美羽
彼女の名前は、アヤカ 高校時代の友人だ
3年前に、隣町に住むコウキさんの 元へ嫁いだ 彼女が小さな海辺の町に 引越してからは、 年に何回か会う程度だったが、
昔はよくつるんで、 飲み歩いたりしていた
美羽
美羽
美羽
アヤカ
アヤカ
アヤカ
美羽
アヤカ
-ガチャ-
アヤカ
コウキ
私は、旦那のコウキと二人暮し
子供はいないけど、 夫婦仲は至って良好
ただ、私には ひとつだけ悩みがあった
コウキ
コウキ
アヤカ
コウキ
コウキはカレンダーに目をやった
アヤカ
アヤカ
コウキ
コウキ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
コウキ
コウキの地元では 祭りごとに力を入れている
地域全体で祭を支援 仕事を休んででも手助けするのが 当たり前なのだ
私の中では「祭バカ」としか思えない
この風習が どうしても馴染めずにいるため この時期が憂鬱なのである
アヤカ
コウキ
コウキ
アヤカ
コウキ
コウキは祭りの話となると 不機嫌になる
アヤカ
アヤカ
それから何日間か コウキは深夜に帰ってきた
…
…
🔙 コウキのトークルーム
アヤカ
アヤカ
私のREINメッセージは 既読が付くことはなく
待ってるのも無駄と感じ 寝ることにした
-次の日-
…
…
アヤカ
コウキ
アヤカ
コウキ
コウキ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
コウキ
コウキ
アヤカ
アヤカ
コウキ
コウキ
正直なところコウキの申し出は かなり有難かった
親戚や近所から白い目で見られ 陰口を言われる
コウキも私がいない方が 気楽なのだろう
些細なことで揉めるくらいなら…
アヤカ
アヤカ
この時は、まだこの後に起こる 地獄のような出来事を知る余地もなかった
祭りは土日開催のため 前日の金曜日には地元にもどった
実家は実家で 早く孫の顔がみたいだとか… うるさく言われて
結局、実家にも私の居場所なんてないと…そう感じていた
そんなことを考えながら 祭り当日になった
アヤカ
美羽
土曜日、祭1日目 美羽を誘い、実家の近くの飲み屋で 愚痴をこぼしていた
美羽
アヤカ
美羽
アヤカ
美羽
美羽
アヤカ
アヤカ
アヤカ
美羽
美羽
アヤカ
アヤカ
アヤカ
美羽
美羽
美羽
アヤカ
アヤカ
美羽
アヤカ
アヤカ
アヤカ
…
…
…
-ガチャ-
アヤカ
子供がいる美羽は お酒は飲まず私に付き合ってくれていたので
そのまま、家まで送ってほしいと お願いした
アヤカ
時間は、23時を回っていたが コウキは祭り後に羽目を外し、 知人と飲んでいるのか
家はシーンと静まりかえっていた
アヤカ
ふと違和感を感じた
-ガチャ-
お風呂の脱衣場のドアを開ける
アヤカ
…
アヤカ
-ガチャ-
寝室を開け、ベッドやクローゼットを 確認してみる
アヤカ
アヤカ
アヤカ
-ガチャ-
キッチンに行き、 冷蔵庫を開けてみる
アヤカ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
それから寝ることが出来ず リビングでひとり コウキの帰りを待った
しかし、コウキが帰宅することは なかった
-チュンチュン-
一睡もできないまま、 日曜日の朝を迎えた
気付くと辺りは明るくなり 鳥の鳴き声が聞こえていた
アヤカ
アヤカ
-チッチッチッ-
…
アヤカ
アヤカ
-チッチッチッ-
…
アヤカ
アヤカ
ケータイに目をやるが コウキからの連絡は一切なかった
こんな時は、 私からも連絡しない
…意地を張っていたのだと思う
-チッチッチッ-
…
-チッチッチッ-
…
アヤカ
夜の20時を越える頃には 疑う気持ちでいっぱいになっていた
アヤカ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
-チッチッチッ-
…
…
…
-ガチャ-
コウキ
祭りは21時に終了を迎え、 一時間片付け作業 その後の帰宅…
アヤカ
コウキ
アヤカ
コウキはお祭りで買ったと思われる 焼きそばやお好み焼き、 缶ビールなどを腕に抱えてきた
コウキ
アヤカ
コウキ
コウキ
アヤカ
昨日、どこに泊まったの!?
