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#コンテスト開催
#異世界ファンタジー
月戸 夕空
56
11
6:13 am.
カーテンの隙間から差し込む朝日が、やけに眩しかった ベッドの上でぼんやりと目を開ける いつもと変わらない白い天井 いつもと変わらない部屋 枕元に置かれたスマホ でもただ一つだけ…違うものがある
夜咲 薫/Yozaki
小さく呟いて、スマホを手に取る 画面には、ニュース速報の通知がいくつも並んでいた
【速報:本日未明より、世界各地で原因不明の“落下物”を確認】 【専門家「隕石とは異なる可能性」】 【政府、不要不急の外出を控えるよう呼びかけ】
その下には、昨日からずっと流れているニュース 『現在、世界各地の上空で確認されている無数の発光体について―』 薫は動画を再生することなく、画面を閉じた もう知っている 何度も、何度も見たから
夜咲 薫/Yozaki
窓の外を見る 青空の中に、いくつもの光が浮かんでいた 銀色 薄紫 淡い青 まるで、星の欠片が昼間の空を漂っているみたいだった 綺麗だと思う 最初の頃は
ピッ 薫はいつものようにテレビをつける
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夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
何度調べても 何度逃げても 何度誰かに伝えても 今日の二十三時五十九分になれば― 全部、終わる そして 午前六時十三分 また、今日が始まる
夜咲 薫/Yozaki
もう数えるのもやめた 最初は怖かった 次は、必死だった その次は、誰かを助けようとした その次は、原因を探した 何度も何度も試して それでも結果は変わらなかった だから今は
夜咲 薫/Yozaki
そう呟いて、薫はベッドから起き上がった 制服に着替えて 髪を整えて 鏡の前で、いつものように笑ってみる 世界が今日で終わるなんて、知らないみたいに
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放課後 校内に残っている生徒はほとんどいなかった。 窓の外を見る 昼間だというのに、空には薄い光の筋がいくつも走っている ニュースでは「落下物」と呼ばれているもの 専門家は隕石ではないと言っていた 宇宙空間から飛来した未知の物質 正体不明 原因不明 けれど、薫は知っている あれが地面に落ちるたびに、世界のどこかで大きな異変が起きる そして夜になるにつれて、その数は増えていく
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
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あとがき ここまで読んでくださってありがとうございました~!! 今回は『今日、世界が終わるなら_。』ということで、 「もし明日じゃなくて、“今日”世界が終わるとしたら?」をテーマに書いてみました。 最初はただの終末系にしようかな~と思ってたんですけど、 やっぱり世界が終わる話なら 最後くらいは誰かと一緒にいたいよねってなって、こんな感じになりました。 最後に、皆さんに質問です 今日、世界が終わるなら その一日を、誰と過ごしたいですか? 最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました また次の物語でお会いしましょう
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りゅな さんへ りゅなさん、素敵なコンテストを開催してくださってありがとうございます!! 今回「世界が明日滅亡する」というテーマを思いついた時、 最初はどうしようかな~とかなり悩みました そこから色々考えていくうちに、「もし世界が終わる日を何度も繰り返していたら?」 というところから、このお話が生まれました 終末という少し寂しいテーマだからこそ、最後はただ悲しいだけじゃなくて、 「最後の瞬間に誰かと一緒にいられること」を大切にしたお話にしています 拙いところもあると思いますが、少しでもこの作品の世界観や、 薫と玲央の最後の一日を楽しんでいただけていたら嬉しいです 改めて、素敵な企画を開いてくださったりゅなさんに感謝を込めて 参加できて本当に楽しかったです!! 素敵なご縁をありがとうございました
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学校へ向かう道 街は、いつもより静かだった 閉まった店 人の少ない歩道 遠くから聞こえるサイレン それでも、普通に登校している生徒たちはいる
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そんな会話があちこちから聞こえてくる 薫はそれを聞きながら、空を見上げた ―知ってる 今日の夕方には、もっと増える 夜には空が真っ白になる そして二十三時五十九分 世界は―
??
