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美羽

アヤカ久しぶりだね

ミウー!!

めっちゃ久しぶり
元気してた?

彼女の名前は、アヤカ 高校時代の友人だ

3年前に、隣町に住むコウキさんの 元へ嫁いだ 彼女が小さな海辺の町に 引越してからは、 年に何回か会う程度だったが、

昔はよくつるんで、 飲み歩いたりしていた

美羽

うん、元気してた

美羽

美羽

こっち戻ってきたんだって?

アヤカ

あはは…

アヤカ

アヤカ

いやぁ、もう最悪だったよ

美羽

何があったの??

アヤカ

それがね…

-ガチャ-

アヤカ

おかえりー

コウキ

ただいま〜

私は、旦那のコウキと二人暮し

子供はいないけど、 夫婦仲は至って良好

ただ、私には ひとつだけ悩みがあった

コウキ

明日から帰り遅くなるから

コウキ

ご飯用意しなくていいよ

アヤカ

え?残業?

コウキ

あ、いや…

コウキはカレンダーに目をやった

アヤカ

(なるほどね)

アヤカ

(今年も嫌な時期がきたな)

コウキ

来週末に夏祭りあるから

コウキ

仕事帰りに青年会で
打ち合わせがあるんだよ

アヤカ

そっか

アヤカ

アヤカ

あんまり遅くならないでよ?

コウキ

うん、わかってるよ

コウキの地元では 祭りごとに力を入れている

地域全体で祭を支援 仕事を休んででも手助けするのが 当たり前なのだ

私の中では「祭バカ」としか思えない

この風習が どうしても馴染めずにいるため この時期が憂鬱なのである

アヤカ

私は家で待ってるから

コウキ

コウキ

…あぁ

アヤカ

お義母さんたちには
うまく伝えておいてね

コウキ

…わかったよ

コウキは祭りの話となると 不機嫌になる

アヤカ

(イヤな思いしてるのは
こっちの方なのに)

アヤカ

(嫁を庇うのが
そんなに嫌なの?)

それから何日間か コウキは深夜に帰ってきた

🔙 コウキのトークルーム

アヤカ

もう、0時回ってるよ

アヤカ

まだ終わらないの?

私のREINメッセージは 既読が付くことはなく

待ってるのも無駄と感じ 寝ることにした

-次の日-

アヤカ

えっ?

コウキ

いや、お前のこと考えてさ

アヤカ

祭当日は
いなくていいってこと?

コウキ

あぁ

コウキ

せっかくだから
実家で羽根伸ばしておいで

アヤカ

アヤカ

でも、さすがに…

アヤカ

家事もしないのは
気が引けるよ

コウキ

大丈夫だって
飯は祭で買ってくるし

コウキ

洗濯ぐらいは余裕だからさ

アヤカ

アヤカ

うーん

コウキ

俺のことは気にするなよ

コウキ

久々に友達と飲みとか
行ってこいって

正直なところコウキの申し出は かなり有難かった

親戚や近所から白い目で見られ 陰口を言われる

コウキも私がいない方が 気楽なのだろう

些細なことで揉めるくらいなら…

アヤカ

(お言葉に甘えておくか)

アヤカ

うん、ありがとね

この時は、まだこの後に起こる 地獄のような出来事を知る余地もなかった

祭りは土日開催のため 前日の金曜日には地元にもどった

実家は実家で 早く孫の顔がみたいだとか… うるさく言われて

結局、実家にも私の居場所なんてないと…そう感じていた

そんなことを考えながら 祭り当日になった

アヤカ

まじでお祭り男とか
訳わかんないわ

美羽

なんか、お祭り命の
町ってあるよねー

土曜日、祭1日目 美羽を誘い、実家の近くの飲み屋で 愚痴をこぼしていた

美羽

でもさー、
嫁に行ったんだから
顔だけでも出したら?

アヤカ

やだ!

