山都夏輝
山都夏輝
リュウ
山都夏輝
山都夏輝
リュウ
クロ
リュウ
分かるかしら?
クロ
クロ
という感じだな
山都夏輝
リュウ
リュウ
リュウ
山都夏輝
ルプ
リュウ
リュウ
リュウ
おばあちゃんなのよ
山都夏輝
ハル
リュウ
リュウ
出来ないのよ
山都夏輝
ハル
見せてみなきゃ
分からねーだろ?
ハル
癲癇を発症したことが
あるんだよ!!
リュウ
ハル
ハル
ハル
超一流の獣医が
知り合いに居るんだ!
ハル
リュウ
リュウ
リュウ
山都夏輝
クロ
リュウ
クロ
余命わずかというのは
分かった・・・
クロ
クロ
手をつけないんだ?
リュウ
リュウ
私なんかの為に
リュウ
山都夏輝
リュウ
食事代だけじゃない
リュウ
色々やりくりしながら
工面してくれてる
ハル
山都夏輝
リュウ
自分の為にお金を
使って欲しいの
リュウ
ルプ
勿体無いなど
ルプ
ございまするよ!
ハル
山都夏輝
リュウ
リュウ
山都夏輝
リュウ
食べないのに
リュウ
いつもいつも
リュウ
私のために用意
してくれる
リュウ
見てるのが辛い・・・
山都夏輝
福原まどか
山都夏輝
大好きなんだよ・・
山都夏輝
山都夏輝
使うんじゃなくて
山都夏輝
使って欲しいって
福原まどか
まどかはリュウに駆け寄り 抱きしめる
福原まどか
福原まどか
リュウ
福原まどか
いつまでもいつまでも
福原まどか
福原まどか
福原まどか
使わないでなんて
福原まどか
福原まどか
リュウ
リュウはまどかの腕から離れると
一目散に餌場へ向かい カリカリを食べる
福原まどか
山都大輝
リュウに伝わったんですよ
福原まどか
福原まどか
まどかはカリカリを食べる リュウの背中を優しく撫でる
山都夏輝
山都大輝
大輝は夏輝を抱き寄せる
山都大輝
山都夏輝
山都大輝
まどか先生に伝えて
くれたおかげで
山都大輝
食べてくれる様になった
山都夏輝
福原まどか
福原まどか
福原まどか
まどかは大輝と夏輝に 深々と頭を下げる
山都大輝
言ってあげてください
福原まどか
山都大輝
なりたいって最初に
言い出したのは
山都大輝
福原まどか
福原まどか
山都夏輝
山都夏輝
山都夏輝
大好きだから
福原まどか
福原まどか
山都夏輝
なれたかな?
福原まどか
福原まどか
福原まどか
知る機会もなかったし
福原まどか
聞くなんて事・・・
福原まどか
福原まどか
福原まどか
夏輝くん!
山都夏輝
福原まどか
福原まどか
ありませんでした
まどかは大輝に頭を下げる
山都大輝
山都大輝
るんですか?
福原まどか
福原まどか
ください!と
福原まどか
山都大輝
山都大輝
ちゃんと見てあげれて
いなかった事は事実ですし
山都大輝
山都大輝
理解出来るんです
山都大輝
誰だってふざけるな!
って思いますよ
福原まどか
山都大輝
謝らないでください
福原まどか
福原まどか
ございました
山都大輝
寄り添ってあげて
ください・・・・
福原まどか
山都夏輝
山都夏輝
福原まどか
山都大輝
山都大輝
挨拶しとけ!
大輝に言われ クロ、ハル、ルプは まどかに会釈をする
福原まどか
福原まどか
来るなんて
福原まどか
山都夏輝
福原まどか
山都夏輝
山都夏輝
山都大輝
クロ
思ってくれる
飼い主に出会えて
クロ
山都大輝
クロ
クロ
もう長くはないだろう
山都夏輝
山都夏輝
クロ
訳ではないだろうが
クロ
そうなるだろうな
山都大輝
山都大輝
雰囲気で次の話に
行けるトコなのによ
クロ
元気だったとしても
クロ
必ずやってくる
山都大輝
ルプ
死期が迫っている事を
ルプ
様子だったで
ございまする
山都夏輝
山都大輝
水脇先生に言えば
山都大輝
どうにかなるかも
しんねーけど
山都大輝
ハル
勝てねーって事か?
