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ある平和な日のこと

イヴィ

…けほっ

愛白

…だ、大丈夫ですか?

イヴィ

えぇ、何ともあり───

イヴィ

ゴホッ……!

愛白

え、えぇと…

イヴィ

……

愛白

……

イヴィ

そう言う貴女も、顔色が悪いように見えますが…

愛白

……えっ

愛白

(う、嘘、そんなに…?)

愛白

(確かに朝から頭痛はしていたけど…)

ロック

───おはよう!

イヴィ

…おは───

イヴィ

ゲホッ

愛白

お、おはようございます…

ロック

…何だ、2人ともなんだか…

ロック

元気が無いな

ロック

さては風邪だろう?

イヴィ

い、いえ…

愛白

……何ともありません…

ロック

はぁ…

ロック

流石に今日は休んでおけ

ロック

身体に障るだろう

愛白

愛白

ぜ…全然、いけます…!

ロック

それで依頼主に移したらどうなるんだ?

イヴィ

…!

愛白

(た、確かに…)

イヴィ

…ですが、今日の仕事は……

ロック

それなら任せておけ!

イヴィ

……え

ロック

自分の身は自分で護るからな!

イヴィ

で、ですが───

ロック

─王の命令だぞ?

愛白

(えぇ……)

イヴィ

……

イヴィ

イヴィ

……承知いたしました

イヴィ

ですが、何かあった場合は直ちにご連絡を

ロック

はいよ

ロック

じゃ、またな!

イヴィ

えっ…あのロック様─────

イヴィ

…行ってしまいました

愛白

だ、大丈夫でしょうか…

イヴィ

…はぁ、ロック様に何かあったら私の責任なのですが…

愛白

……えぇ

愛白

(気の毒に…)

イヴィ

……お言葉に甘えて今日は休みましょうか

愛白

そ、そうですね…

嘘っ?

えっえぇ…?!

…なぁ、あれってどういう状況だ?

えっ?!王様?!

どうしておひとりでお出かけになっているんだ?

イヴィ様は居ないのか?

で、でもよ

隣の女の子がそうっぽくないか?

うーん…

ロック

(…やっぱりある程度は注目浴びてしまうか…)

ロック

──で

ロック

何でお前がいるんだ?

マリア

貴方を見守って欲しいと言われた

ロック

…俺ってそんなに信用ないのか?

マリア

……さあ

マリア

でも私は護衛を任されたの

マリア

貴方は依頼に集中すればいい

ロック

あぁ、任せろ!

いっ、行っちゃった……

というかあの女の子何者なの?

王様相手にタメ口だったわよ

さ、さぁ…

凄い、度胸あるのかもね…

マリア

今日はどこで仕事なの?

ロック

確か、国境付近の騎士団の視察…だったかな

マリア

騎士団?

ロック

簡単に言うと、国を護る団体だ

ロック

国の警備や

ロック

今行く国境の警備とか

ロック

色んなことやってもらってるんだぜ

ロック

マリアも見かけたら挨拶してやれ

ロック

少しは支えになるはずだ

マリア

…うん、分かった

マリア

詳しいね

ロック

ま、まぁな

マリア

皆いきなり騎士になるの?

ロック

国立騎士学校…「ロイヤルアカデミー」ってとこで訓練するんだ

マリア

学年性?

ロック

あぁ

ロック

小等部、中等部、高等部を卒業した後に

ロック

訓練兵を2年間やって…

ロック

やっと騎士団に入れるんだ

マリア

…そんなにかかるの

マリア

……

マリア

でもやっぱり詳しいね?

ロック

…ま、まぁ、視察とかでも結構話してくれるから……

ロック

お陰で騎士団の雰囲気はこの世界でかなりいい方なんだけどな

マリア

ふーん…

ロック

(この子…さっきから表情が全然変わらない)

ロック

(人形だからなのか?)

マリア

…もしかして、これ?

ロック

あぁ、ほら、騎士団のみんなが見えるだろ?

団兵

───ロック様がいらっしゃったぞ!

団兵

敬礼ッ

ビシッ

ロック

お疲れ様!

