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おとぎ。

第33話 - 記憶の伝承者 6

2024年05月20日

#青春恋愛

#ホラー

#一次創作

#ミステリー

#感動

#切ない

R e g e n *☂︎*̣

イヴィ

───ありがとうございます

イヴィ

｢ルイ｣さん

ルイ

はぁ、もしバレちまったら

ルイ

お前の責任なんだぞ

イヴィ

ご心配なく

イヴィ

この場にいる騎士は皆味方ですので

イヴィ

ロック様にも許可はとってあります

ルイ

流石、用意周到だな

イヴィ

さぁ、まずは愛白さんと合流しましょう

イヴィ

彼女は今どこに？

ルイ

アイツは────

愛白

……

愛白

（はぁ…）

愛白

（また、任せっぱなしだ……）

───少し前のこと

愛白

ディル、さんっ…！

愛白

あの……───

ディル

愛白様、申し訳ありませんが……

ディル

許可が出るまで、ご自分の部屋にいてくれませんか？

愛白

えっ……

愛白

どうして、ですか…？

ディル

……

愛白

（言ってみたけど）

愛白

（少し、分かる気がする…）

愛白

（私も、元々は余所者だから…）

愛白

（う、疑われてるのかな？！）

愛白

（でも、1度作戦は立てておいた方がいいのかもしれない…）

愛白

（抵抗はしないでおこう、捕まったりしたら迷惑かけちゃうから、多分…）

愛白

……分かりました

ディル

すみません

ルイ

イヴィは何時開放されるんだ？

ディル

……ドロシーの気が収まるまで、かな…

愛白

……ドロシーさん…？

ディル

あ、愛白様にはまだ話していませんでしたね

愛白

は、はい…

ディル

騎士団には隊長が1人

ディル

副隊長が2人います

ディル

それと、3つの部隊があります

愛白

部隊、ですか？

ディル

はい

ディル

｢1番隊｣と呼ばれている部隊は、実力派揃い

ディル

｢2番隊｣と呼ばれている部隊は、力自慢

ディル

…斧とか、大きな武器の扱いに長けていますね

ディル

｢3番隊｣と呼ばれている部隊は、頭脳明晰

ディル

主に作戦や、最先端技術を使ったハッキングなどを得意としています

愛白

さ、最先端技術…

愛白

（コンピュータ、ってことだよね……？）

愛白

（パソコンとか）

愛白

（この世界にもあるのかな…）

愛白

（でも、見たところスマホみたいな物は持ってない……？）

愛白

（何でだろう…）

愛白

…

愛白

（……？）

愛白

（スマホ……？）

ディル

ドロシーは2番隊の隊長であり、副隊長の1人です

愛白

！

愛白

（偉い人だったんだ…！）

愛白

（少し、怖そうだな……）

愛白

……あの

ディル

うん？

愛白

ディル、さんは…？

ディル

あ、僕？

ディル

じ、自慢できることじゃないけど……

ディル

1番隊の隊長……やってるよ

愛白

！！

愛白

騎士団の隊長兼、1番隊隊長なんですか……？！

ディル

う、うん…一応ね

ルイ

でも、序列はドロシーってヤツの方が上に見えたぞ？

ディル

…よく言われるよ

ディル

でも、あの状態のドロシーは誰にも止められないよ

ディル

彼女は、少し気が強くて、おっかないけど

ディル

良い人、なんです…

ルイ

へぇ…

愛白

…

愛白

（…何だろう、この引っかかる感じ…）

ルイ

愛白？

ルイ

どうしたんだ？

愛白

あ、何でもな─────

何で今日学校休んだん？

大丈夫？

私ちょー暇だったんだけど、笑

ねぇ、まさか逃げないよね？

約束覚えてるよね？

え、既読スルー？笑笑

ごめん、覚えてるよ

だよね！びっくりしたぁ笑

じゃ、明日来てよね！

皆、愛白ちゃんのこと待ってるから！

うん

またね

行きたくない

行かないと

怖い、これ以上に発展でもしたら…

休む理由が見当たらない

やだ、もうやだよ

ここに居てもウザがられるだけ

何処に行けばいいの