美羽

いやいや、
拒否し続けるのも良くない

アヤカ

美羽

旦那を立てるのも
嫁の仕事なんだから

美羽

コウキさんだって
本当はアヤカと一緒に
お祭り楽しみたいのかもよ

アヤカ

一回だけ、
着いてったことあったの

アヤカ

でも、なんか
私だけヨソモノって感じで

アヤカ

コウキも私のこと
気にかけてくれないし

美羽

コウキさんも
祭りの時はハメ外して
仲間と騒ぎたいのかも

美羽

少し我慢して、
アヤカは見守らないと

アヤカ

アヤカ

嫁いでもう3年かぁ

アヤカ

次の祭りは
私も自分から
輪に入ってみようかな

美羽

えらい!

美羽

あたしは途中で
結婚挫折しちゃって
いまに至るけどさ

美羽

アヤカには私みたいに
なって欲しくないから

アヤカ

ウチ夫婦仲はいいから

アヤカ

美羽みたいには
ならない自信あるよ

美羽

はいはい
心配して損したわ

アヤカ

あはは

アヤカ

アヤカ

美羽、頼みがあるんだけど

-ガチャ-

アヤカ

ただいまー

子供がいる美羽は お酒は飲まず私に付き合ってくれていたので

そのまま、家まで送ってほしいと お願いした

アヤカ

(コウキ、まだ帰ってないか)

時間は、23時を回っていたが コウキは祭り後に羽目を外し、 知人と飲んでいるのか

家はシーンと静まりかえっていた

アヤカ

ふと違和感を感じた

-ガチャ-

お風呂の脱衣場のドアを開ける

アヤカ

(洗濯物がない…)

アヤカ

??

-ガチャ-

寝室を開け、ベッドやクローゼットを 確認してみる

アヤカ

(ベッドも綺麗なまま)

アヤカ

(コウキが出張の時に使う
カバンないような気がする…)

アヤカ

???

-ガチャ-

キッチンに行き、 冷蔵庫を開けてみる

アヤカ

(作り置きしてたおかずも
そのまま)

アヤカ

(ゴミ箱にも何も入ってない)

アヤカ

アヤカ

アヤカ

(もしかして…コウキ)

アヤカ

(金曜日から帰ってきてない?)

それから寝ることが出来ず リビングでひとり コウキの帰りを待った

しかし、コウキが帰宅することは なかった

-チュンチュン-

一睡もできないまま、 日曜日の朝を迎えた

気付くと辺りは明るくなり 鳥の鳴き声が聞こえていた

アヤカ

(きっと、青年団の飲み会で
公民館とかで寝ちゃったんだ)

アヤカ

(着替えに帰ってくるよね?)

-チッチッチッ-

アヤカ

(10時かぁ…)

アヤカ

(そのままお祭りに
行っちゃったのかな)

-チッチッチッ-

アヤカ

(お昼…)

アヤカ

(食欲わかないな)

ケータイに目をやるが コウキからの連絡は一切なかった

こんな時は、 私からも連絡しない

…意地を張っていたのだと思う

-チッチッチッ-

-チッチッチッ-

アヤカ

夜の20時を越える頃には 疑う気持ちでいっぱいになっていた

アヤカ

(昨日どこに泊まったんだろ)

アヤカ

(もしかしたら一昨日も)

アヤカ

(…浮気)

アヤカ

(いや、ありえない
コウキに限ってそんな)

-チッチッチッ-

-ガチャ-

コウキ

ただいまー

祭りは21時に終了を迎え、 一時間片付け作業 その後の帰宅…

アヤカ

…おかえり

コウキ

はい!おみやげ!

アヤカ

…ありがと

コウキはお祭りで買ったと思われる 焼きそばやお好み焼き、 缶ビールなどを腕に抱えてきた

コウキ

アヤカは実家でゆっくり
できたか?

アヤカ

…う、うん

コウキ

コウキ

なんだ体調悪いのか?

アヤカ

いや、大丈夫

昨日、どこに泊まったの!?

