自室
家に帰り、そのまま自室へ向かった
殺風景な部屋の中、 真ん中に置いてあるローテーブルに
部屋に似つかわしくない 金色の指輪が置いてあった。
主
わたしはいつものように、 その指輪を手に取る
主
わたしはゆっくりと、その指輪をはめた
目を開くと、 そこはデビルズパレスの自室だった
主
やっと、深く、呼吸が できるような気がする
ここは唯一の私が安心できる場所だ。
主
主
ソファーに座りながらそんな取り留めのないことを考えていると
コンコンコン
部屋の扉をノックする音が響いた
主
主
すると、次の瞬間勢いよく扉が開かれた。
ラムリ
主
ラムリは万遍の笑みで こちらに走ってきた
ラムリ
主
わたしは座ったまま両手を広げた
主
ラムリ
ラムリは子どものようにわたしに抱きついた
わたしはくせっ毛の彼の頭を 優しくなでる。
ふわふわで少しはねた毛先も愛おしい
ラムリ
無邪気に笑った彼の口元から少し尖った歯が覗いた
主
ラムリ
ラムリ
ラムリ
ラムリは出会った当初から、 人懐っこいイメージで
私もすぐにうちとけることができた
前からこんなにスキンシップが 多かったわけではないけれど
今は信頼してくれてるってことなんだろうと思う
主
主
主
それでも私は彼の髪を耳にかけてあげて
あらわになった赤いそれを眺めるのも 楽しかった
主
ラムリ
ラムリ
主
主
さらに赤くなった彼の耳を見ると 自然と頬が綻んだ
ラムリ
ラムリ
ラムリが困ったように、でもとびきり嬉しそうに笑った
主
悪魔執事になるには、 絶望を経験しなくてはならない
それも人生を終わらせたくなるほどの 深い深い絶望を
主
主
ラムリ
ラムリ
その言葉はいつもの弾むような 口調ではなくて
美味しいものを頬張るように
宝物を包むように
にじみ出た大切な思いを 噛み締めるように
そんな、口調だった
主
主
手を止めた私をラムリが見上げた
ラムリ
主
主
主
ラムリ
主
主
主
主
ラムリ
主
主
ただ、淡々と
浮かぶ言葉を声にした。
前から無造作に積み上げてきたものが
ガタガタと崩れ落ちていくのが分かる
主
主
主
主
ラムリ
ラムリ
ラムリはギュッと
強く抱き締めてきた
力強さと温かさが私を包む
ラムリ
ラムリ
ラムリ
ラムリ
ラムリ
ラムリ
ラムリはまっすぐに私を見つめながら一生懸命に言葉を紡ぐ
ラムリ
ラムリ
主
ラムリ
ラムリ
ラムリ
ラムリ
子どものように声を上げて泣くラムリを
今度は私が抱きしめた
主
主
私の分まで泣いてくれているようにラムリはそのあとも嗚咽を漏らした
私はその間ずっとラムリを抱きしめながら、精一杯の優しさを込めて頭を撫でた
主
主
主
私はもう一度、彼のふわふわのくせっ毛を耳にかけた
ラムリ
主
主
ラムリ
鼻の頭を赤くしたラムリが 柔らかく笑った
主
主
ラムリ
主
主
ラムリ
ラムリ
主
主
モジモジと恥ずかしそうにうつむく彼を私はもう一度抱きしめた
主
主
主
ラムリ
ラムリ
主
主
主
ラムリ
ぱっちりと開かれたまん丸の瞳も、
そのあとに照れて顔を伏せるところも
隠せてない赤い耳も
ラムリ
嬉しそうに弾む声も
ラムリ
ラムリ
その無邪気な笑顔も
主
全部全部
主
結局、私の醜さを浮きだたせる
だから
主
今日で最後にしよう
主
主
ラムリ
ラムリ
ふわふわの髪が元気に揺れて
少し尖った歯を見せて
彼は幸せそうに私に笑いかけた
主
主
主
主
コメント
1件
5、6、7、8話がありません(இωஇ`。)