ここに天国なんてない

限界なの

甘えだよ、甘え

違う、私は────

何も出来ない、役たたず

ごめんなさい

弱虫

…

───｢ぶっちゃけさ｣

｢飽きてきたんだよねー｣

｢分かる？｣

｢もう次の人は見つかってるんだ｣

｢用済み？みたいな？｣

｢…｣

｢あれ？泣いてる？｣

｢え、まさか寂しいの？｣

｢あっははは！！｣

｢…｣

｢……きっも｣

｢え、あぁ、冗談だよ、冗談｣

｢もう、誰にも必要とされないね｣

｢…可哀想な愛白ちゃん｣

｢じゃ、そういう事だから｣

｢じゃあね〜｣

…

……そうだ、私…

また、｢役立たず｣だ───

愛白

！！

愛白

（いけない、またボーッとしちゃってた…）

愛白

（今、大事な時なのに…）

愛白

（えっと、どこまで話を聞いたっけ…）

ディル

…

ディル

愛白様、やはり、部屋でお休みにしましょう

愛白

…えっ？

ディル

イヴィ様のことは、僕が何とかします

愛白

ど、どうして…

愛白

（急にどうしたんだろう…）

ルイ

愛白、一旦部屋に戻ろう

愛白

（…ルイまで？）

愛白

（作戦とか、あるってこと？）

ルイ

ほらよ

愛白

？

愛白

ハン…カチ？

愛白

…何で？

ルイ

気づいてねぇのか

ルイ

お前…

ルイ

…泣いてるぞ

愛白

え…？

彼の言葉で、初めて気づいた

何か、生暖かい液体が頬を伝っていることを

目頭が異様に熱いことを

その原因は分からない

まるでさっき見ていた夢のように

だから、余計に怖かった

さっきまで感じていた引っ掛かりが

勢い良く外れ

ただ、留めなく、溢れていたのだ

ルイ

行こう、愛白

愛白

……

愛白

…

愛白

……うん…

イヴィ

───なるほど

イヴィ

それで1度部屋に戻って

イヴィ

ルイさんだけ抜け出してきた訳ですね

ルイ

あぁ、そうだ

ルイ

（作戦はほとんどアイツが立てたがな）

イヴィ

しかし……

イヴィ

興味深いですね

イヴィ

何故、私が捕まると｢分かった｣のです？

ルイ

……！

イヴィ

分かっていないのでしたら……

イヴィ

事前に言わないと思うのですが

ルイ

あﾞー…

ルイ

革命のこともそうなんだが……

ルイ

予知夢…って言うのかな

ルイ

急に頭に浮かぶんだよ

イヴィ

頭に、ですか

ルイ

……さては疑ってるな？

イヴィ

いえ、そのようなことは…──

ルイ

仕方がねぇよ

ルイ

だが、愛白にも同じような事が起こってる様な気がする

イヴィ

愛白さん…？

イヴィ

何故ですか？

ルイ

いや、実はさっき……───

イヴィ

…涙を？

ルイ

あぁ、ボーッとしたと思ったら、だ

ルイ

アイツ、記憶喪失なんだろ？

イヴィ

えぇ、その様です

ルイ

もしかしたら、思い出しかけているのかもな

イヴィ

…

イヴィ

…

イヴィ

（そういえば）

イヴィ

（何時だったか、朝部屋に行った時）

イヴィ

（心做しか顔が青ざめていましたね…）

イヴィ

（だとしたら）

イヴィ

（愛白さんの、失っていた記憶は……）

ルイ

───アンタ、仮にも相棒なんだろ

イヴィ

！

ルイ

お前も大変だとは思うがよ

イヴィ

───解っていますよ

イヴィ

…私を誰だと思っているのですか

ルイ

……

ルイ

ははっ、敵わねぇな

ルイ

…前も、これからも

イヴィ

？

イヴィ

どうされました？

ルイ

あﾞ？

ルイ

何がだ？

イヴィ

おや…そうですか

ルイ

まぁ、取り敢えず行こうぜ

ルイ

…ここは空気も重い

イヴィ

…

イヴィ

えぇ、とても重い……

イヴィ

……潰れそうなくらい

ルイ

──そんなにか？！

ルイ

閉所恐怖症なのか？

イヴィ

ふふ……

イヴィ

だと良いですね

ルイ

はぁ、アンタまでそんなにならないでくれよ……

おとぎ。

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