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はじめに

この作品は

私が以前連載していた作品

お節介アゲハと 弱虫ヒナタ

この作品の 続編、スピンオフのような 作品となっております

前作をお読みいただければ 今作をより楽しめると思います

全41話という 結構な話数の長編となっていますが 決して裏切らないストーリーだと 自負しておりますので

もしよろしければ 前作をお読みになった後に 今作に戻って来ていただくと 嬉しく思います

では──

お節介アゲハと 弱虫ヒナタ 〜アルメリア〜

お楽しみください

鮎屋百貨店 レストラン

先輩

杏樹ちゃん!

先輩

それ片付け終わったら

先輩

今日はもう
あがっていいよ!

眞琴杏樹

え?でも、後少しくらい
残業できますけど?

先輩

ダメ!ダメ!

先輩

このあと学校あるでしょ?

先輩

こっちの事は
気にしなくていいから

先輩

学業優先しな?

眞琴杏樹

あ、はい・・・

眞琴杏樹

じゃあ、すいませんけど
お先にあがります・・

先輩

うん!学校
頑張りなね?

眞琴杏樹

はい♫

杏樹が外へ出ると 車が一台近づいてきた

その車から一人の男が降りて 杏樹に話しかける

鮎原透

杏樹ちゃん!

眞琴杏樹

あっ!鮎原さん!

鮎原透

もう終わったろ?

眞琴杏樹

は、はい!

眞琴杏樹

今終わったところです

鮎原透

さぁ!乗って!

鮎原透

学校行こう!

眞琴杏樹

はい!

眞琴杏樹

ありがとうございます

杏樹は笑顔で 鮎原が運転する車の 助手席に乗る

眞琴杏樹

なんかすいません

眞琴杏樹

いつもいつも
送ってもらっちゃって

鮎原透

まぁ、通り道だし

鮎原透

目的地も同じだからな!

眞琴杏樹

でも、なんか
申し訳ないです・・

眞琴杏樹

やっぱり、少しくらい
ガソリン代受け取って
もらえませんか?

鮎原透

いいっていつも
言ってるだろ?

眞琴杏樹

で、でも・・・

鮎原透

ついでなんだから!
気にすんなって!

鮎原透

別に杏樹ちゃんの為に
わざわざ遠回りしてる
訳じゃないんだから!

鮎原透

俺にガソリン代
払うくらいなら

鮎原透

お母さんに何か
買ってあげなよ

眞琴杏樹

・・・・・

杏樹は納得したような しないような複雑な心境になり 困惑した表情をする

鮎原透

ならこうしよう!

眞琴杏樹

え?

鮎原透

またこの前みたいに
ドライブ付き合ってよ

眞琴杏樹

鮎原さん・・・

鮎原透

それでどう?

眞琴杏樹

は、はい!喜んで!

鮎原透

よし!そうしよう!

鮎原透

でもなんか最近
明るくなったね?

眞琴杏樹

そ、そうですかね?

鮎原透

ホラ!この前
同窓会に行って
揚羽に会ったろ?

眞琴杏樹

は、はい・・・

鮎原透

なんかあの日以来
明るくなったよ!
杏樹ちゃん!

眞琴杏樹

そ、そんな事
無いと思いますよ

眞琴杏樹

普通ですよ!普通

鮎原透

そうかなぁ?

季節は4月 杏樹と透は4年生となり

卒業まで残すところ 後1年となっていた

しかし杏樹は相変わらず 透に想いを伝えれずにいた

同窓会の会場で 奏星と美咲に背中を押されたが

やはり、中学生の頃しでかした 凛太郎へのストーキング

そして奏星や綾星を巻き込んだ 例の監禁騒動が脳裏をよぎり

気持ちを伝える事が出来ずにいた

透もまた、杏樹の気持ちに 気づいてはいるが

中学生の頃に一人の後輩を 自殺未遂に追い込んでしまった事

そして龍也や美咲を巻き込んだ 例の一件が頭をよぎり 気持ちを受け入れる事が 出来ずにいた

そんな時、透は 父親であり社長である拓郎から 社長室に呼び出されていた

鮎原透

研修・・ですか?

鮎原拓郎

ああ・・・

鮎原拓郎

今期からアルバイトの
人材育成にも

鮎原拓郎

力を入れる事が
決定してな!

鮎原拓郎

はじめに長野の店舗から
ゴールデンウィーク期間に

鮎原拓郎

本店へ2名、人間を研修に
向かわせる事にしたんだ

鮎原透

それが俺と
杏樹ちゃんですか?