アヤカ

(…怖くて聞けない)

アヤカ

あ、あんまり
酔ってないんだね

コウキ

あぁ、
近所のおっちゃんたちに
絡まれると

コウキ

たくさん飲まされるから
早めに帰ってきたんだ

アヤカ

ふと、コウキが持ち帰ってきた 缶ビールが目に入った

アヤカ

久々に一緒に飲まない?

コウキ

おっ!いいねー

アヤカ

じゃあ私、軽くつまみ
作るよ

アヤカ

お祭りの出店の味は
飽きたでしょ?

コウキ

サンキュー
アヤカの料理が恋しかったんだ

アヤカ

先に飲んで待ってて

酔いに任せてなら 聞けるはず… そのつもりで晩酌を誘った

しかし…

アヤカ

コウキできたよー

コウキ

コウキ

ガァ〜

コウキ

コウキ

zz…

アヤカ

(あ、寝ちゃったのか)

アヤカ

?!

アヤカ

(コウキのケータイ)

-ピコーン-

コウキのケータイから REINの通知音、 そしてメッセージの文字…

私は、メッセージの相手が 気になって仕方なかった

見てはいけないと思いつつも コウキのケータイに手を伸ばした

🔙 ワカのトークルーム

ワカ

一昨日と昨日は幸せでした
ありがとう❤️

アヤカ

(ワカ?)

アヤカ

(誰?この女)

REINのトークは すべて削除されているようで ワカからの新着メッセージのみが 表示できた

アヤカ

(お祭りで一緒だった?)

アヤカ

(いや、幸せとか…
ハートマークもついてるし)

アヤカ

アヤカ

(怪しい…)

コウキのケータイで 他に怪しいことはないか?と

私はBoogleでのネット検索の 履歴を確認してみた

アヤカ

(ホテル ミカヅキって…)

アヤカ

(結婚前にコウキと
行ってたラブホ…)

証拠はない… でも、状況から浮気をしていた 可能性は高いと

信じていたのに…

いつの間にか私は 涙を流していた

祭から約2週間が経過していた

コウキ

ただいまー

アヤカ

おかえり

コウキ

おっ?
今日は俺の大好物の
オムライスじゃん

コウキは、今まで以上に優しく お祭りがあった以前より 帰宅時間が早かった

アヤカ

アヤカ

コウキ、ちょっと
相談があるの

コウキ

ん?どうした?

アヤカ

お姉ちゃんが
体調崩したみたいで

コウキ

えっ?大丈夫?

アヤカ

うん、病院とか行ってきた
みたいなんだけど

アヤカ

熱が下がらなくて
家事が出来ないみたいなの

アヤカ

マサトさんは
出張みたいで…

コウキ

お義兄さん、
仕事忙しそうだもんなー

アヤカ

ユウナちゃんのことも
心配だから

アヤカ

今週末、看病しに
お姉ちゃんのとこに
泊まってきてもいいかな?

コウキ

もちろんだよ!

コウキ

アヤカは無理はするなよ

アヤカ

うん、ありがと

そう、あれは 祭りが終わった次の日

気持ちの整理がつかず、 私は泣きながら姉に電話をかけた

アヤカ

お姉ちゃん…

アヤカ

私だめかもしれない

アヤカいきなりどーしたの?

アヤカ

実は…

コウキくんがそんなことを

でも証拠はないんでしょ?

アヤカ

うん…

アヤカ

でも、怖くて聞けない

アヤカ、ツラいかも
しれないけど

このまま無かったことには
出来ないでしょ?

アヤカ

そうだけど

アヤカ

もし、コウキが
浮気してたとしたら…

アヤカ

私、別れたくないよ…

じゃあこのまま
何もしないで許すの?

アヤカ

それは無理

よし、わかった

じゃあ、私が
証拠を見つけてあげる!

アヤカ

えっ?

それなら
話し合う気になるでしょ?