団兵

…お忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます!

団兵

…そちらの方は?

ロック

あぁ、今日イヴィの代わりに来てくれたんだ

ロック

自己紹介できるか?

マリア

……うん

マリア

マリアって言います

マリア

ドールハウスの住民でした

団兵

ドールハウスの方ですか!

団兵

という事は、人形はお持ちで?

マリア

……はい、一応

マリア

今、バッグに入ってます

団兵

興味深いですね…見せていただいても?

マリア

あ…えっと

ロック

…!

ロック

(マリアにとって人形は「心臓」でもあるのか!)

ロック

(あまり触れられたくないよな…)

ロック

……すまな────

ダンッ

団兵

ひっ?!

ロック

?!

マリア

わっ

───無礼者の分際で口を開くなと……

何度言ったら分かる?

団兵

もっ……

団兵

申し訳ありませんでしたっ!!

ロック

───あぁ…お前か…

マリア

…誰?

1度引くがいい

仕事に戻れ

団兵

は、はいっ…

ロック

まったく…驚いたぞ

ロック

「ドロシー」

ドロシー

ふんっ

ドロシー

立場に飲まれるからああなるんだ

ドロシー

お前は全く変わらんがな

ロック

あ、あはは…

ロック

(怖ぇ…)

ロック

取り敢えず、マリアに自己紹介してくれ

ドロシー

あぁ…

ドロシー

私は「ドロシー・ガーネット」

ドロシー

騎士団の副隊長をやっている

ドロシー

マリア、と言ったか

ドロシー

災難だったな、大目に見てくれ

マリア

…はい

ロック

今日はイヴィが体調不良だから

ロック

代わりに連れてきたんだ

ドロシー

へぇ、護衛ね……

ロック

(何か意味深な笑みだな…)

ドロシー

では、私は仕事に戻る

ドロシー

お前も頑張りな

ロック

あぁ…

マリア

……

ロック

ロック

マリア、大丈夫か?

ロック

少し怖かっただろ?

マリア

いや、別に

ロック

(強っ)

マリア

王様も怖気付く存在なんだね

ロック

こ、心に刺さるからやめてくれ…

ロック

…じゃぁ、視察の続きをしようか

マリア

うん

───あ、あれってロック様じゃない?!

嘘っ、私たち何も聞いてないよ?

抜き打ちってこと?

ぇ、そんなことする?

でもドロシー様とは普通に話してたよ

あれじゃない?

学校の皆には伝えられなかったけど

騎士団には伝えられたんじゃない?

はぁ?そんなことあるのかよ

第一、隣のやつは誰だ?

護衛って言ってたぞ

嘘だぁ

とはいえ珍しいから跡つけてみる?

サインもらえちゃうんじゃない?!

え、面白い!!

やってみよ

マリア

……

ロック

───じゃあ、そろそろ終わりだな

ロック

報告書も貰ってきたし

ロック

へへ、見てろよイヴィ

ロック

俺だってこれくらいできるんだ!

マリア

…良かったね

マリア

(気のせいかな、気配を感じるような…)

マリア

(…勘違い?)

マリア

(いや、一応……)

ロック

どうしたんだ?

マリア

…少し席を外す

マリア

ドロシーさんのところにでも行っておいて

ロック

あ、あぁ…分かったが…

ロック

(ドロシーの所へでも行っていて…か…)

ロック

…さては

ロック

刺客でも来たかな……

ドロシー

ロック?

ドロシー

何しているんだ、こんな所で

ドロシー

護衛はどうした?

ロック

それが、席を外すとしか言わなかったんだ

ドロシー

へぇ、任務放棄か?

ロック

…そんなことはしない

ドロシー

何故分かる?

ロック

……

ロック

「既 に 、 役 目 を 果 た し て い る」からだ

ドロシー

何…?

ドロシー

───!

数分前……

マリア

───ねぇ、誰?

ひっ?!

さっ、さっきの護衛じゃん!

驚かせないでよぉ

こいつ一人か?

なぁお前、本当に護衛なのか?

マリア

…そうだよ

生意気だな、やれ!

マリア

(─速…!?)

