嘘

俺は、遠くから君たちの様子を見てた

君たちがお互い好きなのは、なんとなくわかる

でも、俺も香苗との約束を守りたい

どんなことをしてでも香苗と香苗の好きな人との関係をきってもいいのか？

俺は、香苗には弱いようだ

こんなにもチャンスがあったのに気持ちを伝えてない

嘘でもいい

俺が今日も明日も香苗の彼氏だ

これでいいだろうか？

いっそのこと本当の彼氏になれたら良かったのに

なんか、今日は、やけに疲れたな

偽彼氏なんであんなふうに言ったんだろう？

別に迷惑なわけじゃなかったのに

連絡も少しだけ口説いてくるのも

結局、私優人に嘘なんてつけてないじゃん

なんだかんだいって、先輩が助けてくれた

これで、良かったんだ、優人ときっぱり別れるために

でも、今日、会ってくれた感謝ぐらいならいいよね？

私は、優人と別れて本当に良かったのだろうか？

こんなにあやふやな終わり方で私は、後悔しないのかな？

私は、いつからこんなにずるくなったんだろう？

たぶん、こんなことを考えている時点で私は、まだ好きなんだ

私は、時の流れに身を任せてみることにした

あれから、1ヶ月が経った

飴とクッキー、どっちを食べようか、それとも両方食べようか？

懐かしい声がした、

僕は声をかけられた方を向いて、

あ〜、そうだ

こんな感じの声だった

女性って感じの優しそうな声をしてたんだ

菜穂ちゃんは、僕の中学と高校の家庭教師だった

そして、兄の彼女だ

仲良くしなきゃとは思うけど兄の彼女だと思うと気まずくなってしまう

菜穂ちゃんは、僕の話を全く聞かず去っていった

相変わらず、自由な人だ