卓
卓
こじんまりとした部屋。
壁という壁から、
ごそごそと音が聞こえる。
無数の水槽の中で、
黒い何かが動いている。
長い脚。茶色の体。
思わず背筋の凍る外見。
卓
クモ。クモ、クモ、クモ。
100匹を超えるクモが、
水槽の中で飼育されていた。
貴子
貴子
貴子
卓
聞きなれた、のんきな声。
だが、今の状況では、
それが逆に、恐ろしかった。
貴子
貴子
貴子
貴子
声が近づいてくる。
クモたちが、それに合わせて
一斉にわさわさと動き出す…
卓
数十分前。
アパート『永禄荘』
卓
卓
卓
ピンポーン…
貴子
卓
貴子
貴子
貴子
卓
卓
貴子
卓
貴子
卓
卓
貴子
貴子
貴子
卓
卓
貴子
卓
卓
卓
卓
卓
貴子
貴子
卓
貴子
貴子
卓
卓
卓
土産を取り出す、その一瞬
卓の視界を、何か黒いものが
すばやく横切っていった。
卓
卓
貴子
貴子
貴子
卓
卓
卓
テーブルの隅に置かれた、
ステンレスのスプレー缶。
ラベルが貼られているが、
何も書かれていなかった。
貴子
卓
貴子
卓
卓
ゴキブリが走る。
殺虫剤で狙うスキも見せず、
奥の部屋へ逃げてしまった。
卓
卓
貴子
卓
卓
貴子
貴子
卓
貴子
貴子
卓
貴子
貴子
貴子
卓
貴子
貴子
貴子
卓
貴子
貴子
卓
貴子
貴子
キッチンの奥に消える貴子。
1人残された卓の前で、
青いカーテンが揺れている。
卓
卓
卓
卓
卓
卓
卓
卓
卓
卓
ちらりと、台所を見る。
貴子は完全に背を向けて
紅茶の準備に夢中だった。
卓
卓
卓
卓が、こっそり席を立ち、
そっと青いカーテンを通る。
卓
卓
卓
卓
卓
卓
卓
卓
そして
時間は再び、現在に戻る…
卓
貴子
貴子
貴子
卓
貴子
貴子
貴子
貴子
貴子
卓
貴子
貴子
卓
卓
卓
貴子
貴子
貴子
貴子
貴子
貴子
卓
貴子
貴子
貴子
卓
卓
卓
貴子
貴子
貴子
コメント
4件
戦争?!
せ、戦争?
なんの戦争なんだ!?