警備員
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ここは、十数年前廃墟となった屋敷で
ほぼすべての壁紙が剥がれかけている、 絵に描いたようなオンボロ屋敷だが
何よりの特徴は
等身大の人形が、所狭しと屋敷の部屋中に並んでいることだ
警備員
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ちまたでは「人形屋敷」と呼ばれている
昔ここに住んでたジイさんが 趣味で人形を作ってたんだが
ある日突然、そのジイさんは行方不明になってしまったのだ
しかし、ジイさんは行方をくらます前 「私の人形たちはすべて、この屋敷に残しておいてくれ」と手紙を残し
今でも一体も欠けることなく、屋敷にずらりと並んでいる
警備員
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その気味の悪さから、数年前
「この屋敷は、夜中になると人形が歩き出す」という 根も葉もないウワサが広まり
それ以来、心霊スポット好きの若者の聖地となってしまった訳だ
警備員
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警備員
警備員
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警備員
警備員
警備員
警備員
警備員
一人で愚痴をこぼしていると
俺はいつの間にか、立派な大広間に出ていた
天井がガラスになっていて、外には大きな満月が浮かんでいる
警備員
警備員
俺は、ふと夜空を仰ぎ
視線を少し横にスライドさせた
そして
警備員
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ふいに、大広間の奥へ続く部屋を凝視した
そこはジイさんの書斎だった場所で
行かなくてもいいと言われているから、 今まで入ったことがなかったが
今日は何故か、あの部屋に異様に興味をそそられる
警備員
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警備員
警備員
警備員
警備員
警備員
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俺が部屋のドアノブに手をかけた
その時
女性
警備員
俺の後ろから、にわかに声が聞こえていた
警備員
警備員
男性
男性
男性
女性
女性
男性
男性
警備員
警備員
警備員
俺はカップルに制裁を加えるため、一度部屋のドアから手を離した
警備員
警備員
警備員
女性
女性
女性
女性
警備員
警備員
俺は、右手を少し挙げたまま硬直した
警備員
警備員
警備員
警備員
男性
男性
女性
警備員
警備員
カップルが話している隅で
だんだんと、俺の身体が動かなくなっていく
警備員
警備員
警備員
ガラガラガラ!!
警備員
女性
男性
男性
女性
警備員
警備員
俺の記憶が
ひび割れて、崩れていく
警備員
警備員
警備員
警備員
警備員
警備員
倒れ伏す俺の前に映る広間の窓には
左腕の関節は、逆の方向に曲がり
右足は股関節から外れ
体中がひび割れ、光がなくなった瞳の人形が
こちらをじっと見ていた
コメント
9件
初めてのコメント失礼いたします。 木野さんのビブリオテラー から来ました。どんでん返しで面白かったです!
魑魅さん、ミリーさんのビブリオテラーで魑魅さんと作品(当作品と片目ガエル)を紹介させていただこうと考えているのですがよろしいでしょうか? お返事待ってます!
使命を全うしようとしていた警備人形… この結末は予想できませんでした!