忘れたくない
俺
俺
らんくん
俺の恋人は末期の心臓病だ。
もう、3年程前からこの病院に入院している
心臓病といっても珍しい世界に百人程しか居ないごく稀な病だ
俺
みことくん
俺
らんくん
みことくん
俺
なつくん
みことくん
なつくん
この二人は付き合っていて毎日、幸せそう
なつくん
そう。先程まで俺はらんらんと二日後に控えている誕生日の話をしていた
なつくん
暇ちゃんがニヤニヤしながら俺達の顔を交互にみている
らんくん
らんくん
らんらんは顔を真っ赤に染めて恥ずかしがりながら喋った
こさめくん
いるまくん
いるまくん
潰すぞ?/よ?(同時)
こさめくん
いるまくん
こさめくん
いるまくん
この二人はいるまちゃんとこさめちゃん
らんくん
こさめくん
毎日、たわいもない話で盛り上がって気付いたら閉館時間になっている
なつくん
みことくん
らんくん
らんくん
みことくん
みことちゃんがシュンと眉を下げて相槌を打った
なつくん
そう言い、らんらんの病室を後にした
らんくん
スマホで
恋人 誕プレ 喜ぶ物
と、何回検索したか。
気付いたら履歴はその単語で埋まっていた
俺
俺
考えるだけで顔がにやけた
通知が来た。相手はみことちゃんだ
宇佐美みこと
谷川すち
宇佐美みこと
宇佐美みこと
谷川すち
宇佐美みこと
谷川すち
暇ちゃんからLINEが来たのだろうか。最近は毎日連絡をしているらしい
宇佐美みこと
谷川すち
谷川すち
宇佐美みこと
谷川すち
宇佐美みこと
谷川すち
宇佐美みこと
谷川すち
谷川すち
宇佐美みこと
谷川すち
宇佐美みこと
谷川すち
文でも伝わってくる落ち込み感
宇佐美みこと
谷川すち
切り替えが凄い。流石みことちゃんだ。
誕生日前日ショッピングモールや花屋さん。色んな場所に行った
結局悩んだ末,花束とちょっとしたプレゼント。お手紙にした
不格好なラッピングに、センスのない花束。
語彙力の無い頭で必死に考え手紙の言葉を選んだ。
俺
その時だった
風が吹いて花束が飛ばされてしまったのだ
俺
俺
車
キキードンッ!
耳に響く車のカーブ音と共に俺は意識を失った
いるまくん
いるまがいきなり立った
らんくん
いるまくん
いるまくん
轢かれたってっ…
らんくん
血の気が引いた
らんくん
手術は数時間の出来事だったが俺には何年もな気がした
医者
らんくん
医者
らんくん
医者
しましたよ
みことくん
なつくん
医者
らんくん
手術が成功したのを知ると落ちてた気持ちが上昇するのが自分でもわかった
すちくん
らんくん
いるまくん
すちくん
すちくん
いるまくん
いるまくん
いるまが嗚咽混じりですちに喋った。
すちは優しい目でいるまを見つめて微笑んでいた
らんくん
すちくん
らんくん
誰…ですか?
こさめくん
みことくん
俺
医者
嘘だよね。嘘だ。嘘って言ってよ、
らんくん
なつくん
らんくん
なつくん
らんくん
らんくん
すちくん
らんくん
そうすちに宣言した俺。 唇が震えているのは誰にもバレてないだろう。
すちくん
みんなが帰ってすちがベットに潜った時にこさめから
『これすちくんが事故に遭った時からずっと握ってたらしいよ』
と言い、紙袋と花束を渡してきた
らんくん
らんくん
嘘だったの?
らんくん
らんくん
ブーゲンビリア あなたしか見えない
アイリス 恋のメッセージ
ピンクのすみれ 愛
黄色のスターチス 愛の喜び
マーガレット 真実の愛
らんくん
らんくん
息が出来なくなるほど静かに泣いた
でも泣くのは今日でおしまい
明日からは泣いたりなんてしないんだから
すちくん
らんくん
すちくん
すちくん
すちくん
らんくん
2人で意思疎通お絵描きをしたり
すちくん
らんくん
こんなに友情を深めても
後日には忘れ去られてる
それが辛くてどうも前向きになれない
すちも俺との思い出を思い出そうとしてくれてるみたいで毎日日記をつけている
けれど中々効果は出ないみたいだ
らんらんと過ごすようになってはや、5ヶ月
らんらんと一緒に居るといつも懐かしい気がするけれど その懐かしさがどこから来ているものなのかは今も謎だ
らんらんとは前、 知り合いだったらしいけど俺はらんらんのことを覚えていない
けど、なるべく思い出したいから日記を書く。
未だに効果は全くない
らんくん
俺
らんくん
らんくん
俺
らんくん
最近らんらんの様態が悪化したみたい
点滴で過ごすことが多くってたまには酷くて話せない日が続くぐらい
みことくん
なつくん
らんくん
こさめくん
いるまくん
らんらんが俺と距離を置き始めた
らんくん
らんくん
みことくん
らんくん
こさめくん
俺
らんらんはそのまま集中治療室に運ばれた
俺
なつくん
俺
深夜三時をまわったころ。
らんらんの専属医師が治療室から出てきた
俺
医者
助かりませんでしたッ……
みことくん
医者
らんらんはもうこの世から消えた。
俺
そう考える度に涙が出てきて
身勝手に暴走する
後日、色々手続きをすることになってみんなが帰った
俺はらんらんの事をまとめてたノートの空白ページを破りまくって
ただひたすら
大好きな人
らんらん
俺の恋人
大切な人
忘れるな
とか
赤嶺らん
200枚ほどの白紙に鉛筆を走らせ続けた
紙には汗と涙が入り交じって文字が所々滲んでいる
鳥の声で目が覚めた。
俺の机には二百枚くらいの紙が散らばっていて
その紙には大きな文字で
人の名前が書いてある
一番上に乗っていた紙に書いてあった文字は
赤嶺らん。俺の恋人。忘れないで
の文字だった
あれ
赤嶺らんって
誰だっけ、?
忘れたくない
… 𝗍𝗁𝖾 𝖾𝗇𝖽
コメント
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うえ……、尊すぎて死んじゃう……、、