ドンッ

へへっ、やっぱ護衛じゃないんじゃねぇの?

弱すぎだね

さて、これでちょっかい掛けられるな

俺たちとそんな変わらない歳の癖にイキがるからこうなるんだってこと

教えてやろうぜ!

そうだね!

あはははっ────

ガチャッ……

は────?

マリア

マリア

邪魔

なっ……なんだよ…?

マリア

…その「頭」

マリア

邪魔

はっ…!

突然なんだよ?

こんな物突きつけといて!

マリア

……うるさい

マリア

その口も塞がれたい?

舐めた口聞きやがって!

ダンッ

マリア

…その「手」もいらない

なっ……

マリア

諦めて

マリア

私は護衛

マリア

…「貴方たち」にも言ってるの

や、やばいんじゃない…?

大事になっちゃうって…

ね、ねぇ、もうやめない?

……チッ

しょうがねぇな…

必ずケリつけてやるからな!

マリア

……

マリア

(…?)

マリア

(あまり、怯んでなかったような…)

マリア

(気のせい?)

へぇ、凄いな

マリア

流石、護衛を任されただけあるな

マリア

……ドロシーだっけ

ドロシー

いいね、是非迎え入れたいものだよ

ロック

はぁ…俺には伝えてくれよ…

マリア

え?伝えて?

ドロシー

王様の護衛となれば、このくらいできて当然だ

ドロシー

それくらい重い仕事なんだよ

マリア

じゃぁ、あれは───

────す、すみません…っ

マリア

ドロシー様からの指示で

「護衛者の力量を確かめたい」とのことでしたので…

マリア

力量……

マリア

要は試されていたの?

ドロシー

そうだな

マリア

……

マリア

(危ない…引き金を引いていたらと思うと……)

ドロシー

途中、団兵の手を振り払ったな

ドロシー

手応えがないと感じたのではないか?

マリア

確かに、そうは思った

マリア

(あれくらいだと反応されてしまう…)

マリア

(流石、騎士団…)

ちょっとぉ、可愛い子傷つけちゃだめよぉ

だから、僕に気の強い役は似合わないって言ったのに…

ロック

まぁ、何事もなくて良かったな

ロック様!

この度は申し訳ありませんでした…

御無礼をお許しください

ロック

あぁ、大丈夫だ!

ロック

…あれ

ロック

今日は、たまたまマリアが護衛だったが

ロック

いつものようにイヴィが来ていたら

ロック

イヴィが試されていたのか?

ドロシー

あぁ、そうなるな

ドロシー

イヴィが来ると聞いていたから、正直焦ったよ

マリア

イヴィが護衛しているところ、見たことない

ロック

ないのが1番だけどな

ロック

たまに、あるんだぜ

ドロシー

…私より、反応は速いよ

マリア

……意外

ドロシー

だから、この程度だとすぐに気がついて────

ドロシー

致命傷……

マリア

えっ

ドロシー

……で、済めばいいが

マリア

ええ…っ

イヴィ

───…くしゅんっ

愛白

だ、大丈夫ですか?

愛白

くしゃみ…出てますけど…

愛白

やっぱり部屋に戻った方が!

イヴィ

…いえ、せめてお出迎えくらいはやらないといけませんので……

イヴィ

それに…熱はもうだいぶ下がってきてますよ

愛白

そ、そうですか……

イヴィ

(…おかしいですね…急に寒気が……)

ロック

────帰ったぞ!

愛白

イヴィ

……おかえりなさいませ、ロック様

愛白

…マリアもお疲れ様……!

ロック

2人、大丈夫なのか?

ロック

とにかく、ほら、報告書だ

イヴィ

イヴィ

(何事もなくてよかった…)

イヴィ

この度は申し訳ありませんでした

イヴィ

自身の体調管理を怠らぬよう、精進していくつもりです

ロック

な、何だ急に改まって…

ロック

……あ!

イヴィ

はい?

ロック

そういえば、今日な─────

こうして、ロックの任務は

難なく終わりを告げたのであった

彼が、今日起こったことを全て話すとしたら

イヴィはどのような反応をするのだろうか

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