テラーノベル
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2,017
翌日
目が覚めると朝ごはんのいい匂いがした
隣にはたっくんがいて
拓郎
優しく頭を撫でてくれる
もう怖い夢を見ることもなくなっていて
嬉しくてたっくんにしがみつくと
拓郎
たっくんは恥ずかしそうに笑った
郁美
いっちゃんの声がして
でもまだ一人で行けなくて
たっくんに抱っこされてキッチンへ
食卓にはトーストとベーコンエッグと
暖かいコーンスープが並べられていて
郁美
いっちゃんが塗ってくれたバターの香りが
辺り一面に広がっていく
私のために用意された子供用の椅子
私のために用意された子供用の食器
ファミリーレストランに出てくるような
お子さまランチのコアラのお皿
お皿の端っこには手作りのプリン
郁美
幸せなひととき
こんな朝を迎えたのは初めてで
時間がかかっても注意されないし
足りなくてしょんぼりすることもない
美味しい美味しいいっちゃんの朝御飯を
心ゆくまで堪能して
郁美
拓郎
たっくんは慌ただしく着替え始めた
拓郎
郁美
いっちゃんは軽く食器を片付けると
大急ぎでたっくんの元へ
バタバタと準備をする二人
残された私は
徐々に不安な気持ちが増していき
美結
郁美
拓郎
涙が止まらなくなってしまった
美結
美結
慌てて戻ってきてくれたいっちゃんにしがみついて
私はなかなか離れることができなかった
郁美
郁美
拓郎
たっくんは泣いている私の頭を撫でながら
拓郎
拓郎
拓郎
そそくさと部屋を出ていった
郁美
郁美
ほんの少し離れただけだった
でもそのほんの少しの時間でさえ
一人になると不安で泣いてしまう
今にして思えば
いっちゃんにはかなり迷惑をかけたと思うけれど
当時の私はそんなことを考える余裕もなく
亮二
美結
美結
亮二
美結
美結
亮二
美結
まだ幼かったあの頃の私には
今の自分なんて想像もつかなくて
こんなにも幸せな日々を過ごすことになるなんて
思いもしていなかった
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