陸人
……百合さん
陸人
いますか?
百合
ここだよ
百合
ここ
陸人
あ、いた笑
陸人
カーテンに隠れてたら分からないですよ笑
百合
……ごめん
百合
本当に来てくれたんだね
陸人
もちろんです
陸人
先生も呼びましたから
陸人
待ちましょう?
百合
……うん
5分後
修
陸人
陸人
あ、先生!
修
話ってなんだ?
陸人
急なんですけど
陸人
先生、百合さんって知ってますか?
修
百合……生徒の名前か?
陸人
いえ
陸人
先生が高校の時の同級生です
修
……ああ!
修
あいつか
修
って、何でお前が知ってるんだ?
陸人
ちょっとした事情で
修
……そうか
陸人
百合さんのこと、どう思ってましたか?
修
何でお前に言わなきゃならない
陸人
お願いします
陸人
教えてください
修
……色恋の話はあまり好まないんだが
陸人
お願いします
修
……はぁ
修
……好きだったよ
修
ただ、友達としてだ
修
恋愛的な意味では見れなかった
陸人
……そうですか
修
なぁ
修
百合をどうして知ってるのか、教えてくれないか?
陸人
馬鹿にしませんか?
修
ああ
陸人
俺、見えるんですよね
陸人
幽霊
修
そういう事か
修
だよな
修
悪い
修
百合が死んだのは俺が高校2年の時だったから
修
不思議に思ったんだ
陸人
……そうだったんですね
修
……百合、ここにいるのか?
陸人
はい
陸人
そこのカーテンに隠れてます
修
そうか
修
……なぁ、百合
修
実は俺、百合が俺に好意を抱いてくれてたこと、知ってた
修
まぁ、そういう雰囲気がするってだけだったけど
修
でもやっぱり俺
修
お前のこと、友達としか見れない
修
気持ちに答えられなくてごめんな
修
俺のことを好きになってくれてありがとう
陸人
……ですってよ
陸人
百合さん
百合
……そうだったんだ
百合
振ってくれてありがとう
百合
これで未練なく逝ける
百合
って
百合
伝えてくれる?
陸人
『振ってくれてありがとう』
陸人
『これで未練なく逝ける』
陸人
って
陸人
言ってます
修
そうか
修
陸人
修
ありがとうな
修
俺、幽霊とか結構信じてる方だからさ笑
陸人
そうだったんですね笑
修
……じゃあ俺、職員会議あるから
修
また、授業でな
陸人
はい
修
……百合、さようなら
ガラガラ……パタン
百合
ありがとう
百合
これで心置きなく逝ける
百合
本当に
百合
ありがとう
陸人
……あの
陸人
俺じゃ駄目ですか?
百合
……うん
百合
駄目
陸人
……そうですか
百合
ごめんね
百合
好きになってくれてありがとう
百合
じゃあ、そろそろ逝くね
百合
元気で
陸人
……はい
陸人
さようなら
陸人
(俺の初恋も)
陸人
(さようなら)