テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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短編

第43話 - 【クルト生誕祭】青空の下、どうか君と

201

2023年11月10日

#短編

#一次創作

orange

｢　　｣

そう、君の誕生日

｢　　｣

おめでとう

｢　　　｣

ありがと

｢　　　｣

別にそんなに好きじゃないけどね

｢　　｣

なら、君が面白くすればいい

｢　　｣

今日は、君の日だ

｢　　　｣

…そうだね

｢　　　｣

帰ってから国で話してみるよ

｢　　　｣

1つ、面白いことを思いついた

｢　　　｣

これなら満足できる

｢　　｣

……そう

｢　　｣

別に、君が楽しいならいいよ

｢　　｣

誕生日って、そういうものでしょ？

｢　　　｣

君が言うなら、合ってるんだろうね

｢　　　｣

じゃ、また今度

｢　　｣

うん、またね

クルト

……

クルト

あーあ…

クルト

最悪の目覚めだ…

ベリアル

主様？起きていられますか？

クルト

起きてる、入って

ベリアル

では、失礼して

ベリアル

おはようございます

ベリアル

主様、ウピル

ウピル

おはよう

クルト

んで、早速だけど君達

クルト

今日が何の日か知ってるよね？

ベリアル

えぇ、もちろんです

ウピル

今日は我らの主様のお誕生日であります

ウピル

お誕生日おめでとうございます、主様

ベリアル

この1年も、主様にとって幸せであることを願ってます

クルト

はいはい、ありがとね

クルト

それで、この国特有の｢例の件｣、なんとかなりそう？

ウピル

いや無理ですね

クルト

ちょっとウピルさん……？

ウピル

いや、無理でした

クルト

しかも過去形ですかそうですか…

クルト

なんで…毎年こうなるんだよ…

｢死から離れた国｣には、特別なルールが数多く存在する

その中の一つに、こんなものがある

｢その代の王の誕生日は決闘の日とする。決闘で勝利を収めた人間にはその王直属の眷属となる資格を得ることが出来る｣

初代国王｢銀の姫｣はこのルールを定め2代目国王｢桜姫｣はルールに則り決闘をして、全て返り討ちにした

3代目国王であるクルトもこのルールに従わなくてはならない

そして、クルト直属の眷属はこの世界でたった2人と希少価値がとても高いのである

故に毎年毎年、クルトは誕生日が憂鬱である

決闘に全ての時間を費やす必要性があったからである

だから、今年はやり方を変えることにした

トーナメント制で勝ち残った数人に決闘の権利を与えると言った

権利を得られる人数は、4人

今年は強者としか戦わない

そう思うと、少し楽しくなってきた

…実はクルト、正真正銘戦闘狂である

クルト

さて、始めますか

クルト

楽しい決闘の始まりだ

クルト

と、張り切ったのはいいけどさ

クルト

なんで君達なの？

ベリアル

いや……そう言われましても

ウピル

今年は出場してもいいと言われ…

アベリア

誕生日おめでと〜♡

あ……こんにちは〜

クルト

おい待て待て待て

クルト

1人目と2人目は分かるよ？

クルト

ボクの眷属だし

クルト

3人目と4人目どうしたお前ら

いや、主様方から祝ってこいと

アベリア

大事なシュガーの誕生日だよ？もちろん休み取ったに決まってるでしょ？

クルト

2人とも曲がってんなぁ…(褒め言葉)

クルト

んで、今年からこの要素を取り入れたわけだけど

クルト

誰からやるとかは決めてないからそっちで決めてね

ウピル

じゃあ、私からでも大丈夫ですか？

ベリアル

どうぞ

アベリア

じゃあ次にベリアル行きなよ

アベリア

次に君ね

アベリア

最後に僕行くから

え、俺に拒否権は…？

アベリア

別に順番なんてどうでもいいでしょ？

まぁ…確かにそうですね

クルト

じゃあ、行くよウピル

ウピル

はい、よろしくお願いします

クルト

ウピルは確か術の方が得意だよね？

ウピル

まぁ…一応

クルト

ならボクも術縛りでいくよ

ウピル

……いいのですか？主様

クルト

もちろん

ウピル

……では、行きます！！

突如無から出てくる白き光

まずはそれだろうと思っていたから軽く躱す

ウピルの基本的な戦い方は速度重視の魔法攻撃である

元々強い力を持って生まれた彼女はクルトの眷属になる時力が増幅した

その人外味のある速度は初見なら対応がとても難しい

では、どうするべきか

クルト

(生憎その修行に付き合ったから初見では無い)

