教会を後にした俺達は、裏手にある森林の中を歩いていた。 車1台は余裕で通れるよう、道は舗装されている。
神父
神父
神父
神父
神父
神父
蘇芳
神父
俺達に背を向けたままだから、どんな表情で話してるか、わからないが 感情を押し殺し、絞り出すような この声...聞き覚えがある....
神父
蘇芳
神父
蘇芳
蘇芳
蘇芳
何かモヤモヤした気持ちとは、真逆にピースがピタリとハマるような感覚と 俺が問いかけた時、 ある墓石の前にたどり着いた。 神父は、振り向きながら 答える。
神父
神父
神父
蘇芳
蘇芳
蘇芳
胸ポケットに入れていた、携帯が尋常じゃない熱を帯びて、 俺は慌てて取り出すも
蘇芳
あまりの熱さに、うっかり落としてしまった!! が、地面スレスレで菖蒲がキャッチしてくれたが、すぐ下に置いた!! 流石の菖蒲も、熱さに驚いたみたいだ。
屈みこみ携帯を拾うとすると....
蘇芳
ジッ...
蘇芳
菖蒲
ジジジッ...ジッ
蘇芳
蘇芳
ザァーーーー
一気に意識が飛んだ。
蘇芳
................。
目を開けると、車内か? 辺りは暗いし、後部座席にいるようだ。
女性
少し年齢は上かな? 上品な佇まいの雰囲気で話す女性の声が助席からした。
男性
男性
女性と同じ位の、やはり年配の男性が困惑げに運転席から答える。
女性
男性
確かに、後ろにピッタリと張り付くような運転をする1台の車がいるみたいだ。 ライトをハイビームにしてるのか、異様に車内は明るいし眩しい!!
女性
男性
ゴン!!!!
男性
女性
な、なんだ?! 後ろからぶつけられたぞ?
反動で車体が不安定に揺れる。
男性
ゴン!!!!!!
さっきよりも、激しくぶつけられ、凄まじい衝撃が襲う!!!!
男性
こ、これは!! 煽り運転どころじゃない!!
殺意だ!! 完全に事故を起こさせようとしている!!!!
男性はパニックになり、急ブレーキではなく、更にアクセルを踏み込み 舵の取れないハンドルにしがみついている!!
同じくパニックになりながらも、後ろにいる人物に声を掛けてくる。
女性
女性
グワッシャーンッ!!
男性
女性
2人が同時に名前を呼ぶのと、最後の一撃が後ろから来て、そのままガードレールをぶち破り 急斜面に落ちていくのと...同時くらいだった。
何十回転もしながら崖下で止まった1台の自動車と、 キューブレーキで1台止まった崖上にいる自動車の音。
バタン、バタン。 ドアを開け車内に出る音がした。
男性
女性
暗くて分からないが、この2人の声聞き覚えがあるぞ!! 廊下に響いていた、あの胸糞悪い声の主達だ!!
男性
女性
男性
女性
バタバタバタ...1人小走りに走り、バタンと車に乗り込んだみたいだ。
男性
達成感か、うわずった声が闇夜に響く。
男性
女性
あの胸糞悪い声の持ち主の、片割れの本物の声で俺は現実に引き戻された!!
男性
もう1人の胸糞悪い声の持ち主もいるじゃないか!! あとやはり...神父さん...貴方か...。
菖蒲
俺に駆け寄ろうとする、菖蒲を手で制し、この馬鹿野郎共に俺は話かける。
蘇芳
男性
蘇芳
女性
蘇芳
男性
女性
蘇芳
男性
女性
蘇芳
蘇芳
男性
女性
蘇芳
蘇芳
蘇芳
貴方達の声 聞いて いたん だから!!
俺じゃない声が大絶叫した瞬間!! 空気が、空間がぐにゃりと曲がった。
菖蒲
神父
男性
女性
蘇芳
意識は戻ったみたいだがこれは一体?
