/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
ユウスケ
おーい、生きてるかあ？
ユウスケ
既読スルーすんなよ
アラタ
悪い、死んでた
ユウスケ
おっ、生きてたか！
アラタ
だから死んでるって
ユウスケ
なあ、一緒に海の家でバイトしようぜ！
ユウスケ
夏だし、彼女ほしくね？笑
アラタ
なんか元気そうだな
ユウスケ
つーか、暗いな
アラタ
そっちはどんな感じ？
ユウスケ
まあ、いつも通り
ユウスケ
普通の家族だよ
ユウスケ
それよりお前すげーじゃん
アラタ
何が
ユウスケ
聞いたぞ！
ユウスケ
天馬家は最高の環境なんだろ？
アラタ
あー最初はそう思ってたんだけどさ
アラタ
今はちょっと
ユウスケ
何だよ
アラタ
いい加減エリート教育に嫌気が差してきた
アラタ
夏休みだってのに、家庭教師がやって来て
アラタ
毎日、勉強漬けなんだぞ
ユウスケ
そんくらいいいじゃん
ユウスケ
何不自由ない生活は保証されてるんだし
ユウスケ
母ちゃんも美人なんだし笑
ユウスケ
3年間だけ頑張れ
アラタ
だったら代わってくれよ
ユウスケ
それは無理だな
ユウスケ
妹が超かわいいから代わりたくない笑
アラタ
え、マジで妹だったの？
ユウスケ
マジ笑
アラタ
変な気を起こすなよ？笑
ユウスケ
正直彼女とか作らないとやばい笑
アラタ
おい！笑
ユウスケ
つかお前も兄弟いるって言ってなかった？
ユウスケ
どんな感じ？
アラタ
（あれ？そういえば…）
アラタ
まだ見てない
ユウスケ
どゆこと？笑
トントントン
アラタ
！！
絵里子
アラタ君、入るわよ
絵里子
家庭教師の先生は帰ったの？
アラタ
うん、もう帰ったよ
絵里子
あら、せっかくコーヒーとケーキ持ってきたのに
絵里子
勉強ははかどってる？
アラタ
まあ、ぼちぼち
絵里子
お友達も大事だけど、スマホはほどほどにね
絵里子
勉強さぼってたこと
絵里子
お父さんにバレたら、没収されちゃうわよ
アラタ
お願いっ、このことは
絵里子
ふふ、仕方ないないわね
絵里子
今回は大目に見てあげる
アラタ
ありがとう
絵里子
そうだ。良い事、教えてあげる
絵里子
編入試験に受かったら、ご褒美はハワイ旅行だって
アラタ
ホントに？俺、海外行くの初めてだよ！
絵里子
ご褒美のためにも頑張るのよ
絵里子
ねえ…アラタ君
絵里子
どうしてあなたが私たちの『子供』に選ばれたのか知ってる？
アラタ
どうって…法律だからでしょ？
アラタ
3年ごとに親と子を入れ替えて
アラタ
未成年の犯罪を未然に防ぐために
絵里子
表向きはそう言われてるわね
絵里子
でもね、それは建前
絵里子
様々な家庭を経験させて子供の視野を広げる…なんて
絵里子
大人にとってはいい迷惑じゃない？
アラタ
それは…確かに
絵里子
ここだけの話だけどね
絵里子
この法案の成立当時は反対意見も多かったの
アラタ
まあむちゃくちゃだもんな笑
絵里子
だから政府は『問題が起きないための考慮』をした
アラタ
…ごめん、お母さん
アラタ
意味がよく…
絵里子
『適正テスト』ってあるでしょう？
アラタ
うん、3年ごとに受けてるよ
絵里子
あれで性格や趣味嗜好のデータを集めて
絵里子
近い人間を抽出して組み合わせてるのよ
絵里子
つまり…
家族は『似た者同士』で形成される
絵里子
だからね、あなたは『特別な子』なのよ
絵里子
この天馬家の一員として『選ばれた人間』
アラタ
選ばれた人間…
アラタ
（なんか…いい響きだな）
アラタ
（この間までは平凡な高校生だったのに…）
アラタ
（心がくすぐられるような…優越感）
アラタ
（…ユウスケの言う通りかもな）
アラタ
（この厳しいエリート教育もたったの3年だ）
アラタ
（割り切って過ごせばいい）
絵里子
じゃ、夕食の時間に呼びに来るわね
アラタ
あっ、そうだ！ちょっと聞きたいことがあって
アラタ
俺の兄弟のことだけど…
絵里子
えっ？
アラタ
3年ごとに、『新家族の日』の少し前に届く
アラタ
家族入れ替えの通知書には…
『もう1人の子供』が記載されていた
アラタ
俺の兄弟っているの？
アラタ
まだ会ったことないけど
絵里子
えっと…そうそう
絵里子
言うのを忘れてたけど、ちょっとした手違いがあったみたい
アラタ
手違い？？
絵里子
もう1人の子はキャンセルになったから…
アラタ
本当は『もう1人の子供』が来る予定だったの？
アラタ
それって『弟』？『妹』？
絵里子
…詳しいことはわからないの
絵里子
今度、お父さんに聞いておくわね
アラタ
そっか…わかった
アラタ
（…お母さんの様子が変な気がする）
アラタ
（なんだか腑に落ちない…）
まるで…
何かを隠しているような…
アラタ
…考えすぎか
アラタ
（たぶん勉強のし過ぎなんだ）
アラタ
（少し庭でも散歩しよう）
アラタ
（それにしても広い庭だなあ～）
アラタ
ん？なんだあれ？
広大な敷地の端にポツンと建つ家
アラタ
（そういえば、使用人の山辺さんは）
アラタ
（敷地内にある『離れ』に住んでるって言ってたな）
アラタ
（あれがその『離れ』か…）
アラタ
ん？誰かいる…
敷地内を歩く少女の姿
アラタ
…………
あの子は一体 誰なんだろう？
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
