ワールド・ギルド!!

51話

スピリチュアル編

【日の出】

空を覆っていた黒い陰が去り、太陽が顔を出した。

その、オレンジ色のまだ薄暗い空の下の白い街を駆け巡るのはショウタ達である。

そう、目的はケンジが子供たちを避難させている今は機能していない児童福祉施設である。

ショウタとライトは、不思議とした目でマリンの様子を伺う。

すると、マリンは右手の平を扉に向けて意識を集中させると一枚の薄っぺらい画用紙に変化させてしまった。

ﾋﾞｼｯ!!

ショウタ達は、マリンの力により怪我を追うことなく施設の侵入に成功した。

だが、正しい方法で侵入しなかった事によりケンジが仕組んでいた警報機が起動する。

施設内にサイレンが鳴り響いた。

ﾋﾞｰﾋﾞｰﾋﾞｰ!!

ﾋﾞｰﾋﾞｰﾋﾞｰ!!

チアキの拘束具は外れている。

激しい暴行により身体の数箇所は打撲しているが、骨も折れておらず命に別状もない。

チアキがゆっくりと向かう先は、意識を取り戻しぼーっとしているレイマだった。

彼も命は奪われていない。

ただ、死の瀬戸際に立たされた事で記憶を失っていた。

チアキは、冷たい目…どこか切なそうな目でアヤトを見た。

ガタガタガタっ!!!

ガタンっっ！！

ガタンっっ!!!

チアキを助けに来たのは、ショウタとライトとそしてシベリーの二人と一匹

ショウタは、渾身の力を込めてアヤトに殴り掛かる。想像以上の速さにアヤトは反応しきれずに防御が遅れた。

そして、ショウタの拳がアヤトの頬を打つ！

ｽﾞｻﾞｧｧｱｯ!!

アヤトは、床に体を擦り付けられるように吹き飛んだ。

ショウタがまた拳を振り上げた時、チアキが止めた。

ケンジがユウの圧倒的な戦闘技術に異能を持ってしても敗北し、身体が痙攣した状態で床に這いつくばっている。

ケンジは、ただ残された力で右腕を上げ見ているしか出来なかった。

チアキは、傷ついた身体でレイマを強く抱き締めた。そんなチアキにライトは、そっと手を差し伸べる。

ショウタはずっとアヤトを 押さえつけていた。

その状態でアヤトは言った。

と