紅音
また痩せてる・・・

私、木村紅音
今、天使病っていう
とても珍しい病気にかかっているの
これがその写真
紅音


お母さん
体重どうだった?

紅音
また痩せてる

お父さん
少しは食べたらどうだ?

紅音
いらない
食欲無い

お母さん
でも、少しは食べた方がいいわよ

紅音
分かった

紅音
ごちそうさま

お母さん
あら、まだ残ってるじゃない。もう少し食べたら?

紅音
いらない

お母さん
そう・・・

紅音
もう寝るね

お母さん
本当に大丈夫かしら?

お父さん
ま、もう少し様子を見よう

紅音
はあ・・・

紅音
(いつからこんな病気にかかったんだろう・・・)

紅音
(早く治して学校に行かなくちゃ・・・)

お母さん
あら、誰かしら?

お母さん
あら、奏音ちゃんに瑠衣君に竜君じゃない。どうしたの?

奏音
紅音に会いに来たんですけど・・・

お母さん
・・・

瑠衣
どうしました?

お母さん
今ね、誰にも会える状態じゃないのよ

竜
えっ?

奏音
で、でもどうしても会いたいんです。学校のみんなも心配してるし・・・

瑠衣
なのでお願いします!
会わせてください!

お母さん
どうしてもって言うんだったらいいけど
その前に、紅音の姿を見ても決してからかわないでね。

竜
どういうことですか?

お母さん
それは会えばわかるわ

お母さん
紅音入るわよ

紅音
うん・・・

瑠衣
お邪魔します

竜
お邪魔します

奏音
お邪魔します

紅音
みんなどうして・・・

お母さん
心配で来たのよ

奏音
大丈夫?

瑠衣
天使病・・・

竜
何それ?

瑠衣
天使病っていうのは、進行していくごとに、痩せっていって翼が大きくなることだ

奏音
治る方法は?

瑠衣
そこまで分からない

奏音
紅音大丈夫?

紅音
うん・・・

奏音
これ皆からの手紙だよ♪

紅音
ありがとう・・・

奏音
それじゃ、じゃあね

紅音
どんなこと書いてあるんだろう・・・?

紅音
まず奏音

紅音
「早く学校に来てね。」

紅音
次、竜

紅音
「風邪か?
早く治して学校へ来いよ」

紅音
次、瑠衣

紅音
「風邪か?
お大事にな」

紅音
ありがとうって、ん?
その後なんか書いてある

紅音
「俺は紅音が好きだ」

紅音
嘘でしょ?

紅音
(瑠衣はただの友達だと思っていたのに、こんなこと思っててくれたんだ)

紅音
でもごめん
私こんなんだから無理だよ

紅音
(あれ、なんかクラクラする。今日は早く寝よ)

紅音
(なんかしんどいな体がだるいし)

お母さん
入るわよ

お母さん
どうしたの?顔色悪いわよ

紅音
なんかしんどい

それを言った瞬間お母さんは急いで体温計や冷えピタ持ってきた
紅音
どうしたの?お母さん

お母さん
・・・

紅音
ねぇ答えてよ

お母さん
・・・

紅音
ねぇって!

お母さん
どうしても知りたい?

紅音
うん。

お母さん
あなた死にかけているのよ

紅音
えっ?

お母さん
何も食べないでいるから

紅音
そんな・・・

お母さん
でもなんか食べたいれば少しは良くなると思うわ。

紅音
・・・

お母さん
お母さんおかゆ作ってくるから待っててね

紅音
うん。

お母さんが部屋を出た間
紅音は静かに息を引き取った