鮎原拓郎

ああ、そうだ

鮎原拓郎

透も来年卒業だろ?

鮎原透

は、はい・・・

鮎原拓郎

このまま、なんの問題も
起きる事なく卒業出来れば

鮎原拓郎

約束通り、お前の
勘当を取り消す

鮎原透

・・・・・

鮎原拓郎

眞琴さんも、高校を
卒業した後も

鮎原拓郎

ウチで働きたいと
言ってくれている

鮎原拓郎

未来の鮎屋を
背負って立つ若者を
育成したいんだよ

鮎原透

社長・・・

鮎原拓郎

しかし、これは
強制では無い

鮎原拓郎

まぁ、お前は
もちろん強制だがな

鮎原透

ま、まぁ、でしょうね

鮎原拓郎

だが、眞琴さんは別だ

鮎原拓郎

眞琴さんが
行きたく無いと言うなら

鮎原拓郎

別の人間を向かわせる

鮎原拓郎

向かう先が本店だしな

鮎原透

なら、俺から
杏樹ちゃんに話しますよ

鮎原透

今日、学校で会いますから

鮎原拓郎

ああ、頼んだ

鮎原透

わかりました・・・

長野県紅葉学園高校 定時制棟

教室では杏樹が クラスメイトである 虹山愛莉(にじやまあいり)と

葛城絵里香(かつらぎえりか)の3名で 楽しげに談笑していた

虹山愛莉

ねぇ!杏樹!

眞琴杏樹

ん?なに?

虹山愛莉

最近毎日鮎原さんと
一緒に登校してるよね?

眞琴杏樹

ま、まぁ、う、うん

眞琴杏樹

し、してるけど・・

眞琴杏樹

それがどうかしたの?

虹山愛莉

いや、だからどうって
訳じゃないんだけど

虹山愛莉

もしかして鮎原さんと
付き合ってるのかなって

眞琴杏樹

べ、別にそういう
関係じゃ無いよ

葛城絵里香

うっそだぁ!

眞琴杏樹

違うってば!

葛城絵里香

だったら何で
こうも毎日一緒に
登校してんの?

眞琴杏樹

だから、その・・・

眞琴杏樹

鮎原さんの通り道
だから一緒にって・・

虹山愛莉

いやいや!
それだけの理由で

虹山愛莉

毎日一緒に登校する?

眞琴杏樹

い、いや、それは・・

ガラガラ

杏樹がクラスメイトの言葉に 困惑していると 透が教室に入ってきた

眞琴杏樹

(あ、鮎原さん・・)

鮎原透

杏樹ちゃん!

虹山愛莉

あ!噂をすれば!

葛城絵里香

ホラ!愛しの鮎原さんだよ!

眞琴杏樹

だからやめてってば!

鮎原透

あ、取り込み中だった?

眞琴杏樹

あ、いや、大丈夫ですよ

眞琴杏樹

どうかしたんですか?

鮎原透

実はちょっと
話したい事があってさ

眞琴杏樹

話したい事?

鮎原透

仕事の話なんだけど

鮎原透

今・・時間あるかな?

眞琴杏樹

は、はい!大丈夫ですよ

眞琴杏樹

すぐ行きますね!

鮎原透

じゃあちょっと
来てくれる?

眞琴杏樹

はい、分かりました

葛城絵里香

杏樹って
分かりやすく過ぎ

虹山愛莉

それな!

虹山愛莉

あれは絶対に
鮎原さんの事好きだよね

虹山愛莉

でも何であんな頑なに
否定するんだろ?

虹山愛莉

なんか理由あんのかな?

葛城絵里香

確か過去に色々
あったらしいよ

虹山愛莉

過去?鮎原さんと?

葛城絵里香

いや、そこまで
詳しくは知らないけど

葛城絵里香

聞いても
教えてくれないんだよね

虹山愛莉

いや、無理に
聞こうとするな!

虹山愛莉

杏樹だって知られたく
無い過去のひとつや
ふたつあるっしょ!

葛城絵里香

まぁ、そりゃ
そうだけどさ・・

眞琴杏樹

け、研修?

杏樹は透の口から鮎屋本店での 研修の話を聞かされた

鮎原透

ああ、そうなんだよ

鮎原透

ゴールデンウィーク期間に

鮎原透

2泊3日の研修が
あるらしいんだ

眞琴杏樹

まぁ、その期間なら
学校も休みですもんね

眞琴杏樹

でも私・・・
アルバイトですよね?

