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嘘つき名付け師は、名前のない魔物を家族にする

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売れない商品に言葉を与えて売ってきた営業マン・一翔は、ある夜、黒い穴に呑まれて異世界の宿場町「名無瀬」へ落ちる。宿屋「朝凪亭」で蒼依に取り押さえられた直後、輪郭の定まらない名無しの魔物へ、とっさに「ソラ」と名を与えたことで、一翔は“相手が本当に欲しがる役目”を見抜いて名を定着させる力を持つと分かる。やんちゃなソラ、荷場を守る番丸、帰る枝を得た梢と関わるうち、一翔は嘘で切り抜けるだけの男から、名を失いかけた存在の居場所を守る男へ変わっていく。だが町では、二十年前の大火の混乱に乗じて、代官・久瀬が土地、店、人の名前を台帳から消し、名無しを資源として利用していた。朝凪亭まで差し押さえの対象にされた時、一翔は蒼依、万恵、耀登と手を組み、町に残る呼び名と暮らしの記憶をつなぎ直して、名前を喰う怪物「帳喰い」に立ち向かう。これは、嘘から始まった名付けが、帰る場所を失った者たちへ灯を返していく、笑えて温かい異世界ファンタジー。
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