児童相談所を出発してから約二時間
日曜日で道路が渋滞していて
私はいつの間にか眠ってしまっていた
それでもいっちゃんは
私の手をずっと握ってくれて
何度も優しく頭を撫でてくれていた
郁美
郁美
拓郎
郁美
気がつくと私は布団の中にいた
車の中で眠ってしまった私を
たっくんがここまで運んでくれたみたいだった
拓郎
美結
拓郎
私が不安にならないように
たっくんはずっと手を握ってくれていて
目が覚めて直ぐに感じたのは
たっくんの手の温もりだった
拓郎
郁美
美結
郁美
拓郎
美結
郁美
郁美
いっちゃんの声に小さく頷くと
いっちゃんはキッチンへ
引き続きたっくんがそばにいてくれた
今日からここが私の家
真っ白な天井
真っ白な壁
真新しいベッド
ふかふかのお布団
お布団からはとてもいい香りがして
すごく幸せな気持ちになったけど
拓郎
たっくんがいなくなるのが怖くて
美結
たっくんの手をぎゅっと握った
拓郎
拓郎
拓郎
それでもやってくる不安な気持ち
たっくんはちゃんとわかってくれて
拓郎
美結
私を抱き上げて連れていってくれた
郁美
拓郎
郁美
拓郎
郁美
拓郎
食卓に並べられたいっちゃんのごはん
できたてホカホカのごはんとお味噌汁
お弁当にはなかったコロッケ
美結
口の中いっぱいにコロッケを頬張って
拓郎
郁美
でも二人は怒らずに
優しく見守ってくれていた
私が一人にならないように
必ずどちらかがそばにいてくれて
手をぎゅっと握ってくれる
郁美
本当は三人で入りたかったけど
狭くて入れなくて
郁美
お風呂から上がってベッドに行くと
郁美
拓郎
三人で川の字になって眠った
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