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コメント
1件
クララの震えがケイシーの言葉で溶けていくシーン、本当に美しかったです。「外の世界の人間は臆病者」って言葉、刺さりました。自分を傷つける言葉を真に受けてしまうクララに、優しく温かい手を差し伸べるケイシー…。この一座の暗闇の中で見つけた本当の家族の温かさに、私も一緒に泣きそうになりました。スノーホワイトって呼び方、すごく似合ってる。次の街での歌声、聴いてみたいです🌙🤍
1932年の冬
うらぶれた貨物駅の引き込み線に、 outer railの列車は停まっていた
その夜の興行中、 客席の最前列にいた酔っ払いの男たちが、 ステージのクララに向けて心ない言葉を浴びせた
観客
観客
観客
動かない「彫像芸」の最中、 クララはピクリとも動かなかった
だが、 客席からは見えないドレスの裏側で、 小さな指先が血がにじむほど強く震えていた
クララ
かつて、 村で見てきた「地獄」の記憶が、 濁流のように頭の中を支配していく
興行が終わり、 テントの明かりが落とされると同時、 クララは楽屋車両の最も暗い隅っこへと逃げ込み、 自分の膝に顔をうずめてガタガタと震え出した
クララ
息も絶え絶えに泣くクララの耳に、 静かで規則正しい足音が近づいてくる
暗闇のなか、 すっと現れたのは、 まとめ役のケイシーだった
ケイシーは何も言わず、 クララの前にゆっくりとしゃがみ込んだ
その手には、 湯気を立てる特製のカモミールティーが握られている
ケイシー
ケイシーの声は、 いつもの一人二役の劇で見せるどんな役のセリフよりも、 穏やかで、深く、温かかった
クララは涙で濡れたルビー色の瞳を恐る恐る上げ、 ケイシーの端正な、男でも女でもない中性的な顔を見つめた
クララ
その言葉を聞いた瞬間、 ケイシーの脳裏に、 大人達に向かって必死に手を伸ばした、 幼い自分が過った
あの時の、 世界中に味方が誰もいないような絶望
ケイシーは静かに首を振ると、 自分の綺麗な指先で、 クララの白金の髪を優しく撫でた
ケイシー
クララ
ケイシーはクララの手をそっと取り、 自分の胸元に当てさせた
そこには、 左右非対称の美しい舞台衣装の、 確かな鼓動がある
ケイシー
ケイシー
ケイシー
ケイシーはふっと優しく微笑み、 クララの目を見つめた
ケイシー
ケイシー
ケイシー
ケイシーが淹れてくれたハーブティーの温かさと、 その穏やかな言葉が、 クララの心にこびりついていた「村の石の冷たさ」をゆっくりと溶かしていく
クララ
ケイシー
ケイシー
クララ
クララは小さく頷き、 ケイシーの胸にそっと頭を預けた
外の世界がどれだけ冷酷で、 過去の傷がどれだけ深くても、 この「outer rail」の暗闇の中には、 自分を名前で呼び、 抱きしめてくれる本当の家族がいる
クララの震えは、 いつの間にか完全に止まっていた