阿部 瑞希
おはよう!
良い感じの女
うふふ、おはよう!
斎藤 純
おはよう、瑞希
阿部 瑞希
純、おはよう!
良い感じの女
……えっと、じゃあ私は此れで
阿部 瑞希
え、待っ…
斎藤 純
行っちまったなー
阿部 瑞希
残念だ…。そう言えば純、お前俺の悩み知ってるよな?
斎藤 純
え、何かあったか?
阿部 瑞希
俺の親友は何故こんな忘れっぽいんだ…?
斎藤 純
ま、まあまあ
阿部 瑞希
誤魔化すなよ
斎藤 純
うんうん、で話してみろよ、其の悩み
阿部 瑞希
はぁ……。あのさ、毎回毎回俺と良い感じの女って、自殺したり行方不明になったりしてねぇ?
斎藤 純
ああ…まあ確かにな
阿部 瑞希
で、昨日の夜さ、ミシミシ音がしたんだよ。変じゃねぇ?あのマンション古くないんだけどな
斎藤 純
幽霊じゃないのか?
阿部 瑞希
止めろよ不吉な
斎藤 純
可能性としてはあるだろう?
阿部 瑞希
む…まあな
斎藤 純
取り敢えず今日の夜もそうだったら、俺に言えよ。知り合いに厄払いしてくれる人居るからさ
阿部 瑞希
サンキュー!
ーー其の夜ーー
ミシミシ……………
阿部 瑞希
…?今日も、か…。不気味だから、布団頭から被ろう。……怖ぇな…
阿部 瑞希
スー、スー
屋根裏部屋で…
???
そろそろ、ね…。うふふふ、瑞希くん、また私と幸せに生活しましょう…。うふふふ、うふふふ…
次の日
阿部 瑞希
純、昨日もミシミシ音が…
斎藤 純
そんな事よりも!お前朝のニュース見たか?!見てないだろうな。昨日話していたあの、お前と良い感じの女が殺されたんだよ!
阿部 瑞希
な、んだって……!!
斎藤 純
こんなの有り得ないって!お前何かに呪われてんのか?
阿部 瑞希
……分からねぇよ、そんなの!
斎藤 純
ていうか、またミシミシ音したんだな?今日の放課後、其の人んち寄ってから行こう
阿部 瑞希
俺も着いて行く
斎藤 純
分かった。きっと其の音とこの災難、関係有るぞ…!
放課後
阿部 瑞希
此処か…
斎藤 純
ああ、如何にも厄払いって感じの寺だろ?此処に……ああ、内海さん!
内海 圭吾
やあ、純くん。そして、君が例の阿部くんだね?
阿部 瑞希
は、はい。初めまして、阿部瑞希と申します
内海 圭吾
うんうん、私は内海圭吾だよ。宜しく。早速だが、君の家に行っても良いか?厄が有るか、確かめに行くからね
阿部 瑞希
はい、御願いします!
暫く歩く
阿部 瑞希
着きました
斎藤 純
おお、そう言えば引っ越したんだよな
阿部 瑞希
ああ、最近
内海 圭吾
では入るぞ
内海 圭吾
ふむ、ふむふむ…
阿部 瑞希
ど、どうっすか?
内海 圭吾
……霊的厄は無いが、人間的な厄が有る
阿部 瑞希
人間的な厄?
内海 圭吾
人によって厄が招かれるんだよ
斎藤 純
こっわ…!大丈夫か、瑞希?
阿部 瑞希
引っ越そうかな…
内海 圭吾
其れは尤もだが、其の前に其の人間的な厄をおびき寄せている人物を探し出さねばならない
斎藤 純
其処は手っ取り早くカメラを付けておこう
内海 圭吾
うむ、其れが最善と言える
斎藤 純
よし、カメラセットしたぜ〜!
阿部 瑞希
早っ?!じゃあ三時間くらい外に行って、カメラで監視するか
斎藤 純
そうしよう
カフェにて
斎藤 純
…………そろそろ、三時間経ったよな?
内海 圭吾
うん、そろそろだね
斎藤 純
じゃあ、これじゃ見にくいから先ず俺と内海さんが見て、それから瑞希見ろ。んじゃ、スイッチオン!
阿部 瑞希
オーケー
動画再生中…
斎藤 純
……え?
内海 圭吾
誰だ?
阿部 瑞希
な、何だよ?
斎藤 純
……
内海 圭吾
……
動画を見終わると、純は言いにくそうに口を開いた
斎藤 純
瑞希、彼女とどんな別れ方したんだっけ……。
阿部 瑞希
……?ああ、俺も彼女が好きだったんだけど、彼女が俺に執着したっていうか…好き過ぎたって言うか…。それで怖くなって冷めて、別れた
斎藤 純
……俺さ、瑞希の彼女に会った事があるんだよね。それで姿覚えてて、そしたら、さ……。
斎藤 純
瑞希の彼女が屋根裏部屋に入って行くのが見えたんだ…!
阿部 瑞希
は…?
俺は信じられなくって、スマホをひったくって動画を見た。確かに、俺の元彼女が屋根裏部屋に入って行った。
阿部 瑞希
ひぃっ……
斎藤 純
大丈夫だ、瑞希。
内海 圭吾
私達が一緒に行って、彼女と話そう
阿部 瑞希
すげぇ心の支えになります。お願いします。
そうして俺達は再び俺の家に向かった