クルト

(速度に関しては……)

クルト

(術が発動した後のほんの少しの間を突くだけ！！)

避けた直後、一気に距離を詰める

そしてそのまま……

クルト

……はい、終わり

ウピル

……

ウピルの首筋には、クルトの手があり今にも術が発動可能だった

ウピル

……負けました

ウピル

流石、主様ですね

クルト

でも、術の速度はこの前よりも上がってるね

クルト

初見ならほぼ対応不可能に近い

クルト

これからも頑張ってね

ウピル

はい、主様

クルト

じゃあ次はベリアルね

ベリアル

俺、これ勝てますかね……

クルト

勝ったところで元々眷属だろお前

クルト

楽にいこう

ベリアル

……了解しました

ベリアル

では、行きます！

合図と共に走り出すベリアル

それは走っているというよりも空間を飛んでいるに近い

ウピルが魔法系を熟知しているならベリアルは剣を熟知しているのである

青色の細き剣を握り締め常日頃からクルトを守っている

そんなベリアル、実はクルトの2番目の眷属でありながらウピルよりも強いのである

元々の体質と、世界に愛されていた彼は眷属化がトリガーとなり覚醒した

クルト

はぁ……だから毎回言ってるでしょ？

よく澄んだ音が部屋に響く

ベリアルの剣をクルトが自分の剣で受け止めた音である

クルト

こんな速度じゃ、ボク達のレベルでは無い

弾かれて即座に首元に剣を向ける

クルト

ほら、こうなったらどうする？

ベリアル

……いや、主様相手じゃ無ければもっと速度出しますよ

ベリアル

それにすぐ首を落とします

クルト

それが甘えだって言ってるの

ベリアル

……なるほど

クルト

まぁ、そうだね……

クルト

始めゆっくりで一気に速度あげたら対応のレベルが一気に上がる

クルト

それならまだ勝機はあるかもね

ベリアル

……なるほど

ベリアル

これは完敗ですかね…

クルト

次はもっと頑張ろっかベリアル

クルト

君はボク達と同じなんだから

クルト

もっと力を求めていいんだよ

ベリアル

……心に留めておきます

クルト

さて、次だよ

クルト

さっさとかかってこい

俺にだけ扱い酷くないですか？

クルト

さっきからあいつらの視線を感じる

クルト

ここでお前を即座に殺したらあいつらにいい思いさせないで済む

俺主様方のせいでこんな風になってます…？

クルト

まぁ、あいつらにはいい思いさせる訳にはいかないし

クルト

君の本気も知りたいからね

クルト

ボクと戦える？

クルト

あの狐の神共の神使候補

クルト

｢リンカ｣

リンカ

狐の神共って…

リンカ

それに、俺は神使候補では無いですよ

リンカ

俺は主様に命を救われたので

リンカ

どっちかというとそうですね…

リンカ

俺は空狐教の｢幹部｣であり

リンカ

｢クラブ＝ラビ｣のオーナー様とそのご友人の忠実なる部下で

リンカ

｢陰りの段位｣の人間…ですかね

クルト

｢人間｣……ね

クルト

彼岸花と…アスナロの子供

リンカ

引きずりますね、クルトさん

リンカ

ですが、もう別人ですよ

リンカ

捨てて下さい

リンカ

その身を殺した花のことは

アベリア

……リンカ

アベリア

｢彼女｣を侮辱したら僕は許さないよ

クルト

大丈夫だアベリア

クルト

すぐ終わる

アベリア

……分かったよ、シュガー

リンカ

俺も、そう簡単に彼女を侮辱する訳無いでしょう？

リンカ

それに俺もかなり強いですよ

クルト

そうか

クルト

それじゃあ、始め！！

突如、全ての音が死ぬ

動いているのは、クルトとアベリアだけ

アベリア

ちょっと？シュガー

アベリア

やり過ぎだよ？

クルト

うるさい

クルト

あいつらの視線なんか気持ち悪いんだもん

アベリア

泣いてるよあの人達

クルト

こんなんで泣くわけないだろ

アベリア

まぁそうだけど

クルト

…はぁ、もういいや

クルト

お前らも、見てるだけじゃなくて来い

ゆっくりと、世界に音が戻る

