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みぅです🤍🥀 第6話読みました。夏樹くん、また出てきた…!しかも同じ学校の先輩で、あの封筒が「不幸の手紙」って。千尋の心のモヤモヤや、暑さの中で感じる違和感がすごく伝わってきて、読んでて息が詰まりそうでした。早く続きが気になります。
まだ5月だというのに
電車から降りると
人がいるという先入観からくる
言いようのない蒸し暑さに支配される
その上
手提げを左手に持っているので
学校に着くまでは
非常に重苦しい気分だった
千尋
人の流れに身を任せ
改札を抜ける
そしていつものように
その流れは散らばり
自分も学校への道を辿りはじめる
だが
それは非日常でもあった
まだ完全に信じた訳ではないが
昨日のあの手紙のことが
気がかりでならなかった
いつものように家に帰り
いつものようにだらけていた
それだけなのに
彼女は知るべきではないことを
知ってしまった
正体不明の手紙
そしてそれによって
死んでしまった人々のニュース
それを聞いてしまった千尋は
どことなく
心の中に闇があるような
喉に魚の骨が刺さって つかえたままのような
痛みにも似た心のしこりを感じていた
朝の日差しが眩しい
横断歩道で信号を待っている時は
いつも目を細めて
赤色ダイオードを睨んでいる
電車で学校に通うようになってから
太陽の光が一段と厳しさを増したようにさえ 思える
夏になれば
このアスファルトから生じた蜃気楼が
空気を歪ませ
その歪んだ風景も
視覚を「暑い」と錯覚させる
が
今はかろうじて
絹糸のような光線が射しこんでくるだけだった
信号が青になった
とほぼ同時に
視線を下に落とす
鋭い光に
自分の目が耐えきれなかった
そこに偶然
封筒が落ちていた
昨日の手紙と同じようなサイズの封筒
千尋はそれをつまんで拾う
千尋
千尋
千尋
一体こんなところに
誰が落としたというのだろう?
周りを見回した
道ゆく人は
皆自分の道を歩いていて
こちらには見向きもしない
無理もない
自分だってそうだ
学校に行くときに
いちいち周りの風景を見渡すことはない
偶然手紙が落ちたとしても
落とした主は気づかないだろう
正面に向き直る
そうだ
躊躇している暇はない
信号が点滅している
千尋
千尋
千尋
横断歩道を渡ってから
自分がまだ手紙を持っていることに気づく
千尋
千尋
千尋
そう思った直後
右肩を
何者かの手が強く叩いた
千尋
千尋の呼吸が一瞬止まる
それからやや間が空いて
ぱっと後ろに向き直る
夏樹
夏樹
そこには
昨日肩がぶつかった男が
立っていた
ストレートパーマをかけたようなまっすぐな金髪が
歓楽街のホストのように綺麗に伸びている
脱色したかのような真っ白い顔
引き裂き傷のような細く鋭い目
鯉城高校の学ランは
全てのボタンが開いており
中には大判の文字が書かれたTシャツ
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
無表情で
棒読みのような口調だ
千尋
千尋は改めて
相手の制服を
上から下まで見た
確かに
自分たちの学校の男子と
同じ制服を着ている
もっとも
鯉城高校の校則では
色物のシャツなど着られないのだが
それ以前に
毛染めをしてはならない
まさに
理想の生徒像の逆といえる
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
千尋は彼と話をする気にはならなかったが
同じ学校の人なら——と思い
目線を逸らして問いに答える
千尋
千尋
幾分すぼまった声に
男はふっと笑って
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
そう無表情に言った
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹は
千尋に向けて手をさし出した
千尋が当惑していると
彼は指先を芋虫が這うように小刻みに動かし
夏樹
と付け加えた
千尋
千尋が封筒を差し出すと
夏樹
と めかしたような声を出した
封筒を受け取るなり
さっとその中から紙片を取り出す
千尋
夏樹
夏樹
#怪異
×××
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