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この世界には"カウントダウン"がある。
オレの"今日のカウントダウン"は
「あなたが全てを失うまで、残り180秒」
そう、頭のなかで声が聞こえる。
奏太
奏太
「あなたが全てを失うまで、残り150秒」
奏太
奏太
奏太
奏太
生まれてすぐ養子に出された妹のことは、顔すら覚えていない。
「あなたが全てを失うまで、残り100秒」
奏太
???
???
奏太
振り返るとそこにいたのは、15歳くらいの少女だった。
奏太
奏太
まさかと思いつつ、口にしてみる。
唯一知っていた、妹の名前を。
???
由香
奏太
由香
由香
由香
由香
由香
由香
由香
由香
奏太
由香
由香
奏太
奏太
由香
由香
話しながら、由香の目には涙が溜まっていった。
奏太
由香
由香
由香
奏太
夢でも見ているのかと思った。
だから
「あなたが全てを失うまで、残り40秒」
奏太
由香
由香がこちらを覗き込んでくる。
奏太
奏太
由香
奏太
由香
奏太
奏太
俺は由香に背を向け、全力で駆け出した。
由香
由香が悲鳴のような声をあげる。
奏太
心の中でもう一度呟き、ひたすら全力で走る。
「あなたが全てを失うまで、残り30秒」
奏太
その時、
キーーーーーッッ!!!
奏太
後ろで、まるで絶叫のような音がした。
奏太
慌てて戻ると、そこには相当な勢いで塀に突っ込んだのであろう、見るも無惨なトラックの姿があった。
奏太
奏太
だって、さっきまでそこにいたのは
奏太
奏太
その時、全てが分かった。
奏太
思わず、渇いた笑いが溢れた。
奏太
奏太
ふらふらと、歩き出す。
立ったのは、「全てを失う」ことができる場所。
奏太
最後に聞こえたのは
「あなたが全てを失うまで、残り10秒」