まるで、神の技

リンカ

ちょ！？なにやってんすかクルトさん！

リンカ

それ使うのは反則じゃ無いですか！？

クルト

反則もなにも、別にボクはお前を殺そうと思った訳じゃない

クルト

本来ならちゃんと殺してるから安心しろ

ベリアル

それは安心出来ませんよ主様…

クルト

んじゃ…最後

クルト

アベリア

一緒に戦うの久しぶりだね

アベリア

よろしく、シュガー

クルト

……うん

クルト

かかってきなよ

アベリア

よっしゃ〜

アベリア

頑張っちゃうぞ！！

双方の目が合う

にやりと笑い、唱えた

この世界の頂点にのみ、許された力を

この場で使うべきではない、そんな力を

アベリア

……やっぱ相殺だよね〜

クルト

流石だよアベリア

クルト

相変わらずだね

アベリア

何言ってるのシュガー

アベリア

君のおかげでしょ？

クルト

お前こそ何言ってんだ

クルト

努力しすぎて死ぬなよ

アベリア

死なない程度に頑張るよ

クルト

そうして

クルト

……で、他の人は？

クルト

なんか話したら？

ベリアル

……正直、話す気にすらなりませんよ

ベリアル

同じ力を得られるとは思えません

リンカ

いや……流石っすクルトさん

リンカ

主様方と同じ実力を持つ御方です

クルト

そんな事ないよ

クルト

あいつらとは分が悪い

クルト

……まぁいいや

クルト

さて、これで決闘は終わり

クルト

今年も勝者なし！

クルト

以上！解散！！

クルト

はぁ……疲れた

青空を見つめ、思う

初代国王はとんでもなかったと

あんな面倒なこと決めた時の心境を理解出来ない

……でも、このやり切った感覚は好きだなと思ってみたり

クルト

…！？

即座にその場から離れ銀色の鎌を作り出すクルト

｢　　　｣

おや？避けられましたよ？

｢　　　　｣

ﾁｯ、小賢しい……

クルト

……なんだよ、お前ら

クルト

来ないのかと思ったぞ

｢　　　　｣

失礼ですね

｢　　　　｣

僕達の大切な仕事仲間の誕生日なのです

｢　　　　｣

祝いに来て何が悪いと？

｢　　　｣

殺そうとしてるの間違いでは？

｢　　　　｣

社交辞令ですよ

｢　　　　｣

よく覚えておきなさい

クルト

何教えてるんだよお前は

敵意がないと分かるとほっとして鎌を片付ける

クルト

全く……

クルト

ボクはお前ら2人の誕生日出たのに

｢　　　　｣

何言ってるんですか

｢　　　　｣

礼儀はしっかりしてますよ

｢　　　｣

それは俺もです

クルト

……はぁ、まぁいいや

クルト

リンカ、成長したね

｢　　　　｣

流石に僕達レベルに追いつくのは時間かかりますね

クルト

もう少し経てば強くなれるよ

クルト

それこそ、なにかトリガーになるものがあれば……

｢　　　｣

可愛い子には旅をさせろって言いますからね〜

クルト

さて、疲れたし部屋でお茶でもどう？

クルト

普通に寒いし

｢　　　　｣

お、いいんですか？

クルト

別にいいよ

クルト

ほら、行くぞ

｢　　　　｣

あ、ちょっと待ってください

｢　　　　｣

誕生日おめでとう、クルト

｢　　　｣

おめでとうっす！クルト！

クルト

……ありがと、2人とも

クルト

ほら！行くぞさっさと！！

｢　　　　｣

(デレた……)

｢　　　｣

(デレた〜)

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クルトさん、誕生日おめでとう🎉✨（大遅刻ごめんなさい……）クルトさんの「3人目と4人目どうしたお前ら」ってツッコミめちゃくちゃ好き😂💕 眷属である2人はもちろんの事だけど、まさかアベリアさんとリンカさんが来るとは思わなかったwけど、本当にクルトさんを祝いたいって気持ちが強く伝わってきた💭 っていうか、リンカさんって元々出てきてたけど名前が出るのは初…だよね……！？

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