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知人なのに、二人の正体が分からない。謎の残る所が良いですね!おもしろかったです😆
人ならざる者が人に紛れて活動するのめちゃくちゃ好きです( ´ ཫ ` )
小僧
小僧が指したのは天井の梁であった
見たところでなにもない
飲むような暗闇があるばかりだ
私
小僧
小僧
小僧
私
やはり見えぬ
さてはからかっておるのかと思い
小僧を見返った
しかし、そのような目付きでもない
私
小僧
私
小僧
小僧
小僧
再度問われ、困窮する
一尺もあれば、さすがに 見えてしかるべきだ
その上、動いているという
これはいよいよおかしな話だった
私
小僧は知人の連れてきた子であった
もともと、諸用で訪ねてきたのだが
少しばかり出てくると言ったまま
この小僧を置いていってしまった
そんな折、 見えぬものが見えると言う
さしもの私も困ってしまった
すると、小僧はきょとんと首を傾ぐ
小僧
小僧
小僧
小僧
小僧
小僧
小僧
私
確かに、私の刀はいつも柄が湿気っている
天日に干そうと、風に晒そうと いっこうに乾かぬので
もはやそういう糸なのだと 思い込んでいた
しかし犬が憑いているという
するととたんに、 気味の悪い妖刀に思えた
私
小僧
私
小僧
小僧
確かに、一理ある
先祖が犬を斬ったといい、 その犬が憑いている
ならば謝罪か、慰安が適切か
私
小僧
小僧
小僧
私
ほうと、安堵の息が出る
刀の件はまぁよしとする
しかし問題は、 聞くだに気味の悪い目玉の件だった
私
小僧
私
小僧
私
しかし、それではこの居心地の 悪さをなんとしようか
そう思ったときだった
小僧
小僧が声をあげた
小僧
私
小僧
私
訪ねても、小僧は天井を見上げ 答えもしない
これはなにか起こったかと 身構えたとき
大きな音をたてて引き戸が開いた
知人
知人
私
私
私
私
知人
知人
私
知人
知人
知人
知人
知人
知人
私
知人
知人
知人
知人
私
私
私
私
狼狽し、問い詰める私の言葉に
知人は静かに笑んだだけだった
だが我が家を出て歩きだした 二人を見送る
私の目に映ったのは
斬って捨てたと言った 血まみれの目玉を
手のひらに開いた 大きな口から食らう
得体の知れない小僧
そしてそれをにこやかに見る
額に角のある男の姿だった