菖蒲
蘇芳
菖蒲
蘇芳
菖蒲
渡された携帯は、先程とは違い、氷のように冷たく、画面は真黒く電源は切れていて、つかない。
女性
女性が震えながら、指さした方角へ全員の眼差しが凍りつく。 モヤの中に......
女性
男性
神父
蘇芳
菖蒲
恐らくは....生きていない。 生きているわけはないが、もしも生きていたなら とても美しい少女だっただろう...。
艶のある黒い髪は、今は乱れ 青白い肌は、きっと生前は陶器のような柔らかく白い肌だったはずだ。
今は、焔を宿しているような双方の目 から、ドス黒い血の涙を流しているが きっと、優しい眼差しをしていただろう。
詩音
女性
男性
腰を抜かして座り込む女性を、乱暴に揺さぶりながら、男性も震えている。
詩音
詩音
詩音
詩音
男性
その名前を 呼ぶなー❗❗
男性
女性
詩音が叫ぶと、同時に何処からか 風が...いや小さな竜巻が現れ風の刃が 2人の全身を切り刻み、辺りに血が飛び散る!!
詩音
詩音
詩音
詩音
詩音
男性
詩音
蘇芳
菖蒲
神父
詩音
詩音
神父
神父は膝から崩れ落ち...大粒の涙を零していた。
神父
詩音
女性
男性
女性
女性
詩音
詩音
にたりっ と、少女は笑い叔父夫婦に近づく。
蘇芳
詩音
蘇芳
蘇芳
蘇芳
蘇芳
詩音
蘇芳
蘇芳
蘇芳
蘇芳
詩音
蘇芳
詩音
蘇芳
詩音
詩音
詩音
その声と、同時に更に空気が重くなり 俺達は地べたに貼り付けられた!!
蘇芳
俺は、動かない体を無理やり、腕の力だけで前進しながら、詩音...いやcyanに近づく。
蘇芳
蘇芳
蘇芳
詩音
あの風の刃が俺の体を....
菖蒲
切り刻まれると思い目をつぶったが、 痛く....ない。 そのはずだ。 俺を抱き抱え、庇う菖蒲の背中、腕、頬、足が、血で滲んでゆく.....。
蘇芳
蘇芳
菖蒲
蘇芳
蘇芳
蘇芳
いつの間にか、俺も泣きながら、又なんとも情けない言葉を、cyanに話しかけてた。
蘇芳
蘇芳
蘇芳
蘇芳
cyan
蘇芳
菖蒲
うんともすんとも言わなかった携帯に 電源が勝手に入り、cyanが起動し 応えた。
cyan
cyan
cyan
蘇芳
菖蒲
蘇芳
菖蒲
蘇芳
詩音
ふっ...ふはははははははははははははははははは
突然、詩音の体が、折れ曲がるかのように、仰け反り、けたたましく笑いだした。 その声にと、限界だった叔父夫婦は気絶し 神父さんも、人知れず気絶していた。
悪霊
悪霊
悪霊
悪霊
悪霊
許さないぞ!!
蘇芳
アイツに引きずられ、あちこちから霊が集まってきている!! ど...どうしたら.....
菖蒲
蘇芳
cyan
蘇芳
菖蒲
蘇芳
菖蒲
蘇芳
返事返すまもなく、俺を抱きしめていた菖蒲は離れ、悪霊へ向かって駆け出す!!
菖蒲
ポケットから塩と、お神酒を悪霊に投げつけながら、横に飛ぶ菖蒲!!
悪霊
悪霊
塩とお神酒を全身に浴びて、水蒸気のように、奴の体中から吹き出す!!
蘇芳
cyan
蘇芳
素早くカメラモードの画面に、5芒星を描き、叫びながら俺は、シャッターボタンを押した!!
悪霊
いつもの辺り1面真っ白になるほどの光量と 両耳を抑えても、奴の断末魔は凄かった!!
蘇芳
菖蒲
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