福原まどか
まどかはリュウを 抱き抱えている
山都大輝
山都大輝
山都夏輝
リュウに近づこうとする大輝に 夏輝が声を荒げる
山都大輝
山都夏輝
山都夏輝
山都大輝
山都夏輝
山都大輝
山都大輝
まどか先生に
伝えてあげてくれ
山都夏輝
夏輝はうなずくと リュウに近づいて行く
山都夏輝
リュウ
山都夏輝
山都夏輝
山都夏輝
分かるんだよ
リュウ
山都夏輝
山都夏輝
山都夏輝
まどか先生に伝えるよ
リュウ
リュウ
リュウ
リュウは不安そうな表情で 夏輝に語りかける
山都夏輝
山都夏輝
山都夏輝
分かるんだよ?
リュウ
リュウは人間が自分の言葉を 理解できると言う現状を 信じる事ができずにいる
クロ
クロ
理解てぎるんだ
リュウ
リュウ
リュウ
リュウ
ハル
変って言われてんなぁ
リュウ
ちょっと乱暴そうね
ルプ
ございまするよ
リュウ
リュウ
変な言葉遣いね
ルプ
辛辣でございまするよ
山都夏輝
リュウ
夏輝の家族?
山都夏輝
山都夏輝
大切な家族だよ♫
猫と会話している夏輝を 遠目から見守る大輝とまどか
福原まどか
福原まどか
会話してるんですか?
山都大輝
福原まどか
福原まどか
見てるんじゃないかって
思ってます・・・
山都大輝
山都夏輝
山都大輝
まどか先生とは
山都大輝
出会ったのか
聞いてみろ!
山都夏輝
福原まどか
山都大輝
山都大輝
出会ったのかって
話しましたか?
福原まどか
福原まどか
ありません
山都大輝
夏輝が知っていたら
山都大輝
話を聞いたって事に
なりませんか?
福原まどか
福原まどか
リュウの出会いを
知ってる筈ないですし
山都大輝
福原まどか
しばらくリュウと 会話をしていた夏輝が ふたりのもとへやってくる
山都夏輝
福原まどか
山都夏輝
山都夏輝
ベンチで・・・
リュウと出会ったの?
福原まどか
まどかは口を手で押さえて 涙を流す
山都大輝
福原まどか
福原まどか
福原まどか
福原まどか
ベンチの下で
福原まどか
出会いました
2年前
福原まどか
福原まどか
野良猫
福原まどか
野良猫
野良猫
福原まどか
まどかは猫の鳴き声を頼りに 公園の敷地内へ足を踏み入れる
福原まどか
野良猫
そこにはベンチの下で 寒さのあまりに 凍えている野良猫の姿があった
福原まどか
凍え死んじゃうわよ
まどかはマフラーをとると 野良猫をそのマフラーで包み込む
野良猫
野良猫は不安な眼差しを まどかに向けた
福原まどか
野良猫
福原まどか
福原まどか
福原まどか
思ってたし
福原まどか
野良猫
福原まどか
飼いたいって
思ってましたから
福原まどか
山都大輝
山都大輝
福原まどか
福原まどか
ならないくらいに
暴れん坊で・・・
山都大輝
福原まどか
福原まどか
毎日食器は割るし
福原まどか
福原まどか
引っ掻くし
福原まどか
暴れてたんです
2年前
リュウ
リュウはまどかに向かって 唸り声を上げる
福原まどか
福原まどか
何もしないから!
福原まどか
リュウ
福原まどか
リュウはまどかを威嚇すると キッチンに走る
福原まどか
リュウは食器棚に登って暴れ回る
福原まどか
福原まどか
リュウ
リュウは食器棚から まどかに飛び移り 腕を引っ掻く
福原まどか
まどかの腕からは 鮮血がしたたり落ちる
リュウ
その後もリュウは キッチンで暴れ続ける
福原まどか
山都大輝
想像出来ませんね
福原まどか
山都大輝
その面影が無いって事は
山都大輝
伝わったって事なんじゃ
ないですか?
福原まどか
福原まどか
分かってないんです
山都大輝
山都大輝
福原まどか
四苦八苦する生活が
福原まどか
続いたある日の事です
福原まどか
猫を飼うなんて
無理だったのかな
福原まどか
山都大輝
福原まどか
福原まどか
暴れ回ってたリュウが
福原まどか
私に懐いてくれる様に
なったんです
山都大輝
福原まどか
分からなくて
福原まどか
福原まどか
甘えてくれる様になって
福原まどか
なってくれたのは
福原まどか
山都大輝
あるんですかね?
山都夏輝
山都夏輝
福原まどか
山都夏輝
暴れ回ってたのには
山都夏輝
理由があったんだ
福原まどか
暴れ回ってた理由?
山都夏輝
山都夏輝
福原まどか
福原まどか
リュウ
リュウ
リュウ
山都夏輝
リュウ
山都夏輝
リュウ
ベンチの下に居たか
分かる?
山都夏輝
山都夏輝
リュウ
リュウ
捨てられたの
山都夏輝
リュウからの意外な言葉に 夏輝の瞳にうっすらと涙が浮かぶ
リュウ
引っ越す事になってね
リュウ
ペット禁止だった
そうなのよ・・・
山都夏輝
山都夏輝
リュウ
私のために
泣いてくれるの?
リュウ
山都夏輝
怖かったの?
リュウ
山都夏輝
せっかく出来た
新しい家族なんでしょ?
リュウ
山都夏輝
リュウ
リュウ
リュウ
んじゃないかって
山都夏輝
リュウ
リュウ
別れの時が
辛くなるだけ
リュウ
リュウ
くらいならって
リュウ
私──たくさんしたの
山都夏輝
リュウ
割ってみたり
リュウ
書類を破いてみたり
リュウ
噛みついたし
リュウ
山都夏輝
リュウ
リュウ
きっと捨てるって
リュウ
山都夏輝
リュウの事を
捨てなかった!
リュウ
リュウ
私を捨てないどころか
リュウ
リュウ
お世話をしてくれたの
リュウ
酷い事をしても
リュウ
山都夏輝
リュウ
リュウ
信用できるって
リュウ
いいんだって・・・
リュウ
いいんだって
リュウ
山都夏輝
夏輝の話を聞いたまどかは その場で座り込み涙を流す
福原まどか
福原まどか
あっただなんて・・・
福原まどか
知らなかった
山都夏輝
山都夏輝
イタズラをしても
山都夏輝
見捨てなかったって
山都夏輝
山都夏輝
信用したんだ
福原まどか
福原まどか
福原まどか
まどかはリュウを優しく抱きしめる
リュウ
福原まどか
ご飯を食べてくれないの?
山都夏輝
夏輝はうつむいたまま 喋ろうとしない
山都大輝
山都夏輝
福原まどか
福原まどか
言ってるの?
山都夏輝
夏輝は黙ったまま 涙を流す
山都大輝
山都夏輝
山都夏輝
死んじゃうんだって
福原まどか
福原まどか
福原まどか
ご飯もたべれないくらい
弱ってるわけじゃ無いって
山都夏輝
山都大輝
山都夏輝
山都夏輝
申し訳ないって
思ってるんだ