私は恐る恐る屋上のドアを開けた
キィ…
アカツキ
こんにちは
ㅤㅤ
…
キィ…
アカツキ
待って待って!?
閉めないで!
閉めないで!
誰もいないと思っていた屋上に得体の知れない人がいたら閉めるよ…
と思いつつも得体の知れない人に話しかけた
ㅤㅤ
あ、あ、貴方は誰なん、ですか?
アカツキ
私はアカツキだよ
アカツキ
死ぬ前に、私と話していかない?
ㅤㅤ
ふぇ…?!
い、良いです、けど…?
い、良いです、けど…?
ㅤㅤ
わ、私、親に虐待されてるんです。
アカツキ
……そっか
ㅤㅤ
い、妹の方がなんでも出来て、可愛くて女の子らしい、から
ㅤㅤ
可愛がられているんです
私はアカツキと名乗る謎の人に自分の家のことを話し始めた
ㅤㅤ
それだけなら良いんですけど、妹は出来てるのに、なんで出来ないんだーっとか
ㅤㅤ
怒鳴りながら私を踏みつけたり、蹴ったり、投げ飛ばしたり、
ㅤㅤ
な、殴ったり
ㅤㅤ
もちろん自分の部屋なんてない訳ですから、いつも家の外で寝ています
アカツキ
そうなんだ
何かお布団はかけてる?
何かお布団はかけてる?
全然関係の無い質問を振られて私は驚いた
ㅤㅤ
い、いえ…そんなもの私に分けてくれるはずないですから、ダンボールです
アカツキ
君はどうしたいの?
ㅤㅤ
わ、私は、楽になりたいです
ㅤㅤ
親を気にせずに生きたいんです…
アカツキ
そうか、君は生きたいんだね。
ㅤㅤ
あっ…
アカツキ
生きたいなら、死ぬよりもっと他のやり方があると思う
アカツキ
児童相談所とか…
ㅤㅤ
え、あ、考えた事無かった…
ㅤㅤ
でも、怖そうだし…
アカツキ
大丈夫だよ
アカツキ
ね?
ㅤㅤ
は、はい…!
ㅤㅤ
な、何か少し心が軽くなりました…
ありがとうございます
ありがとうございます
ㅤㅤ
お礼に、私もアカツキさんの悩みでも何でも聞きます!
アカツキ
ありがとう
アカツキ
じゃあ、なんか質問ある?
ㅤㅤ
何でここに居るんですか?
アカツキ
アカツキ
死にたい人が来るように
ㅤㅤ
え
アカツキ
ここは普通閉鎖されてる
アカツキ
だから、死にたい人しかここには来ないんだよ
ㅤㅤ
確かに…!
だから私が死にたいって言うのも当てたんですね!?
だから私が死にたいって言うのも当てたんですね!?
アカツキ
そうだよ。
アカツキ
それで、死にたい人を減らしたいからだよ…
アカツキ
私に出来る事は少ないけど…
ㅤㅤ
そんな事ないです
私はアカツキさんに救われましたもん!
私はアカツキさんに救われましたもん!
アカツキ
はは、ありがとう
アカツキ
もう行った方がいいよ。
アカツキ
こんな所に用はないでしょう?
ㅤㅤ
はい!
ありがとうございました
ありがとうございました
ㅤㅤ
またね!
アカツキ
ありがとう、さようなら
バタン
アカツキ
アカツキ
「またね」…か