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莉子

私はみんなに迷惑なんてかけたくない

莉子

でも!

莉子

お願い

莉子

私をここから連れ出して

莉子

助けて…

うん。分かった。

すぐそっちに行くから

莉子

う…ん

巻き込んでごめんなさい

でも…信じてくれたみんなを頼ってよかったよ

ガンガンガン!

莉子

!?

莉子!

ここにいるのか?

莉子

か、翔!

ちょっとまってろ

今鍵開けるから

すぐそこにみんながいる

…でもいま何時!?

急いでスマホを見ると昴くんが帰ってくる30分前

下手したらみんなも見つかっちゃう!

ガンガンガン

ガチャガチャ

バン!

莉子!

莉子

翔!っぐえ

あぁなんでこんな時女の子みたいな声が出せないんだろう

莉子

く、苦しい…

莉子

苦しいなんて嘘。 本当は心臓がバクバクしててうるさかったから

あのとき翔を好きって自覚した時から、私は今までみたいになんてなれない

あ、ごめん

そして今更ながら気づくみんなの視線

健さん

まぁとりあえず

健さん

ここから避難しなきゃ

風真

うんうん

風真

莉子ちゃんてのお説教は倉庫に帰ってからだね〜

あ、あの

みなさんニコニコしてるけど目が全然笑ってないよ

莉子

えっと、あの

行くぞ

莉子

は、はい

か、神様。 私はあのくらい息苦しい所から出れたけど

これからどうなるんでしょうか

違う意味で助けて〜

ひより

はぁ

莉子の居場所を探しにいっている健さんたちはまだ帰ってこない

倉庫に残されているのは私とそして鳳来の幹部

多分、莉子は帰ってこない気がする

あの子は自分で背負い込む時はとことんそうするし、それを止める莉乃は寝てるみたいだったし

春樹

雅人

なぁ春樹

春樹

なんだよ

なぜか機嫌の悪いこの2人

私の方がきれたいわよ

雅人

優月どうするんだよ

春樹

どうするって

透流

姫にし続けるかってこと?

雅人

あぁ

春樹

そんなの決まってるだろ

春樹

こ…

ガラガラガラ

そんな話をしていた彼らと他のみんなの視線がシャッターに集まる

帰ってきた?

健さん

ふぅ

ひより

みんな!

ひより

り、りこは!?

お願いいて!

莉子

……

莉子

ひ、よりちゃん

ひより

り…こ

ひより

莉子!

みんなの視線なんてどうでもいい

何も考えずに莉子を抱きしめた

莉子

ひより…ちゃん

莉子

ご、ごめ…ごめんなさい

ひより

莉子のばか!

ひより

あんだけ言ってたのに!

ひより

なんであんなこと!

莉子

ごめんなさい…

ひより

無事でよかった

ひより

本当に良かった

しばらくひよりちゃんに抱きしめられていると寝息が聞こえてきた

莉子

ひよりちゃん?

健さん

あー

健さん

寝たなこりゃ

健さん

とりあえず俺はひよりを部屋に置いてくるから

風真

それまではおしおきするなでしょ?

風真

わかってるってー

健さん

あと

健さん

逃がさないでね?

春樹

もちろん

そんなことさせるわけない

こ、この人たち目が全然笑ってらっしゃらない

ここに戻るのもある意味死ぬかも

ちょっと逃げようかな…

風真

莉子ちゃん?

風真

一体どこに行くつもり?

莉子

い、いや、えっと

莉子

ちょっと莉乃とゆっくりお話してこようかなって

風真

じゃあここでしなよ?

透流

たしかりっちゃんと莉乃ちゃん声出さなくてもお話してたよね?

莉子

ゔ…

そこから1歩でも、動いたら

覚悟しとけ?

莉子

どぉーしても?

風真

どーしても

莉子

すみません…

ひゃぁぁぁ

し、死ぬぅ!

莉子

てか昴くんのこと…

あぁ

それならやつのおじさんとおばさんにも伝えたら物凄い勢いでやつを捕まえに行ってたし

やつが日本に連れてきた組の先代の人に掛け合ったらやつを下ろすって言ってたから

もう平気だな

莉子

ま、まじですか?

だってだってあんなにしつこくてやばい昴くんが?

風真

それに彼は1人だと俺らの足元にも及ばないし

健さん

組の力と金の力があってこそってか

莉子

健さん…

莉子

みんな

健さん

さてと

健さん

莉子ちゃんはどんなお仕置がいいかな?

健さん

俺優しいから選ばせて上げるよ

莉子

風真

じゃーあ

風真

1 今から1時間そこに正座

2 朝陽さんの超荒いバイクにのって1時間お散歩

健さん

3 翔くんや俺たちにこの何日かのことを説明する

健さん

さぁ

健さん

どれがいい?

なんで、この人達は私のことを責めたりしないんだろう

莉子

3

莉子

…私の過去や今日までのこと

莉子

全てをみんなに知って欲しい

莉子

だから聞いてくれますか?

もちろん

健さん

あたりまえ

春樹

そのためにお前を探してたんだから

みんなお人好しすぎるよ

莉子

…ありがとう

そして私は全てのことを打ち明けた

昴くんにされたこと全てを

莉子

…ってことなの

莉子

私…汚いの

莉子

汚れているの

莉子

軽蔑するでしょ?

莉子

だから…だから

そんなことない

その瞬間ふわっと何かが私を包んだ

でもそれは見なくてもわかる

私の好きな人の声

莉子

か、かける…

俺はそんなこと思わない

健さん

…莉子ちゃん無理に聞いて悪かったね

健さん

ちょっと翔くんと2人でおなししてきなよ

莉子

健さん

莉子

ありがとう

綾香

莉子…?

綾香

莉子!

莉子

あ、やか?

コンビニの袋をもって倉庫に入ってきた綾香と目が合う

綾香

莉子ぉっ!

綾香

ばか!本当にばか!

綾香

約束が違うじゃない!

綾香

なんで

綾香

ばかばかばかばかばか!

袋を投げ捨てて目を潤ませた綾香に抱きつかれる

莉子

え?

莉子

どうして

綾香

絶対許さないから!

綾香

莉子が私との約束破ったことも

綾香

お兄ちゃんやみんなを傷つけたことも

綾香

許さない!

莉子

うん

莉子

ごめん

綾香

これから毎日私とお弁当食べなさい!

綾香

そうじゃなきゃ許さない!

莉子

え?

何言われてもおかしくないって身構えていたのに

案外普通な事を言われてびっくりする

莉子

そんなことでいいの?

綾香

もちろんでしょ

綾香

だってそうすれば莉子は自分を粗末にしなくなるよね

莉子

綾香…

私たちはそのまましばらく泣き続けた

それを暖かい目で見てるみんなの前で

そして私の中で何かがゆっくりと

でも確実に溶けていくような気がしていたんだ

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元姫の真実大好きです♡毎回楽しく読ませてもらってます!ずっと応援してるのでこれからもがんばってください!  次回も楽しみにしてます!

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