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ウスラハゲ部長

それでは皆さん!桐矢くんと藤崎さんのご結婚祝いと…

バーコードハゲ係長

桐矢くんの送別会を兼ねまして…

円形脱毛症ハゲ課長

カンパ──イッ!!

 

カンパ──イッッ!!

ガヤガヤ…

綾乃

(ま、初めからわかってはいたんだけど…)

女子社員A

桐矢くん、ご一緒してもいい?////

女子社員B

私も隣、いい?////

受付嬢

退職しちゃうなんて寂しい…っ♡

………(; ̄ェ ̄)

綾乃

(やっぱこうなるよねぇ…笑)

綾乃

(まったく、妻の私がこの場にいるってのによくやるわ…っ(¬_¬))

綾乃

(葵は葵で、いつものごとく冷やかされたくないって理由で私とは離れて座るし…っ)

咲子

あーやのっ♪

咲子

何?あんたまた腐ってんのぉ?

綾乃

「まーきのっ♪」みたいに登場しないでよ…咲子

咲子

…あっ!わかったぁ

咲子

結婚しても相変わらずモッテモテの桐矢くんに嫉妬してるんでしょお〜?♡

綾乃

……っ(¬_¬)

咲子

あんたもほんと、大変な旦那さん捕まえちゃったよねぇ〜!あ、はいビール。

咲子

いくら桐矢くんがあんた一筋だからって、あれだけモテられちゃあ心配にもなっちゃうもんねぇ

綾乃

…正直、私のどこがいいんだろって思う時もあるんだ

綾乃

私って確かに美しいけど、モデルや女優さんほど美しいってわけじゃないし…

綾乃

料理は下手だし、バカだし、寝相だってサイアクでしょっちゅう葵のことベッドから蹴り落としてるし…

綾乃

だからね、欠点があまりない葵がなんで私を選んだのか…わからなくなる時があるの

咲子

へぇー、あんたにもそんな弱気になる時があるんだ?(笑)

綾乃

だって…

女性たちに囲まれている葵のことをチラッと一目見る

光里

…なーにミカンが腐ったような顔してるんですかっ藤崎さんっ!♡

咲子

で、出たっ!まさに人の旦那をも見境なく手を出しそうなあざと系女子・鈴宮光里っ…!!

光里

し、失礼ですねぇ…いくら私があざといからって、もうそんなことしないですよっ!

光里

まぁでも……藤崎さん次第ではなきにしもあらず、かもしれませんけどねっ♡

咲子

や、やっぱし…!

綾乃

(このオンナッ……彼氏できたんじゃなかったの…?(¬_¬))

綾乃

そういえば…最近、前みたいに愛し合うことも減ってきたような気がするのよねぇ…

咲子

それってもしかして…

光里

ええーっ?!藤崎さん、新婚早々レスなんですかぁー?!可哀想っ!!////

綾乃

…うっざ!!

光里の口にバカデカイとん平焼きを丸ごとぶち込み、黙らせる

咲子

ま、マジでエッチしてないの?(こないだ会社でヤリまくってたくせに…)

綾乃

ま、まあね…っ////(イク寸前で寸止めされてるとまでは言えない…笑)

咲子

それってちょっとヤバイんじゃないの?

咲子

私の友達なんて、結婚した途端にレスになったかと思えば…旦那の浮気発覚のパターンだったんだから!

綾乃

うっ、浮気って…

光里

…そうそう!夫婦のコミュニケーションが減るなんて一大事なんですからっ!(←とん平焼き全部食った女)

光里

油断してたら……若くて可愛い子に葵くんを寝取られちゃったりしてぇ?ふふふ♡

綾乃

……っ

葵の方に目をやると、綾乃は目の前にあったビールを手に掴んだ

綾乃

ゴッゴッゴッゴッ…

綾乃

……プッハァ──ッ!

綾乃

……ゴォゥウッ‼︎(←最近レスで欲求不満の新妻・怒りのゲップ)

ガンッ!とジョッキを机に叩き置くと、綾乃はキッ!と目を据えて立ち上がった

その足が向かうのは、葵が座る席。

咲子

ありゃ…ちょっと焚き付けすぎたかな?(笑)

光里

いけいけっ!藤崎さんっ!♡

葵の席までたどり着くと、綾乃は強引に女性たちの間を割って入って…

葵の隣に膝をつき、腕に抱きついて言っちゃった。

綾乃

……私のダンナ、誰にも渡さないからっ!!

あっ……綾乃?!

しーん…

綾乃

…そこのあなたたち、よく聞きなさいっ!

女子社員A

…えっ?(笑)

女子社員B

あの…

受付嬢

はいっ…(笑)

綾乃

あなたたちが大好きなこの桐矢くんってねぇ、確かにイケメンで何しててもカッコよくて、仕事もデキる完璧な男にしか見えないかもしれないけど…(←褒めすぎ)

綾乃

…実は超が付くほど嫉妬深くって、些細なことでもすーぐヤキモチやいちゃうのよーぅっ?!♡

なっ…?!