私の姉は、 昔から頭の回るタイプだった

そして、行動力がある

そんな姉が、私にある作戦を 持ちかけてきた

ほとぼりが冷めるまでは
冷静を装うの

2週間くらいは空けないとね

アヤカ、覚悟決めなさい

アヤカ

アヤカ

わかった

私は、姉の体調が悪いと コウキに伝えた次の日に 姉の家に来ていた

姪っ子が私を迎えてくれた

ユウナ

アヤちゃん、
きたー

アヤカ

ユウナー

私は姪っ子のユウナを 抱っこしてあげた

アヤカ、いらっしゃい

アヤカ

お姉ちゃん

姉は体調不良ではない

そう、あれは 私が家を空ける口実だった

まぁ、とりあえず
気楽に構えてなさい

これから長丁場だからね

アヤカ

…うん

-プルルルルルル-

あ、マサトから

姉は、旦那であるマサトさんからの 電話に出た

うん、うん
そっか、りょーかい

じゃあ、もう少ししたら
アヤカ連れてそっち行くわ

うん、そしたら
交代で

はーい
じゃあまたねー

-ピッ-

アヤカ

…マサトさん
何て?

早速かかったみたいよ

姉の言葉に、 胸がグッと締め付けられる感じがした

アヤカ、大丈夫?

アヤカ

う、うん

大丈夫、 そう自分に言い聞かせるしかなかった

姉の車で 私の住む街まで向かう

アヤカ

お姉ちゃん

何?

アヤカ

アヤカ

ありがとう

お礼言うのは早すぎるから

アヤカ

…うん

アヤカ

でも1人じゃ
何も出来なかったから

あんたがツラいのなんて
見てられないからね

アヤカ

うん

私は、また涙声になりながら いろんなことを思い出していた

はーい
到着!

そこは、ホテル・ミカヅキの前だった

マサト

おーい、
チナツ、アヤカちゃん

あ、パパ!

マサトさんが 自分の車を横付けしながら こちらに歩いてきた

アヤカ

マサトさん、
ご迷惑かけてすみません

マサト

いやいや
気にしないで!

マサト

それよりアヤカちゃん
大丈夫?

アヤカ

は、はい

アヤカ

あの、コウキは…

マサト

えっとコウキくんは…

マサトさんは、 ホテルの方に目をやった

マサト

さっき、入っていったよ

アヤカ

っ…

とりあえず、
マサトはユウナ連れて
家戻ってちょーだい

マサト

おう、
なんかあれば呼べよ?

わかったわ

アヤカ

いつの間にか私の体は震えていた

アヤカ、
私がそばにいるから

アヤカ

うん…

姉の言葉がどれだけ 心強かったか…

1人ではただただ泣いていただろう

ホテルまで追いかけてくることすら 出来なかっただろう

でも、本当は 全部嘘であって欲しかった…

お母さんが
料理教室通ってさー

アヤカ

そうそう
お母さん昔
料理下手だったよね

お父さんも
惣菜ばっかで
よく怒らなかったわ

その夜は 昔話、世間話、他愛のない話を 2人で語り明かした

姉は、私のことを思って 暗い話題を避けてくれたんだと感じた

姉の優しさで なんとか長い夜を乗り越えることが 出来た

一体どれくらいの時間が 経ったのだろう

永遠とも感じられる… 長い、長い時間だった

そして、その瞬間は 突然やってきた

-バタンッ-

ホテルのドアから外に出る 男女の姿が目に入った

私は、考えるより先に 身体が動いていた

アヤカ

コウキ!!

コウキ

!!!

コウキ

コウキ

ア、アヤ…カ

コウキ

なんでここに

コウキはこれまで 一度も見たことのない表情を 浮かべていた

驚きと恐怖、 完全に顔が引き攣っていた

アヤカ

その女は?!

コウキ

いや、この子は…

 

女はかなり怯えている

コウキ

お、俺が全部悪いんだ

コウキ

彼女は責めないでくれ

アヤカ

なんで庇うの?

アヤカ

私より、その女の
心配するの?!

 

あ…

コウキ

やめろよ!

私が女を睨み、 掴みかかろうとしたのを コウキが止める

アヤカ、落ち着きなさい

落ち着いて話せる場所に
行くわ

あなた達もついてきなさい

姉の冷静な言葉に コウキも静かにうなづいた

近くに姉の職場があり、 そこを借りて話をすることになった

休日のため、 辺りは静まりかえっていた

 …

嫌な沈黙が続いた

アヤカ

あなたの名前は?

