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これは、
5つの魂が
消えるまでの物語だ。
その日は綺麗な、
綺麗な
青色をした月夜だった。
満月の夜に、1つの命が誕生した。
小さなツノが生えた、小さな青鬼が。
月の色と同じような、 青色の髪をしている男の子。
両親はその子供に、
「らっだぁ」と名付けた。
そうして、 その男の子は成長していった。
青鬼として生まれたため、 成長が早かった。
魂を授かって10年。
らっだぁは自分ではない者の声が 聞こえていた。
唐突にノイズが掛かったかと思うと、
何者かが言葉を零す。
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「………ぁ…………、…。」
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ノイズのせいでよく聞こえない。
誰かの声が聞こえることは確かなんだ。
誰かが自分に、何かを。
伝えようとしている。
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青鬼と言えど、まだ10歳。
世間も世界も…何も知らない。
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自分は平凡だと思う。
生活も普通、種族も普通。
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頭にノイズが走る。
誕生日を迎える度、ノイズの中の声は はっきり聞こえるようになっていく。
「……ん…、…世界……」
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この声は家族の誰にも聞こえない。
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俺は15になった。
俺みたいな人外は寿命が長い。
青鬼でも最低3000年は生きる。
そのため暇な時間も多くなる。
だから図書室によく来ている。
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適当な本を開き目を通してみる。
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人間、ってなんだろう。
あまり聞いたことはない。
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人間同士の戦争…か。
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目を動かし、紙をめくる。
静かな室内に紙の音が響く。
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なんでそこで人外が生まれたんだろう。
疑問を抱えつつ次の文を読む。
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本を閉じ上を見あげる。
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本で…読んだことがある。
人間が中心の世間は、とても平和で… 幸せだったらしい。
人外の世間とは比べ物にならない。
今は…治安が悪すぎる。
このまま人外の世間が続けば…いずれ…
壊れる。
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ノイズが聞こえだす。
いつもよりも大きいノイズが。
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「1000年前のような、 人間の溢れる世界にしなさい」
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ノイズが消え、声が完全に聞こえた。
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俺も、その世界を望んでる。
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さっき読んでいた本を開く。
指で文字をなぞりながら読み進める。
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人外が生まれるきっかけとなった 神殿を壊せば
人間が復活するのではないだろうか。
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個人的にも人間に興味ある。
さっき聞こえた声も…
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きっとさっきのは、
神の…お告げ。
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「人間の溢れる世界」とやらを。
図書館の近くにある教会に寄ってみた。
大きなステンドガラスが 自分を見下ろしている。
所々に両手を合わせる奴が見える。
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微かに煙草の香りがする。
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らっだぁの目に黒い1枚の羽が写る。
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ばどとは小さい頃からの友達。
教会で生まれて教会で育った 堕天使だ。
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初めて名前を聞いた。
本には何も書いていなかったのに。
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大量の死人を送るために 作られた神殿だ。
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ばどは背中から生えた黒い翼を縮め 方向を変えた。
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友達の事を悪く言っている。
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2人は堕天使の部屋へと足を運んだ。
コメント
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新作だ〜!! めっちゃ面白そう!続きまってます!