眞琴杏樹

アルバイトでも
研修ってあるんですか?

鮎原透

なんか今期から
アルバイトの
人材育成にまで

鮎原透

手を出したいらしくてさ

鮎原透

面倒臭いけど
急遽決まったらしいんだ

眞琴杏樹

そうなんだ・・・

鮎原透

で!うちの店舗から
本店にふたりの人間を
向かわせたいらしくて

鮎原透

その候補として
俺と杏樹ちゃんの名前が
あがってんだよね

眞琴杏樹

でも、何で私なんですか?

眞琴杏樹

鮎原さんは、その
社長の息子さんですし

眞琴杏樹

候補に選ばれるのは
分かりますけど

鮎原透

まぁ、ホラ!
杏樹ちゃんは特に
よく働いてくれてるし

鮎原透

卒業した後もこのまま
働きたいって言ってたろ?

眞琴杏樹

は、はい・・・

鮎原透

だから白羽の矢が
たったって
感じみてぇなんだ

眞琴杏樹

そうだったんですね

鮎原透

どうする?行く?

鮎原透

嫌なら別に──

眞琴杏樹

何でそんな事
聞くんですか?

鮎原透

え?何でって・・

眞琴杏樹

だって別に嫌なんて
言わないのに

鮎原透

いや、ホラ、あれだよ

鮎原透

本店って言えば
揚羽やら和久井が
住んでる霞町駅だし

鮎原透

気まずいかなってさ

眞琴杏樹

ぷっ

鮎原透

何笑ってんだよ!

鮎原透

笑い事じゃねーから!

眞琴杏樹

あ、ごめんなさい

眞琴杏樹

別に馬鹿にした訳じゃなくて

眞琴杏樹

鮎原さん・・優しいなぁって

鮎原透

っ・・・

眞琴杏樹

お気遣い
ありがとうございます

眞琴杏樹

でも私は大丈夫ですよ!

眞琴杏樹

この前鮎原さんに
同窓会に連れて
行ってもらった時に

眞琴杏樹

色々、なんというか
和解的なの、出来ましたから

鮎原透

そっか、ならよかった

鮎原透

ならOKって事で
社長に話して大丈夫?

眞琴杏樹

はい!大丈夫です!

鮎原透

わかった!

鮎原透

話はそれだけだから

鮎原透

悪かったな!せっかく
友達と話してたのに
邪魔しちまって

眞琴杏樹

い、いえ、そんな事・・・

鮎原透

じゃあ、そういう事だから

眞琴杏樹

はい!わかりました

眞琴杏樹

(お泊まり研修か・・・)

眞琴杏樹

(ちょっと楽しみ)

それから数日後

本店研修を数日後に控えた頃 とある問題が発生していた

鮎原透

はぁ?それ本当ですか?

鮎原拓郎

ああ・・・

鮎原拓郎

そうなんだ・・・

鮎原透

今から別々にするとか

鮎原透

他のホテル予約するとか
出来ないんですか?

鮎原拓郎

私も色々と
問い合わせてみたんだが

鮎原拓郎

あいにくの時期のせいで
どこのホテルも満室でな

鮎原拓郎

手配ができなかったんだ

鮎原透

本店の人事の人間は
何やってるんですか

鮎原拓郎

本当にすまないな・・

鮎原透

よりにもよって

鮎原透

研修期間に
宿泊するホテルの部屋が

鮎原透

俺と杏樹ちゃんが
同じ部屋なんて!

鮎原透

杏樹ちゃんに
なんて言えば・・・

鮎原拓郎

間違えるなと
私からも前もって
言ってあったんだがな

鮎原透

はぁ〜・・・

鮎原拓郎

とりあえず、眞琴さんには
出勤したらココに来るように
伝えてあるから

鮎原拓郎

この先のことは
眞琴さんが出勤してから
詳しく話し合おう

鮎原透

は、はい、そうですね

その後、出勤してきた杏樹に 拓郎の口から事情が説明された

眞琴杏樹

鮎原さんと私が・・

鮎原拓郎

本当に申し訳ない

深々と頭を下げる拓郎

眞琴杏樹

いや、社長さん!
やめてくださいよ!

眞琴杏樹

頭下げるなんて

鮎原拓郎

いや、今回の不手際は
私の監督不行届だ

鮎原拓郎

本当に申し訳ない

眞琴杏樹

・・・・・

鮎原透

だからさ、杏樹ちゃん

鮎原透

こんな事が
起きちまったから

鮎原透

今回の研修の話は
一旦白紙に戻す事に──

眞琴杏樹

あ、待ってください

鮎原透

ん?どうかした?