 

アヤカ

私の名前は
佐野アヤカです
コウキの妻です

 

加村ワカ…です

女はかすかに聞こえるほどの 小さな声で名乗った

アヤカ

加村さん、

アヤカ

あなたはコウキが
結婚してるのを
知っていましたか?

ワカ

ワカ

知って…

女の顔は青ざめていた

コウキ

彼女は知らない!

コウキ

俺は一切
妻の話は出さなかった

コウキ

だから知らなかったんだ

アヤカ

コウキ、
あんたには聞いてない

コウキ

俺が悪いって
言ってんだろ?!

コウキ

これ以上彼女に
聞く必要ないだろ

アヤカ

悪いと思ってる割に
開き直ってるけど

コウキ

コウキ

この際だから
言ってやるよ

コウキ

お前には、
うんざりしてたんだよ!

コウキ

祭りを手伝いもしないで

コウキ

その度、俺がどんなに
肩身狭い思いしてたと
思うんだよ!!

コウキ

そんなときに
ワカと出会ったんだ

コウキ

ワカは青年会の会長の
娘で

コウキ

若いのに祭りも
一生懸命手伝ってて…

コウキ

コウキ

俺は…

コウキ

生き甲斐である祭を
一緒に出来ないような
やつと結婚したことを

コウキ

ずっと後悔してたんだよ!

はぁ?!

アヤカ

あんたの常識が
世界の常識だと
思うなよ!?

アヤカ

この町に嫁いでから
びっくりしたわ

アヤカ

祭バカの集まりで!!

アヤカ

てか、祭のために
仕事やすんでも良いとか
普通ないからね

アヤカ

祭りを手伝うのが
嫁としての仕事だとでも?
ふざけんな!!

アヤカ

あんたの物差しで
私のこと測んないでよ

コウキ

!!

普段、大人しい私が 大声で反論する姿に

コウキはかなり驚いている 様子だった

アヤカ

私のせいで
浮気したのねって

アヤカ

シクシク泣くとでも
思った?!

アヤカ

私が怒ってないとでも
思った?!!

コウキ

ワカ

コウキ

俺は、
アヤカと別れたい

アヤカ

アヤカ

謝りもしないんだね

コウキ

ワカ

私が口出すことじゃないと
思って黙って見てる
つもりだったんだけど

ひとこと
言わせてもらうね

加村さんは
青年会の会長の娘で
地元の人だよね

コウキくんの
結婚の事実を
知らなかったとは

思えないんだけど

ワカ

ワカはしばらく黙っていた しかし、観念したかのように ゆっくりと口を開いた

ワカ

…父に聞いて
コウキさんは
結婚してると

ワカ

…知っていました

じゃあ浮気は1人では
出来ないよね

コウキくん1人が
悪いわけじゃない

加村さん、あなたも
浮気相手として
反省して欲しい

アヤカ

ワカ

すみませんでした…

ワカの謝罪の言葉は 少しだけ私の気持ちを和らげた

アヤカ

それからは
トントン拍子で
離婚が決定

アヤカ

旦那も家も
ぜーんぶ

アヤカ

あの女に
くれてやったって
言う話

美羽

アヤカしんどかったね

アヤカ

まぁ、慰謝料も
ぶんどってやったけど

アヤカ

子供もいないし、
結婚生活も長くないから
あんまりもらえなかった

美羽

取ることに
意味があるから

アヤカ

もう、お祭りとか
二度と行きたくない

美羽

懲り懲りって感じだよね〜

美羽

美羽

てかさ、
話聞いてて
気になったんだけど

美羽

その女の名前って
なんだっけ?

アヤカ

ワカ!
加村ワカだよ

美羽

アヤカ

アヤカ

どした?

美羽

私、その女の名前
聞き覚えあるんだけど

美羽

美羽

その女…

泥棒猫だわ

あなたの心を暴露します

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