ここは「死から離れた国」
最近、1番来ている大陸である
そもそも、何故こんなに来ているのか
理由は簡単である
クルト
クルト
この、私専属の騎士がここに入り浸って吸血姫様に修行を付けてもらっているからである
だからって、人の誕生日にそれをする必要はあるのか……?
別に、毎日ここに通う必要など無かったのだ
ただ、自分の大切な人が傷を負わないか心配なだけである
クルト
クルト
クルト
今日一日中、とにかく動き回った
働いて働いて働いた
これで、最後の1件である
今までの仕事も人を殺す系が多かったが遠距離からスナイパーで暗殺というのは私の騎士の方が得意だった
だからいつも彼にやってもらっていたし主様も私が苦手なのを知っていたからわざわざ避けて下さった
苦手克服に、いいチャンスだと思ってしまう
ずっとすれ違っていたのか
それとも、修行に夢中なのか
だめだめ
考えたって無駄だ
思考を切り替え、再度スナイパーを強く握る
中々標準が合わずトリガーを引けない
あと少しでターゲットが逃げる
一か八かでトリガーを引こうとしたその瞬間
ドン、という鈍い音が後ろから聞こえた
あんな頭が見えるか否かギリギリの所を、ヘッショワンパンである
違う、こんなこと言いたかったんじゃない
これじゃあたかも私拗ねてます感が否めない
もう、疲れた
早く帰りたい
そういい、歩き出す
……つもりだった
手を引っ張られ、ぽすっと彼の腕の中に収まる私
私を抱きしめる腕に力が入って、本当なんだと知る
手渡された箱を容赦なく開ける
そこには、きらりと光るイヤリングがあった
いつもよりも更にぎゅーっと抱き締められる
これは、相当響いたな
いきなり、そんな真剣な表情で何を言い出すのかと思えば……
ただ、この瞬間だけは、どうか
世界が私達に優しくありますように
この溢れそうな愛情も、壊れそうな口付も
全てが現実でありますように
笑い合える世界で、君と、永遠に
宝石の姫と、宝石の騎士へ捧ぐ
コメント
3件
めちゃくちゃ好き🫶🫶 お嬢様お誕生日おめでとうございます🎉✨(大大遅刻ごめんなさい……) やっぱりお嬢様にとって騎士様が…騎士様にとってお嬢様がとても大切な存在なんだな、っていうのが伝わってきて『お嬢と騎士』という身分差がある立場の2人なのに「恋人、大切な人」って言葉を聞くとこの2人には身分なんてもんは関係ないんだな、って思えるくらい仲のいい恋人で見てて微笑ましい!これからも2人に幸あれ💭