アヤカ
アヤカ
コウキ
コウキ
アヤカ
ふと、コウキが持ち帰ってきた 缶ビールが目に入った
アヤカ
コウキ
アヤカ
アヤカ
コウキ
アヤカ
酔いに任せてなら 聞けるはず… そのつもりで晩酌を誘った
しかし…
…
…
アヤカ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
-ピコーン-
…
…
コウキのケータイから REINの通知音、 そしてメッセージの文字…
私は、メッセージの相手が 気になって仕方なかった
見てはいけないと思いつつも コウキのケータイに手を伸ばした
…
…
🔙 ワカのトークルーム
ワカ
アヤカ
アヤカ
REINのトークは すべて削除されているようで ワカからの新着メッセージのみが 表示できた
アヤカ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
コウキのケータイで 他に怪しいことはないか?と
私はBoogleでのネット検索の 履歴を確認してみた
アヤカ
アヤカ
証拠はない… でも、状況から浮気をしていた 可能性は高いと
信じていたのに…
いつの間にか私は 涙を流していた
祭から約2週間が経過していた
コウキ
アヤカ
コウキ
コウキは、今まで以上に優しく お祭りがあった以前より 帰宅時間が早かった
アヤカ
アヤカ
コウキ
アヤカ
コウキ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
コウキ
アヤカ
アヤカ
コウキ
コウキ
アヤカ
…
…
…
そう、あれは 祭りが終わった次の日
気持ちの整理がつかず、 私は泣きながら姉に電話をかけた
アヤカ
アヤカ
姉
アヤカ
…
…
姉
姉
アヤカ
アヤカ
姉
姉
アヤカ
アヤカ
アヤカ
姉
アヤカ
姉
姉
姉
アヤカ
姉
私の姉は、 昔から頭の回るタイプだった
そして、行動力がある
そんな姉が、私にある作戦を 持ちかけてきた
…
…
姉
姉
姉
姉
アヤカ
アヤカ
私は、姉の体調が悪いと コウキに伝えた次の日に 姉の家に来ていた
姪っ子が私を迎えてくれた
ユウナ
アヤカ
私は姪っ子のユウナを 抱っこしてあげた
姉
アヤカ
姉は体調不良ではない
そう、あれは 私が家を空ける口実だった
姉
姉
アヤカ
…
…
…
-プルルルルルル-
姉
姉は、旦那であるマサトさんからの 電話に出た
姉
姉
姉
姉
姉
姉
姉
-ピッ-
アヤカ
姉
姉の言葉に、 胸がグッと締め付けられる感じがした
姉
姉
アヤカ
大丈夫、 そう自分に言い聞かせるしかなかった
姉の車で 私の住む街まで向かう
アヤカ
姉
アヤカ
アヤカ
姉
アヤカ
アヤカ
姉
アヤカ
私は、また涙声になりながら いろんなことを思い出していた
…
…
姉
そこは、ホテル・ミカヅキの前だった
マサト
姉
マサトさんが 自分の車を横付けしながら こちらに歩いてきた
アヤカ
マサト
マサト
アヤカ
アヤカ
マサト
マサトさんは、 ホテルの方に目をやった
マサト
アヤカ
姉
姉
マサト
姉
アヤカ
いつの間にか私の体は震えていた
姉
アヤカ
姉の言葉がどれだけ 心強かったか…
1人ではただただ泣いていただろう
ホテルまで追いかけてくることすら 出来なかっただろう
でも、本当は 全部嘘であって欲しかった…
姉
アヤカ
姉
その夜は 昔話、世間話、他愛のない話を 2人で語り明かした
姉は、私のことを思って 暗い話題を避けてくれたんだと感じた
姉の優しさで なんとか長い夜を乗り越えることが 出来た
…
…
一体どれくらいの時間が 経ったのだろう
永遠とも感じられる… 長い、長い時間だった
そして、その瞬間は 突然やってきた
-バタンッ-
ホテルのドアから外に出る 男女の姿が目に入った
私は、考えるより先に 身体が動いていた
アヤカ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキはこれまで 一度も見たことのない表情を 浮かべていた
驚きと恐怖、 完全に顔が引き攣っていた
アヤカ
コウキ
女はかなり怯えている
コウキ
コウキ
アヤカ
アヤカ
コウキ
私が女を睨み、 掴みかかろうとしたのを コウキが止める
姉
姉
姉
姉の冷静な言葉に コウキも静かにうなづいた
近くに姉の職場があり、 そこを借りて話をすることになった
休日のため、 辺りは静まりかえっていた
…
…
嫌な沈黙が続いた
アヤカ
アヤカ
女はかすかに聞こえるほどの 小さな声で名乗った
アヤカ
アヤカ
ワカ
ワカ
女の顔は青ざめていた
コウキ
コウキ
コウキ
アヤカ
コウキ
コウキ
アヤカ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキ
コウキ
…
…
…
はぁ?!
アヤカ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
アヤカ
コウキ
普段、大人しい私が 大声で反論する姿に
コウキはかなり驚いている 様子だった
アヤカ
アヤカ
アヤカ
コウキ
ワカ
コウキ
アヤカ
アヤカ
コウキ
ワカ
姉
姉
姉
姉
姉
姉
姉
ワカ
ワカはしばらく黙っていた しかし、観念したかのように ゆっくりと口を開いた
ワカ
ワカ
姉
姉
姉
姉
アヤカ
ワカ
ワカの謝罪の言葉は 少しだけ私の気持ちを和らげた
…
…
…
アヤカ
アヤカ
アヤカ
美羽
アヤカ
アヤカ
美羽
アヤカ
美羽
美羽
美羽
美羽
アヤカ
美羽
アヤカ
アヤカ
美羽
美羽
美羽
泥棒猫だわ