山都大輝
山都夏輝
山都夏輝
夏輝は暗い表情で うつむく
山都大輝
山都夏輝
山都夏輝
山都大輝
リュウなら大丈夫だよ
山都夏輝
山都大輝
山都夏輝
山都夏輝
山都大輝
山都夏輝
山都夏輝
山都大輝
クロ
福原まどか
リュウ
福原まどか
福原まどか
まどかはリュウの腹に 頬擦りをする
リュウ
リュウは前足をピンと張り まどかの頬を遠ざける
福原まどか
リュウ
福原まどか
福原まどか
まどかはリュウ気持ちは お構いなしと言った感じで リュウの腹に顔を埋める
リュウ
リュウ
リュウ
リュウ
伝えれてよかった)
リュウはまどかに 頭をこすりつける
福原まどか
そう言ってくれてるの?
リュウ
福原まどか
福原まどか
その日の夜
夏輝は軽く食事を済ませたのち 早めに就寝した
しかし──
山都夏輝
山都夏輝
夏輝は外からドアを何度も引っ掻く 音で目を覚ます
ガリ・・ガリ
山都夏輝
夏輝は不審に思いながらも ドアに近づき耳を澄ませる
クロ
クロ
ドアの外から クロの呼ぶ声が聞こえてきた
山都夏輝
山都夏輝
山都夏輝
クロ
クロ
帰ってきてからと
言うもの──
クロ
無い様に感じてない
山都夏輝
クロ
クロ
しばらく沈黙がながれた後
夏輝は瞳にうっすらと 涙を浮かべながら口を開く
山都夏輝
死んじゃうの?
クロ
山都夏輝
クロ
クロ
クロ
クロ
限りがあるものだ
クロ
いずれは死ぬさ
山都夏輝
クロ
クロ
その時が来れば
クロ
山都夏輝
山都夏輝
死んでほしくないよ
山都夏輝
クロ
山都夏輝
山都夏輝
山都夏輝
山都夏輝
一緒に居たいよ
夏輝は涙を流しながら クロを抱きしめる
クロ
夏輝の啜り泣く声が 聞こえる廊下で
大輝はずっと 立ち尽くしていた
山都大輝
山都大輝
山都大輝
山都大輝
なかったもんな・・・)
山都大輝
したのだって)
山都大輝
ずっと前だったしな・・)
大輝がしばらく沈黙していると
部屋の中から 夏輝の寝息が聞こえてくる
山都大輝
大輝は部屋の様子を確認する為 ドアを開く
ガチャ
山都大輝
クロ
クロは夏輝の腹を 前足でポンポンと優しく叩く
山都夏輝
山都大輝
クロ
リュウに出会って
クロ
身近に感じたんだろうな
山都大輝
山都大輝
山都大輝
山都大輝
無かったもんな・・・
山都大輝
教えるのが正解なんだ?
山都大輝
クロ
親に教えて
もらったんだ?
山都大輝
忘れちまったわ
山都大輝
教えてもらったのかさえ
危ういトコだな・・・
クロ
山都大輝
山都大輝
夏輝は寝てるし
山都大輝
クロ
山都大輝
なんだよ・・・
クロ
山都大輝
クロ
山都大輝
山都大輝
仕方ねーからな
山都大輝
大輝とクロは 寝ている夏輝を起こさない様に 慎重に部屋から出る
深夜
まどかは夜遅くまで 事務作業に精を出していた
福原まどか
福原まどか
まどかがコーヒーを飲みながら それとなくリュウに視線を向けると
リュウはベッドの上で眠りについていた
リュウ
福原まどか
福原まどか
福原まどか
まどかチェストから レーザーポインタを取り出すと
リュウの気を引こうと赤い点を動かす
リュウ
しかしまどかが いくらリュウの気を引こうとしても 眠ったままで反応がない
福原まどか
福原まどか
福原まどか
福原まどか
まどかはリュウの体をゆする
しかしながらリュウは 全く反応しない
福原まどか
福原まどか
リュウ
福原まどか
まどかは何度も何度も リュウの体をゆする
しかしリュウは起きない
リュウ
福原まどか
福原まどか
福原まどか
リュウ
福原まどか
福原まどか
気づけたのに・・・
福原まどか
リュウ
リュウはまどかのベッドの上で 安らかな最期をむかえていた