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コメント
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読み終わりました……。タイトルも相まって、すごく重くて美しい幕切れでしたね。 志乃の「可哀想じゃないと愛されない」という叫びには胸が締め付けられました。嘘で塗り固めた自己肯定が崩れ落ちる瞬間の描写が、痛いくらい生々しかったです。陽一の「善意的な狂気」も怖いけど、一貫していて逆に清々しくすらある。ラストの露子さんの声と「かごめかごめ」の反復——この構造がゾッとすると同時に、物語としての完成度をぐっと上げているなと感じました。お疲れさまです、桜城さん。
再び慎一の頬に向かって、 メスが突き立てられようとしたその時、
神田志乃
志乃が慎一と陽一の間に割り込み、 メスが彼女の頬を容赦なく切り裂いた
神田志乃
志乃は思わず頬を抑えて、涙を流す いつもの嘘泣きではなく、本当の涙だ
桑原陽一
神田志乃
桑原陽一
桑原陽一
神田志乃
思い切り図星を突かれ、 彼の両肩を掴みながら揺らし、 精一杯反論する志乃
しかし、その振る舞いですら嘘 慎一には「可哀想な自分を演じるために、わざと自分が損をする方向を選んだ」、 そんな志乃の本心が嫌でも見えていた
可哀想な自分が好きだと言うと、 それはただの目立ちたがり屋になってしまう
だからこそ、 本心を否定することによって、 「本物の可哀想な少女」としての解像度を上げていたのだ
桑原陽一
神田志乃
桑原陽一
桑原陽一
陽一は慎一から体を退くと、 今度はターゲットを志乃に変える
ポケットからペンチを取り出し、 志乃の口を大きく開けさせる
神田志乃
桑原陽一
神田志乃
桑原陽一
耳を塞ぎたくなるほど、狂気的な会話 慎一は二人を止めることなく、 冷ややかな目で見つめるだけだった
都築慎一
都築慎一
都築慎一
陽一の暴論が理解できないのは相変わらずだったが、 一番恐ろしいのは、 志乃の舌を抜こうとしているのも、 「善意」から来ている行動であることだ
陽一は志乃が「可哀想な自分が好き」であることを知っている だからこそ、より彼女が可哀想になるために、 彼なりに手伝おうとしていた
志乃の拒絶だって、 本当に嫌なのか、単なる演技なのかは定かではない
しかし、次の瞬間、
神田志乃
さっきまで怯えていた志乃が豹変し、 遂に本性を剥き出しにした
都築慎一
慎一は志乃に向かって、冷徹に答えを求める しかし、慎一は答えを知っていた
神田志乃
神田志乃
神田志乃
坑道の中で叫び続けると、 段々と志乃の声が震えてくる
彼女は悲痛の涙を流していた 本心を暴かれた虚しさで、志乃の胸は満ちていた
神田志乃
神田志乃
志乃は狂ったように泣き叫び、 その場で崩れ落ちる
近くにあった小石を足で蹴り、 狂ったように髪をむしる
その様子はまるで、 哀しき狂人のようだった
桑原陽一
そんな志乃の様子を見ても、 陽一は動じなかった
むしろ、 嘘で偽っていた志乃が、 本性を表してくれたことに喜びを感じていた
神田志乃
志乃は泣き叫びながら、走って坑道の外へ出る
女子特有の高くて大きな声 志乃の声はすでに外にあったが、 何を話しているかはここまではっきり聞こえてきた
街の人たちはさぞかし驚いているだろう
ちょっと周りを見渡せば、 狂ったように泣き叫ぶ少女がいるのだから
大人達の声が、 ここまで聞こえてくる
「あたしを愛してよッ…!!誰か、誰かァァァッ!!!!!!」
「うるさいぞ!!何を叫んでいるんだ!!」
「外で大声で叫ぶとか、異常者だろ!取り押さえろ!!」
「やめてよぉぉ!!!何するの!!離してぇぇぇぇ!!!!」
「嫌ァァァァァァ!!!!!!!!!」
都築慎一
桑原陽一
都築慎一
志乃の叫び声が遠くなったその時、 坑道が再び崩れ落ち、 大きな岩が慎一達の元へやってくる
都築慎一
慎一と陽一は迷うことなく走り、 坑道から外へ出た
かつて、 5人が一緒に集まって、 一緒に遊んだ場所
今はもう、 慎一と陽一の二人しかいない
後ろを振り返れば、 坑道は完全に崩落していた
桑原陽一
都築慎一
桑原陽一
都築慎一
桑原陽一
陽一は慎一の顎を、細い指で軽く持ち上げた 悪ふざけだと見抜く慎一は、 変に動じることもなかった
都築慎一
桑原陽一
さっきまでの真剣な目つきは、 一瞬で無邪気な笑みに変わる
陽一は視線を近くを飛ぶ蝶々にやる
桑原陽一
都築慎一
桑原陽一
陽一はそれだけを言い残すと、 綺麗な蝶々を追いかけて、 山の奥へ消えて行った
その日以来、 陽一は家に帰って来ていないんだとか
あの日から数日が経った 生存者は慎一だけ 陽一の生死は不明
夕焼けを見ると、 慎一は毎日のように「あの日々」を思い出す
夕凪村からは、 今日も子供達の賑やかな笑い声が聞こえてくる
都築慎一
背後には子供はいないはず それなのに、「かごめかごめ」の唄が聞こえてくる
都築慎一
慎一はすぐに後ろを振り向くが、 そこには誰もいない
しかし、 背後からいないはずの露子の声が聞こえる
「後ろの正面だあれ」
都築慎一
露子の名前を呼ぼうとした瞬間、 慎一は頭の芯がズキズキするような感覚を覚える
立っていられなくなり、 視界が真っ黒に染まっていく___
一ノ瀬露子
夕焼けの村で、 露子の静かな声だけが響いた
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