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その日の帰り
たくやはあの老人に会うべく
公園にやってきた。
たくや
(この辺りだったか...)
たくや
(...)
たくや
(いない...)
たくやは徐ろにあのペンを握り
周りを見渡した...
その時...
小汚い老人
どうでしたぁ？
小汚い老人
人を、
小汚い老人
消しました？
たくや
...っ！？
たくや
...あんたは何者なんだ
たくや
そして
たくや
このペン
たくや
なんなんだ？
たくや
そもそも消したではない。
たくや
別の人間と変わっていた。
たくや
どういうことだ。
小汚い老人
ふぅ
小汚い老人
一度にたくさん聞かれてもねぇ...
小汚い老人
まあ、説明してあげますが、
小汚い老人
条件があります。
たくや
条件？
小汚い老人
ええ
たくや
なんだ...？
たくや
小汚い老人
ひとまず
小汚い老人
このペンのこと
小汚い老人
そして
小汚い老人
私のことは
小汚い老人
他の誰にも話さないこと
小汚い老人
そして、
小汚い老人
...
小汚い老人
ペンの使用料として
小汚い老人
私にあなたの心の闇をください。
たくや
は？
たくや
最初の二つは分かるが
たくや
最後の心の闇ってのはどういうことだ？
小汚い老人
要はあなたがこの世界に感じている闇。
小汚い老人
誰かに対して感じている闇。
小汚い老人
その心をもらいます。
小汚い老人
安心なさい。あなた自身には変化はないでしょう。
たくや
まあ、
たくや
よくわからんがわかった。
たくや
だから教えてくれ。
小汚い老人
はいはい。
小汚い老人
まずこのペン
小汚い老人
あなたが目標とした人間を消し去り
小汚い老人
別の人間に入れ替える。
小汚い老人
これは消して殺したり、完全にこの世界から消したわけではない。
たくや
じゃあ、上司Aはどこ？
小汚い老人
それは私にもわかりません。
小汚い老人
ですが今あなたの前に現れた上司Bは、どこかほかの会社なのか工場なのか、はたまたヤクザなのかはわかりませんが、あなたが理想としたような上司と入れ替わったのです。
たくや
つまり、上司Aがどこかの別の世界に飛び、俺の理想とするような上司Bがどこかの世界から入れ替わって俺の前に現れたということか...？
小汚い老人
その通り。
小汚い老人
そして周りの人間達もそれを違和感なく受け入れた状態になるのです。
小汚い老人
どうです？
小汚い老人
あなたの理想通りでしょう？
たくや
まあ...確かにな...
たくや
だがデメリットもあるだろ？
たくや
こんなに都合のいいことなどないはずだ。
小汚い老人
デメリットですか...
小汚い老人
消せる人間は1日に一人ってトコですかね？
小汚い老人
あとは、さっき申し上げた
小汚い老人
あなたの闇を私に払うということです。
たくや
闇...
たくや
1日に1人なんてのはそこまで大きなデメリットではない。
たくや
闇ってのがよくわからないが
たくや
俺の身体に何か起こるヤ、わけじゃないんだな？
小汚い老人
それはご安心ください。
小汚い老人
さあ？
小汚い老人
このペン使い続けてみますか？
小汚い老人
不要ならば返してもらいます。
たくや
...
たくや
もらう。
老人はニヤリと笑い
最後にこう言い放った。
小汚い老人
さあ？あなたの理想とする世界...
小汚い老人
いや
小汚い老人
社界
小汚い老人
創り上げましょう。
さあ
たくやよ
お前の理想の世界の始まりだ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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