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
少し驚くフリをしたが、 この会話も何度目だろうか 今日は…少し違うことを言ってみよう
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
薫は笑った いつものように 何も知らない女の子みたいに ――今日が、最後の日だなんて 誰にも言わないまま
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
嘘、起こるに決まってる
夜咲 薫/Yozaki
薫は空を見上げた 朝の青空には、昨日よりも多くの光が浮かんでいる まだ遠い けれど、確実に近づいている
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
玲央はそう言って、前を向いた その横顔を見ながら、薫は少しだけ笑う 違う 今すぐじゃない だけど――今日の夜には
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
初めての質問に戸惑いながらも、 薫は平然と笑いながら答えた ほんのそれだけの出来事なのに薫の胸の奥はざわついた
4:30 p.m
街は昨日までと少し違っていた 臨時休業の店 閉まったシャッター 遠くで鳴るサイレン スマホには、また新しい通知が届いている
【政府より緊急発表】 【本日夜間の外出は極力控えてください】 【各地域で通信障害が発生する可能性があります】
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
何度も考えた 何度も、この質問を自分自身にしてきた 最初のループでは、家族といた 次は友達 その次は、逃げようとした その次は、原因を探した そして 何度目か分からなくなった今は
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
二人で笑った その瞬間だけは 本当に普通の日みたいだった
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
7:00 p.m
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
街の明かりが一つずつ消えていく 空はもう、青くなかった 銀色の光 紫色の光 青白い光 無数の欠片が、夜空をゆっくりと流れている 綺麗だった 怖いくらいに
川崎 玲央/Kawasaki
玲央が呟く 薫は何も言わなかった 知っているから あと数時間 あと少し この景色を見られる時間も
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
鋭い やっぱり、この人は苦手だ 何度繰り返しても こういうところだけは変わらない
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
玲央はすぐには答えなかった 冗談だと思うかもしれない 笑うかもしれない でも
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
川崎 玲央/Kawasaki
胸が苦しくなる 何度も何度も終わってきた なのに どうして今日は こんなにも終わってほしくないんだろう
なんでこんなにも…愛おしのだろう
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11:58 p.m
二人は学校の屋上にいた 空は、もう空と呼べないほど光で埋め尽くされていた まるで星が全部、地上へ降りてきているみたいだった 薫は時計を見る 11:58分 あと一分
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
今までは、ずっと一人だった 最後の瞬間も その後も ずっと
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
夜咲 薫/Yozaki
二人で空を見る 11:59分 世界中の音が、少しずつ遠くなっていく 風の音 街の音 遠くのサイレン 全部が消えていく 薫は目を閉じた また終わる そう思った そして―
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
川崎 玲央/Kawasaki
夜咲 薫/Yozaki
光が二人を包んだ 何も見えなくなる 何も聞こえなくなる それでも 握った手だけは 最後まで、離れなかった
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6:13 a.m
薫は目を開けた カーテンの隙間 朝の光 白い天井 そして 窓の外に浮かぶ、無数の光
薫はゆっくり起き上がる スマホを見る 6:13分 また 今日が始まった
夜咲 薫/Yozaki
そう呟いた瞬間 スマホが震えた 知らない番号からのメッセージ 一件
夜咲 薫/Yozaki
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夜咲 薫/Yozaki
今度は 自分だけじゃない 世界が終わる日を知っているのも 何度も同じ一日を繰り返しているのも 全部 自分だけじゃない
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そう薫は返信する
窓の外では、今日も星が降っていた まるで世界が終わることを祝福するように それとも― 新しい一日の始まりを、祝うように
今日、世界が終わるなら_。 私はきっと、 もう一度、君に恋をする
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今日、世界が終わるなら_。 The world ends today. And yet, our story begins. — END —
コメント
1件
面白かったです……! 「今日で世界が終わる」って分かってるのに、普段通りに笑って過ごす薫の強さと寂しさが胸に刺さりました。ループものでありながら「最後くらい好きにしよう」という諦めと、ラストの玲央の「覚えてる」がすごく効いてて、読後感が温かい。特に屋上で手を離さなかったのが良かったです。次も読ませてくださいね🌷