綾乃

そんでもって、いつまでも根に持って私のことを「生殺しの刑」だとか言って、いじめて楽しんでるような男なんだからっ!!♪

……っ!!

綾乃

バカな男だとは思わなぁい?

綾乃

自分だって本当はヤリたくてたまんないくせに、私への仕返しのために我慢して寸止めなんかしたりして───

あーーーーーーーっ!!!(←綾乃の口を手で塞いだ)

し───ん…

女子社員A

生殺しの刑…?

女子社員B

…寸止め?

受付嬢

なにそれ…

なっ……なんの…ことかなぁ一体…?!

ちょ、ちょっと飲みすぎたみたいだねぇ?!綾乃さんっ…♪

綾乃

(なーにが「綾乃さんっ♪」だよっ…)

葵の手を剥ぎ取り、綾乃はさらに続ける。

綾乃

だからねっ…

綾乃

そんな嫉妬深くてバカでカッコ悪い所も全部、私しか知らないのっ!!

綾乃

私以外の女には絶対に見せないのっ!!

綾乃

…わかった?!

綾乃っ…!

し───ん。

咲子

……ぷっ(笑)

咲子

……っあーはっはっはっは!!

咲子

ダメッ!超ウケるっ…!これだからあんたとは親友やめられないんだよねぇーっ!!(笑)

綾乃

ちょっ…笑うとこぉ?!

光里

(葵くん…嫉妬のあまり、寸止めして生殺しになんてしてるんだ…笑)

アキラ

………(←存在感ゼロだけど実は端っこに居た)

綾乃

……ん?

女子社員たちを蹴散らした後、隣の葵に目をやると

耳まで真っ赤にして机に突っ伏していた

俺の…っ

今まで築き上げてきた爽やかなイメージがっ…!!(T ^ T)

綾乃

………あ(笑)

綾乃

ま、まぁ…いいじゃない葵っ…もう退職するんだし、今日1日屈辱に耐えれば…(笑)

そーゆう問題じゃないんだよっ

綾乃

で、ですよね…(笑)

綾乃

ご、ごめん……ちょっとやり過ぎたとは思ってる…( ̄▽ ̄;)

綾乃

…まぁまぁ、ほら…あんたの大好きな鳥のつくねでも食べて元気出しなさいよっ!(笑)

ほかほかの鳥のつくねを目の前にして、葵は顔を上げた

……なぁ、綾乃

綾乃

んー?

俺ってさ……男としてそんなに魅力的?

綾乃

……えっ?

いや…まぁ、それなりに見た目はいいんだとは自覚してるんだけどさ

なんつーか…自分の意思とは関係なく誰かの心を奪ってしまって、その想いに応えてやれないのも辛いなぁと思って

例えばそれが、「俺のことなんて絶対に好きになることはないだろう」って思ってた相手でも…

チラリと、隅にいるアキラの方に目を向けた

綾乃

……でも、ちゃんとハッキリ断らなくちゃ相手にも失礼なんじゃないの?

だよなぁ…

綾乃

……なに、あんた

綾乃

もしかして…ミズキさん以外にも誰かから告白でもされたの?(¬_¬)

ちっ…違うって!(まさか相手が男だなんて言えない…)

綾乃

ほんとにぃ?(¬_¬)

綾乃

言えないなんて、ますます怪しいんだけどっ!

…あーっ!鳥のつくねだーっ!うまそーっ♡

綾乃

(ふんっ、白々しいっ…)

いっただきまーす♡パクッ

………

……うっぐ

綾乃

……どしたの?葵

突然、葵が口を押さえて真っ青になる

綾乃

……あれ?この鳥のつくね、パセリみたいな香草がかかってるけど…

綾乃

この匂い…パクチー?

綾乃

ちょ、ちょっと…大丈夫?!葵っ!

綾乃

あんた、この世で大嫌いな物ベスト3にパクチーが入ってるぐらい大っ嫌いなのに…どうしてパクチーなんかっ…!!

ちっ…違うっ俺じゃない…っ!

どうしてこんな物がつくねにフリかかってるんだ…っ!!

綾乃

そういえばこのお皿…確かお局様から回ってきたような気がするけど…

……お、お局様が…?

お局様の方に振り返ると、お局様は顔を赤らめながら嬉しそうにウインクをした…

お局様

(うふっ♡パクチニストなことを仕方なく秘密にしているあなたへの、アタクシからのほんのプレゼントよっ♡)←パクチーのスパイス瓶を常備

綾乃

…んもうっ、しっかりしなさいっ

綾乃

ほらっ、レモン酎ハイで口の中切り替えれば大丈夫だからっ!♡

(送別会のわりには散々な目にあいすぎだ…)

アキラ

………っ

綾乃から優しく介抱される葵のことを遠くから見つめると、アキラは静かに立ち上がって座敷から出て行くのだった…

(ん…?あれ、アイツ…)

アキラ

………

アキラ

あーあ……僕って本当にバカ…だな(笑)

アキラ

もう桐矢さんとは会うこともなくなって忘れられるっていうのに、こんな所にまでノコノコ顔を見に来ちゃって…(笑)

アキラ

桐矢さんには、綾乃ちゃんっていう固く結ばれたパートナーだっているのに……

アキラ

自分が……そう望んだんじゃないか…っ!

