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【第1章】
¨公立の高校¨ 授業.
蒼汰
蒼汰
蒼汰
蒼汰
蒼汰
頬づえをつきながら、
誰にも聞こえないくらいの
小声で呟く.
俺の名前は 清水 蒼汰.
部活無所属の高校2年生だ.
今、数学の授業を
している最中なんだが、
先生の説明が下手くそすぎて
聞く気にならない.
先生が少しキョロキョロと
あたりを見渡しながら、
黒板に問題を書いていく.
生徒の表情を
気にしているのだろうか?
先生
先生
先生
オレかよ…。
他にも暇そうなヤツなんて
周りに沢山いるのに.
蒼汰
とため息混じりの返事をして立つ.
ガラガラと
椅子を引きずる音が、
静かな教室に響いた.
蒼汰
先生
先生
先生
その言葉とは裏腹に
顔が少しもいきいきとしていない.
これでこの問題何回目だ?
なぜかこの先生は、
同じ問題を何回もしている.
認知症なのか…?
それとも、
違う問題を出すことによって
嫌がる生徒が、
次から反発するのではないかと
恐れているだけ…?
あはは、
俺の考えすぎだな.
蒼汰
またため息をついて、
窓の外を眺めた.
俺の席は窓際で
よく外の景色を眺めている.
飛行機が空を飛び、
地面では生徒たちが
体育の授業をしているのが見える.
ここから眺める景色は、
俺はとても好きだ.
仲良く見えていた女子生徒たちも、
ここから見ると距離感がわかる.
集団で集まっている生徒たちに
必死で何かをごまかす男子生徒.
一人でポツンといる女子生徒.
クラスのリーダー的存在の
生徒たちにしか
興味がない体育教師.
ここからだと
手に取るようにわかる.
蒼汰
蒼汰
聞こえないくらいの声で
ポツンと呟いた.
最近ある二つの感情が、
掻き乱してくる.
学校なんて偽善者ばっかりだ、
壊してしまえ!
という感情と.
学校で命がけのゲームをしたら、
人間はどのように
変わるのだろう…。
という感情.
俺はなんのために
学校に来ているのだろうか?
ただ学校へ行き.
ただ授業を受け.
そして、ただ家へ帰る.
特に何も感じない.
唯一楽しいことといえば、
雑談をすることくらいだ.
ただそれだけのために
俺は学校なんかに
来ているのだろうか?
ふと周りを見渡してみると
携帯電話をいじる生徒や、
堂々とイヤフォンをつけて
ゲームをする生徒までいた.
そして半分近くの生徒たちが
下を向いていて、
先生の話を聞いていない.
蒼汰
そんなことを呟きながら
数学ノートをペラペラとめくる.
いや、もしかすると
先生は見て見ぬフリを
しているのかもしれない.
蒼汰
蒼汰
ふと見ると、
俺の数学ノートの一番後ろのページに
俺の書体ではない文字で
” ゴメン ”
と書かれていた.
俺は普段
この数学ノートを貸さないし
ましてはゴメンと
数学ノートに書かれるほど、
誰かといざこざわを
起こした覚えがない.
その字はシャープペンシルで
書かれた字で
消しゴムで消せばいい話なんだが、
どうしても
気になってしまう.
一年の時に誰かに貸したか?
そんなことを考えながら
数学ノートを閉じる.
俺はなぜ数学ノートに
文字が書かれていたかも、
誰が書いたかも何も知らないし、
覚えていない.
一体誰が書いたんだ…?
ま、いいか…。
誰なのか分かったとしても
何かをしようとは思わないし…。
思ったとしても、
やる気すら起きないしな.
蒼汰
蒼汰
そう小さく呟いて、
俺がゲームの主催者に
なっている姿を想像してみる.
徐々に本性を現して、
自分だけが生き残ろうと
裏切りあう生徒たち.
想像しただけで、
何ともいえない感情で
心が満たされていく.
そんな感情に浸っていたら
授業を終えることを知らせる
チャイムが遠くから聞こえてきた.
あ、終わったのか.
我に返り、強化書類を片づける.
先生
先生
先生がため息混じりに言う.
その言葉はきっと、
生徒たちには届いてないだろう.
生徒
生徒
その瞬間、
いっせいに騒ぎ始める生徒たち.
さっきまで静かだったのが
嘘のようだ.
そしてドアへ向かう先生を見ると、
フゥとため息をつきながら
疲れたような顔をしていた.
あの先生、いつもため息ついてるな.
きっと、あの先生も
自分の授業がつまらないということは
わかっているのだろう.
授業終わりに
ため息をしているぐらいだもんな.
まぁ、俺も人のことは言えないが.
だがなぜそれでも自分を変え、
もう少し工夫した授業を
しようと思わないのか.
俺には理解が出来ない…。
いや、思っていても
変えられないのか?
やっぱり命をかけて
何かをしないと
変わらないよな…。
❤️きたら続き出します!!🥀 読んでくれて ありがとです!!🙇 ぜひ他のも 見てみてください!!😊
コメント
6件
よんこめでした
さんコメ〜!すごく面白いし、納得というか、たまに同じ意見がある!
先が気になり過ぎる…! 無理さず頑張って下さい 楽しみにしています(っ´ω`c)