもし?
あ、遥輝?俺俺
遥輝
?
俺だよ俺。春翔だよ
遥輝
琴谷君?どうしたの?
いや俺さーちょっと事故起こしちゃって…
遥輝
えっ!?大丈夫なの!?
いやぁ……それが損害賠償が俺だけじゃ払えなくてさ……木更津にも払って欲しいんだ…
遥輝
わかった。どれくらい?
一千億円で……
遥輝
わ、わかった!すぐ行く!
詐欺師
へっへっへ
詐欺師
これで一千億円ゲットだぜ
遥輝
えーと、近くのコンビニはっと
日下
あれ?木更津どうした?
遥輝
あ、日下君
日下
よっ
遥輝
琴谷君が事故ったらしくて…一千億円の損害賠償を……
日下
…はぁ?
遥輝
え?
日下
琴谷ならさっきまで会ってたけど
遥輝
えっ!?
日下
つーかあいつまだ免許ねぇぞ
遥輝
そうなの!?
日下
……お前……もっと危機感を持てよ……
遥輝
だ、だって!
日下
とりあえずお前ん家行くぞ今から
遥輝
え?わ、わかった
遥輝
どうぞ
日下
ん、お邪魔します
日下
あ、木更津
遥輝
ん?
日下
さっき言ってた電話の録音ってあるか?
遥輝
あ、あるよ。聞く?
日下
聞かせてくれ
遥輝
はーい
日下
おまこれ完全にオレオレ詐欺じゃねぇかよ!
遥輝
ふえ?
日下
しかも琴谷の声こんな声じゃねぇし
日下
なんなら琴谷はお前の事木更津って呼ぶだろ
遥輝
さ、最近会ってなかったから……風邪とかなのかなって
遥輝
あと呼び方は…特に気にしてなかった…
日下
ったく……気を付けろよ…
遥輝
ご、ごめん……
日下
こういう輩の中には、逆ギレして家に来るやつも居るかもしれないから気を付けろよ
遥輝
う、うん…
ドンドンドンドン!ドンドンドンドン!
遥輝
!?
遥輝!早く一千億円払ってくれよ!
日下
…電話の声と一緒だな
遥輝
え、えと……念の為2階の部屋から見てみる……?
日下
そうするか
遥輝
………
遥輝
……怖い……(ボソッ)
日下
………木更津…
グイッ
遥輝
えっ!?
日下
怖いんなら言え。俺がそばにいてやるからよ
遥輝
わ……わかった
日下
行くぞ
遥輝
うん
遥輝
着いたよ……
日下
んじゃ、確認するか
遥輝
う……うん……
ドンドンドンドン!
詐欺師
遥輝!早く一千億円払ってくれ!
詐欺師
お願いだから!
遥輝
ヒッ
日下
やっぱり琴谷じゃなかったか
日下
俺が何とかしてやるよ
遥輝
えっ!でも……!
日下
それとも1人で何とか出来んのか?
遥輝
うっ……それは……
日下
1人でなんでも背負おうとするな。1人で解決しようとするな。俺にも背負わせろ、俺にも解決の手伝いをさせろ
日下
お前から見た俺は……そんなに頼りないか…?
遥輝
……
遥輝
そんなわけ……ないじゃん
遥輝
お願いしても……いいかな……?
日下
任せとけ
日下
そこから見ておけよ?
遥輝
わかったよ
日下
…さて、あんなこと言ったんだから、もうやることなんざ1つしかねぇな
ガチャ
詐欺師
あっ!遥輝!ようやく出てくれた!一千億円の支払いを…
日下
しつこいなお前。もうお前が詐欺師ってバレてんだよ。諦めろ
詐欺師
はぁ!?
詐欺師
てめっ!こんのクソガキがァ!
日下
(クソガキって……)
日下
てめぇは
詐欺師
…は?
日下
俺の!(腹蹴り)
詐欺師
ぐっは!?
日下
どこを!(鳩尾蹴り)
詐欺師
ごっほ!?
日下
見て!(鳩尾肘入れ)
詐欺師
げっほ!?
日下
クソガキだっつってんだよォクソジジイ!(顎蹴り上げ踵落としアッパー)
詐欺師
ゲッホォ!?
日下
……
カチャ
詐欺師
はぁ!?
日下
田中優毅、1000回にも及ぶ詐欺罪で逮捕する
詐欺師
はぁ!?てめぇサツだったのかよ!
日下
ご生憎様、こんくらいの武術出来てねぇと天然で純粋な騙されやすい愛するお馬鹿さんは守れないからな
日下
一応応援呼んでおいたが要らなかったか
ウー(サイレン音)
日下
おっ、来た来た
詐欺師
くっそォォォォォ!
こうして、詐欺師のおっさんは捕まった
日下
ったく、詐欺する相手をしっかり見ろよな
日下
さて、戻るか
遥輝
あっ!日下君!良かったぁ!
遥輝
怪我としかしてない?してたら言ってね。治療するから
日下
…大丈夫だよ。っつーかお前優しすぎだろ
遥輝
え?
日下
そんなんだから詐欺とかあいやすいんだよ……
遥輝
あっ……ごめん……
日下
別に……これからは俺が守ってやるしな
遥輝
え?
日下
ん?気付いてねぇのか?
遥輝
え?何何
日下
…ちょっと付き合え
遥輝
え?うん
遥輝
……?ここって日下君家じゃない?
日下
おう。着いてこい
遥輝
え?わ、わかった
日下
乗れ
遥輝
え?車?わかった
日下
んじゃ行くぞ
遥輝
う、うん…
日下
行くぞ
遥輝
う…うん……
日下
………
遥輝
……ねぇ、日下君
日下
どうした?
遥輝
夜になっちゃったけど……大丈夫なの…?
日下
あぁ、平気だ。お前が俺の傍を離れない限りな
遥輝
わ……わかったよ
遥輝
……わぁ、綺麗
日下
だろ?
遥輝
それで、ここに連れてきてどうしたの?
日下
……俺な。守りたいやつが1人いんだよ
遥輝
そうなんだね
日下
そいつはな、頭はいいのに、天然だし、人の前ではお転婆なのに案外涙脆いし、可愛いし、純粋だし、お人好しの大馬鹿野郎でな
遥輝
うん
日下
そんなやつだから……そんなお前だから、俺は守りたいんだ
遥輝
………へ?
遥輝
ぼ……僕!?
日下
そうだ。俺はお前が……木更津を守りたいし
日下
ずっとお前を見ていたい
日下
俺の知らないお前を、俺は見ていたい
遥輝
えっ………それ……って……
日下
俺はお前が好きだ。学生時代からな。だから……俺と付き合ってくれ……遥輝……
遥輝
…………
遥輝
うん!僕からもよろしくね!日下……いや………春夜!
日下
おう!今日からよろしくな!遥輝!