莉子
えっと…どちら様で?
佐々木くん
あ、俺鳳来の下っ端をやっている佐々木です
莉子
え?
佐々木くん
俺見てたんです
佐々木くん
まだ莉子さんが姫の時にあの人が来てから倉庫裏で泣いていたの
莉子
な、んで?
莉子
だって誰にも見られないはずなのに
佐々木くん
覚えてませんか?
佐々木くん
俺よく莉子さんを呼びに言ってたんですよ
莉子
あああ!
莉子
あの時の下っ端くんが佐々木くんだったんだ……
佐々木くん
思い出してくれましたか?
莉子
うん。思い出した
佐々木くん
あの時やっぱり泣いてましたよね?
佐々木くん
それも毎日って言っていいほど
莉子
そんなに毎日見られてたのか…
佐々木くん
やっぱり莉子さんって本当は鳳来を裏切ってないんじゃ…
その言葉もっと早く言われてたら、
1人で辛かったあの頃に言わてたら、泣いてたと思う。
莉子
でもさ?
莉子
そんなことを聞くってことは
莉子
大体わかってるんでしょ?
莉子
それを確認するために私に聞いてきた
莉子
ひよりちゃんを使って、それほど私の行動をマークしてたんでしょ?
佐々木くん
今の鳳来はの思い通りです。
幹部の皆さんはあの人のいいなりみたいになっていて
佐々木くん
でなんとなく違和感を感じていたらここにいる莉子さんと先生の会話を聞いて
莉子
会話?
佐々木くん
どんな時も俺たちの前で泣いたりしなかった莉子さんがここで泣きながら、先生に相談していたのを…
莉子
なるほど
佐々木くん
それでわかったんです
佐々木くん
莉子さんが追い出されたのって…
莉子
だめだよ
莉子
それは言葉にしちゃダメ
佐々木くん
なんでですか?!
佐々木くん
莉子さんは辛くないんですか?
佐々木くん
やってないんでしょ?いじめなんて
佐々木くん
無実なら、それなら莉子さんは
莉子
ストーップ!
莉子
だから言っちゃダメだって言ってるじゃん?
莉子
それに、言われなくても何回も何回も春樹たちに言ったよ!
莉子
でも、みんなは全然信じてくれなかった!
莉子
仕方ないじゃん…
佐々木くん
莉子さん…
莉子
それに、佐々木くんは鳳来の一員でしょ?だったら言っちゃダメ
佐々木くん
でも…!
莉子
仲間なんでしょ?
莉子
あなたは春樹たちのことを信じてついていくって決めたんでしょ?
莉子
だったらその彼らを裏切るようなことは絶対しちゃダメ
佐々木くん
……
莉子
でもね?
莉子
佐々木くんみたいに真実をちゃんと見てくれる人がいてくれて本当に嬉しかったよ
莉子
それだけで充分
莉子
それにね?優月の嘘で苦しめられるのは私だけで済むならそれでいい
佐々木くん
でも総長も
莉子
別に春樹たちは苦しめられてるわけじゃないよ
莉子
だって気づいてないもん
莉子
気づかない幸せもあるよ
気づかなくていい幸せがあることは私がよくわかってる。
でもこれ以上私と関わると彼らは真実を知っちゃうかもしれない
そう。透流と春樹がそれに片足を踏み込んでるみたいに
莉子
みんなに私が嫌われてそれで済むんだったらかかってこいや!って感じだけどね
莉子
人生そう上手くは行かないのよね
佐々木くん
莉子さん…
ひより
たかが16年しか生きてない小娘が何を言ってんだか…
佐々木くん
先生?
莉子
佐々木くん気にしなくていいよ。
莉子
23年も生きていらっしゃるおばさんの言うことなんて
ひより
あ?莉子さん?
莉子
なに?
ひより
言ってくれるじゃない
莉子
先に言ったのはひよりちゃんでしょ
佐々木くん
まぁまぁ二人とも
ひより
あ、ごめんね
ひより
どーぞどーぞ
佐々木くん
莉子さんは本当にこれでいいんですか?
莉子
うん!
莉子
それに私今1人じゃないから
莉子
大事な友達も仲間もいるもんね?ひよりちゃん?
ひより
そーね
佐々木くん
莉子さんは強いですね
莉子
仲間がいるからね!
莉子
じゃあそろそろ戻ろっかな
莉子
佐々木くんじゃあね!
佐々木くん
はい!さよなら
佐々木くん
あの!
莉子
ん?
佐々木くん
どうしようもなく辛かったり何かあったら頼ってください。いつでも駆けつけます。友達として
莉子
…うん
莉子
ありがとう!
莉子
えへへ
こんなことになるなんて思ってもみなかったからすごく嬉しかった
久しぶりだな。
翔くんやひよりたち以外のことで笑えるの