眞琴杏樹

私──

眞琴杏樹

私は別に鮎原さんと
同じ部屋でも構いませんよ

鮎原透

はぁ?何言ってんだよ!
杏樹ちゃん!!

鮎原拓郎

いや、それはさすがに

眞琴杏樹

あれ?鮎原さん

眞琴杏樹

もしかして私に
変な事するつもり
なんですか?

鮎原透

何言ってんだよ!

鮎原透

今はそういう話を
してる時じゃ──

眞琴杏樹

だって私──

眞琴杏樹

もっと色々
勉強したいんです

鮎原拓郎

眞琴さん・・・

鮎原透

杏樹ちゃん・・・

眞琴杏樹

もっともっと──

眞琴杏樹

いろんな仕事が
出来るように
なりたいんです!

眞琴杏樹

で、ですから、その

眞琴杏樹

私・・研修に行きたいです

眞琴杏樹

やらせてください!
社長さん!

眞琴杏樹

お願いします

鮎原透

・・・・・

鮎原透

社長!俺からも
お願いします

透は拓郎に深々と頭を下げる

鮎原拓郎

お前まで何を──

鮎原透

鮎屋の為に、ここまで
考えてくれてるんです
杏樹ちゃんは!

眞琴杏樹

鮎原さん・・・

鮎原透

鮎屋がここから
更に大きくなる為には

鮎原透

こういう杏樹ちゃんのような

鮎原透

熱意がある従業員の
育成は必須だと思います

鮎原拓郎

透・・・

鮎原拓郎

お前は口から
そんな言葉が聞けるとはな

鮎原透

ですからそんな杏樹ちゃんの
気持ちを尊重したいんです

鮎原透

ですから
どうか!お願いします!

眞琴杏樹

お願いします!

拓郎に深々と頭を下げる 杏樹と透

鮎原拓郎

うー・・ん

鮎原拓郎

社長として従業員の
身の安全を第一に
考えなくてはならない

鮎原拓郎

しかし、鮎屋の為に
こんなに考えてくれている
君達の気持ちを

鮎原拓郎

無碍にすることもできない

鮎原透

社長・・・

鮎原拓郎

わかった!

鮎原拓郎

人事には私から
話をしておく

眞琴杏樹

ありがとうございます

鮎原拓郎

それと、透・・・

拓郎は真剣な眼差しで 透を見つめる

鮎原透

な、なんですか・・・

鮎原拓郎

分かっているとは思うが

鮎原拓郎

間違っても眞琴さんに
手なんか出すなよ?

鮎原透

杏樹ちゃんの前で
何言ってるんですか!

鮎原透

しませんよ!

鮎原拓郎

お前には前科があるからな

鮎原透

う・・・

眞琴杏樹

大丈夫です!社長さん

眞琴杏樹

鮎原さんは私の事──

眞琴杏樹

大事にしてくれてますから

鮎原透

(杏樹ちゃん・・・)

鮎原拓郎

そうか・・・

鮎原拓郎

まぁ、眞琴さんが
そこまで言うなら
信じよう

休憩中

透は厨房奥の休憩スペースで タバコを吸っていた

鮎原透

ふぅー・・・

そこに菓子パンと コーヒーを手にした 杏樹が入ってきた

眞琴杏樹

あ、鮎原さん・・・

鮎原透

おう!杏樹ちゃん!
今休憩?

眞琴杏樹

はい、そうですけど

眞琴杏樹

鮎原さんは
タバコ休憩ですか?

鮎原透

人聞きの悪いこと言うなよ

鮎原透

今の時間は
れっきとした休憩時間だよ

鮎原透

俺はタバコは
休憩時間中しか
吸わねーよ

眞琴杏樹

ふふ、分かってますよ

眞琴杏樹

ちょっとした冗談ですよ

鮎原透

てか杏樹ちゃん
またパンか?

鮎原透

まかない
食べればいいのに

眞琴杏樹

ここのまかない
高いんですもん

眞琴杏樹

勿体無いじゃないですか

鮎原透

まぁ、確かにな・・・

鮎原透

無駄に高いよな

眞琴杏樹

無駄とか言わない!

鮎原透

はい!はい!
すいません

眞琴杏樹

ふふふ

鮎原透

でも本当に良かったのか?