…ガチャッ

アキラ

……?

うわ、この店って裏口にこんな夜景スポットがあったんだ?

アキラ

きっ…桐矢さんっ?!

アキラ

ど、どうして…

ん?酔い覚ましにちょっとね

ほら、冷たい緑茶でもどう?

葵が自分の分とは別のペットボトルを投げると、アキラは慌ててそれを受け止める

アキラ

……っ

アキラ

(まさか…僕を追って……?)

目を泳がせるアキラの隣で、葵は夜景を眺めながら鉄柵に肘をついた

夜の光に微かに照らされる葵の横顔は、アキラの胸をまた締め付けるのに足りる美しさだった…

アキラ

あの…

んー?

アキラ

僕がしようとしてたこと…知ってますよね…?

アキラ

僕と、ミズキさんが…

あぁ、俺をハメて綾乃と離婚させようとしてたことだろ?

アキラ

あっ…あの…僕っ…!!

わかってるよ

…だから謝らなくていい

アキラ

えっ…?

それに俺…

キミのこと気持ち悪いだなんて…思ってないから////

アキラ

……っ!!

…ごめん、あの時のミズキさんとキミのやり取り、聞いちゃったんだ

だから、キミが俺のためにミズキさんを説得してくれたのも…知ってる

…嬉しかったよ

アキラ

………

アキラ

どう…して?

アキラ

僕は……男なのに

アキラ

男なのにっ…!どうしてそんなに優しくするんだよぉぉぉっ!!

………

そんなの答えは1つしかないじゃん

結城くんが、男らしくて優しい人だから…かな

アキラ

……僕…が…男らしい…?

…あのねぇ、人には必ず「魔がさす」って言葉があるだろ?

浮気や不倫もそうだし、好きな相手を手に入れるために誰かを陥れたりするのもそう…

誰でも一瞬のうちに魔がさして、自分を正当化しながら自分の望みを優先しがちなんだよ

…でも、キミはそれをしなかった

アキラ

………

それにさ…俺、思うんだけど…

…人が人を好きになるのに決まりとか理由とかって…必要なのかな?

アキラ

え…?

俺だって、綾乃を好きになった理由なんて自分でもよくわからないんだ

口は悪いし、バカだし、料理も下手だし、寝相もサイアクだけど…

でも…

それでも、「コイツじゃなきゃダメなんだ」って…信じられる

アキラ

………

だから、お願い

俺のことを好きになったこと、後悔しないで欲しい

その優しい微笑みが、アキラの心の溝を埋めるのにそう時間はかからなかった。

アキラ

……うっ

アキラ

ううぅっ…う…っ!!

アキラ

あっ…ありがとう…!!

な、泣くなよ…男に泣かれるのってあんまり慣れてないし…(; ̄ェ ̄)笑

アキラ

桐矢さん…僕、頑張ります!

アキラ

誰かから本当に必要とされて、愛されるように…っ!

……そっか

アキラ

……あの、桐矢さん…

なに?

アキラ

さ、最後に…

アキラ

僕のこと、抱きしめてもらえませんか…?

………え

アキラ

こっ、これが最初で最後でいいんですっ!!////

アキラ

最後の思い出として……綺麗なまま、心の奥にしまっておきたいんです…

アキラ

お願いしますっ!桐矢さんっ!!

……っ

(お局様といい、コイツといい…なんでそうなるんだ…)

(俺の身にもなってくれよ…)

アキラ

や、やっぱり…ダメですか…?

………っ(¬_¬)

………(; ̄ェ ̄)

………

アキラ

や…やっぱこんなの、ダメですよねっ!////(笑)

アキラ

…すみませんっ…今の、聞かなかったことに───

その瞬間、うつむきかけたアキラの肩に手が回され

グイッと抱き寄せられて

その頬に、葵の唇が触れた。

アキラ

───っ!!!

……こ、コッチの方が…嬉しいだろっ?////

アキラ

はっ……

アキラ

はわっ…はわわわわ…っ!!////

………っ////

頬を押さえて全身を震わせるアキラの背後で、扉が爆音を鳴らした

バァァンッ!!

綾乃

ちょっと葵っ!!

!!(´⊙ω⊙`)

綾乃

こんなトコで何してんのよっ!

綾乃

もうお開きだし、私たちもそろそろ帰るよー?

あ……う、うん(笑)

綾乃

…あれ?アキラくんまで何してたの?

アキラ

あ…っ!い、いえっ!何でもありませんっ…(笑)////

ちょっと男同士の話に花が咲いてただけだよなーっ?(笑)

アキラ

はっ…はいっ♡もちろんっ!♡

綾乃

ふぅーん…(この二人、いつの間に仲良くなってたの?)

綾乃

(…まいっか!)

カラダの関係は、お試し期間後に。

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コメント

8

ユーザー

綾乃ちゃん酔いすぎ😂😂

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