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#恋愛
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帝都の大通り・昼
ロゼリア
ロゼリア
大通りを走る馬車の窓からは、
女帝ロゼリア
冠を載せた“ロゼリア”が、民に手を振っている。
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリアは、人波のほうへ飛び出した。
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
歓声が、耳に刺さる。
群衆
群衆
ロゼリア
ロゼリア
誰も、白い少女には振り向かない。
女帝ロゼリア
見ているのは、馬車の上の“ロゼリア”だけ。
ロゼリア
石畳の上で、白い足がわずかによろめく。
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
──パリンッ
白い膝に、細いひびが入った。
さらに踏み出そうとロゼリアだが──
ロゼリア
足から力が抜ける。
ロゼリアは石畳に手をついてしまった。
ノエル
ロゼリア
“女帝”を乗せた馬車が遠ざかっていく。
ロゼリア
ロゼリアの視界が白く揺れた。
石畳も、馬車も、人波も、全部にじむ。
ロゼリア
ロゼリアの意識は、そこで途絶えた。
工房・昼
ロゼリア
気がつくとロゼリアは。
再び、工房で寝かされていた。
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
起き上がろうとした瞬間、膝に鋭い痛みが走る。
ロゼリア
グレッタ
ロゼリアが顔を上げる。
見知らぬ老女が、自分の体を押さえていた。
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
ロゼリアは息を止めた。
グレッタの横で、ノエルが銀糸を伸ばしていた。
ノエル
ロゼリアの右手首に、ノエルが糸を通し始める。
手首に走った白いひびの上を、銀色の細い糸が静かに走っていた。
ロゼリア
ノエル
ノエルはロゼリアの前にしゃがみこんでいた。
グレッタ
グレッタ
老女の言葉には妙な説得力があった。
ロゼリア
ロゼリアは一呼吸おいてから、再び口を開く。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
グレッタ
ノエル
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
静かになったロゼリアに、老女は目を細めた。
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
ノエル
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
ノエル
ロゼリア
ノエルはロゼリアの手首を取った。
ロゼリア
白い手首の内側に、髪の毛みたいに細い線が残っている。
ロゼリア
ノエル
ノエル
グレッタ
グレッタ
ノエル
ロゼリア
ノエル
ノエル
グレッタ
グレッタ
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリアは黙った。
怖い。悔しい。腹が立つ。
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ノエル
ノエル
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリアは息を荒くしたまま、ノエルを睨んだ。
でも、ノエルの顔には、戸惑いしかなかった。
本当に事情を知らないのだろう。
ロゼリア
ロゼリアの肩から、力が抜けた。
グレッタ
グレッタ
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
ノエル
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリアは返す言葉を失った。
馬車の窓の奥で笑っていた“わたし”の顔が、まだ頭から離れない。
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
ノエル
ノエル
ノエル
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
ノエルの指先が、ひびに沿って静かに動いた。
瞬間、ロゼリアが痛みに肩を強ばらせた。
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリアは唇を噛んだ。
直されないと立ち上がれない。
動くことすらままならない。
その事実がたまらなく惨めで、たまらなく悔しかった。
修復が終わり、グレッタが立ち上がった。
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
ロゼリアは息を呑んだ。
グレッタ
グレッタ
グレッタ
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
ロゼリアはノエルを見た。
ロゼリア
ノエルは少しだけ黙った。
ノエル
ノエル
ロゼリア
ノエル
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
ロゼリアは顔を上げた。
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
鼻で笑うグレッタの言葉に、ロゼリアは何も返せなかった。