眞琴杏樹

え?

鮎原透

研修の話だよ

鮎原透

無理しなくて
よかったんだよ?

眞琴杏樹

無理なんてしてませんよ

眞琴杏樹

私・・行きたかったから

鮎原透

そっか・・・

眞琴杏樹

やらしい事
したらダメですよ?

鮎原透

だからしねーってば!

眞琴杏樹

ふふふ

眞琴杏里

研修?

杏樹は、母である杏里に 本店での研修の件を説明していた

眞琴杏樹

うん!なんか
人材育成の為の
研修なんだってさ

眞琴杏里

アルバイトでも
研修があるなんて

眞琴杏里

さすがはあの鮎屋ね!

眞琴杏樹

私は行きたいって
言ったんだけど

眞琴杏樹

行ってきてもいいかな?

眞琴杏里

行っちゃダメなんて
お母さん言わないわよ

眞琴杏里

行ってきなさい!

眞琴杏里

せっかくなんだから

眞琴杏里

こんな機会
滅多に無いわよ?

眞琴杏樹

うん・・・

眞琴杏里

でも、本店って
あの霞町駅に行くのよね?

眞琴杏樹

ま、まぁ、う、うん

眞琴杏里

杏樹、大丈夫なの?

眞琴杏里

だってその街には
その、凛太郎くんや
奏星さんがいるんでしょう?

眞琴杏樹

まったくお母さんは
心配性なんだから

眞琴杏樹

この前話したじゃん!

眞琴杏樹

鮎原さんのおかげで
和解できたって

眞琴杏里

ああ、そうだったわね

眞琴杏樹

だから大丈夫だよ!

眞琴杏樹

私のことは
心配しなくていいから

眞琴杏樹

ね?お母さん

眞琴杏里

うん、そうね・・・

眞琴杏里

でも2泊3日なら
どこかに泊まるの?

眞琴杏樹

うん。本店の人が
前もって予約してくれた
ホテルに泊まるの

眞琴杏樹

なんか旅費も
会社持ちらしいよ

眞琴杏里

ひゃー!やっぱ
鮎屋は凄いわね

眞琴杏里

確か鮎原さんも
一緒に行くのよね?

眞琴杏樹

うん。そうだよ

眞琴杏樹

私ひとりだけだったら
心細かったんだけど

眞琴杏里

まぁ、それなら
安心ね!

眞琴杏樹

お土産買ってくるね

眞琴杏里

ふふふ、そんな気遣い
いらないわよ

眞琴杏里

親子なんだから

眞琴杏樹

えへへ

眞琴杏里

(杏樹もすっかり
元気になってくれたわね)

眞琴杏里

(私たちの関係も
渚沙さんや志津香さんの
おかげで修復できたし)

眞琴杏里

(感謝してもしきれないわ)

眞琴杏樹

なんか嬉しそうだね?

眞琴杏里

え?そうかしら?

眞琴杏樹

うん。めちゃ笑顔だよ

眞琴杏里

まぁ、杏樹が
楽しそうなのが
嬉しいのよ

眞琴杏樹

何それwww

眞琴杏樹

変なのwww

それから数日経過し

ゴールデンウィーク

人酔いしそうになる程に ごった返す人ごみをかき分け 杏樹と透は駅に降り立った

霞町駅

鮎原透

やっと着いたな

眞琴杏樹

はい・・・

眞琴杏樹

てか人多すぎません?

鮎原透

まぁ、なんつっても
ゴールデンウィークだからな

鮎原透

世間様は連休かぁ・・

鮎原透

毎年思うけど
仕事してる俺らって

鮎原透

一体何なんだろうな

眞琴杏樹

それ言わないでください

眞琴杏樹

虚しくなっちゃいます

眞琴杏樹

まぁ、でも
仕方ないですよね

眞琴杏樹

サービス業って業種は

眞琴杏樹

休みなんて
あって無いような
もんですからね

鮎原透

まぁ、そうだな

眞琴杏樹

それより時間って
大丈夫ですか?

鮎原透

まだ大丈夫じゃね?

透は腕時計で 時間を確認する

鮎原透

まだ1時間前だな

眞琴杏樹

あんまり早く着いても
迷惑ですよね?

鮎原透

だな・・・

鮎原透

ならどっかで適当に
腹ごしらえでもするか?

眞琴杏樹

そうしましょ!

眞琴杏樹

私お腹すいちゃった

鮎原透

じゃあ行くか!

眞琴杏樹

はい!!
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