四人神様への顔合わせ
それから数日が経過した
少しずつ仲良くなれるようにと
初代様はよく神の使いに護衛を任せていた
……信頼されていると、思っていいのだろうか
少なくとも、風の神の使いとして
2代目様をお守りする
それが、俺の使命だ
そして、それは思ったよりも早く訪れた
風魔
風魔
後ろから、誰かにつけられているのは薄々感じていた
だが、2代目様を影から守っている人の可能性が否定出来なかった
だからそのまま放置していたら、この有様である
相手は奇襲に失敗したのを悟ると、そそくさと帰って行った
桃香
風魔
桃香
桃香
風魔
風魔
風魔
……何を、言っているんだろう
俺は2代目様を守っただけなのに
その本人がこっちの心配?
……何がしたいんだ?この人は
桃香
風魔
桃香
ぐいっと怪我をしていない方の腕を引っ張られて、びっくりする
桃香
風魔
……本当に、なにがしたいんだ?この人
桃香
風魔
桃香
桃香
風魔
そう言ってそそくさと部屋から出ていく2代目様
……沙羅の巫女ともなる高貴な方が
神の使いとはいえ、知り合って数ヶ月の人間を家に入れていいのか
そんなことを思いつつ
なんで俺ここにいるんだろう…なんて思いながら待っていた
2代目様は思ったよりも早く帰ってきて
息付く間もなく俺の手当を始めた
……これくらい、別にそんな大袈裟にならなくても
というのが、俺の本音である
早く帰りたい……
そんなことを思っていたら
雰囲気から滲み出ていたのか
2代目様が、ぽつぽつと話を始めた
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
風魔
使い捨ての道具だと思われない為、だろうか?
世間から仲間を使い捨ててると思われたくないから、だろうか?
だとしたら少し薄情だな
それとも、体を張って守られた後の
世間からの目が怖いのか
それくらい、臆病なのか
俺には、どっちか分からなかった
故に、黙ってることしか出来なかった
それから数日
神の使いとしての修行はどんどん過酷になっていく
他の神の使いも皆疲れていて
それでもこの力が未来に繋がると信じてやるしかない
そんな中、誰が倒れてもおかしくなかった
そう、誰が倒れても
だから、目の前で2代目様が倒れた時も
そりゃ、そうなるよな
としか、思えなかった
未門
美愛
沙樹
美愛
未門様が抱え、その他の四人神様が慣れた手つきで介抱していた
他の神の使いは、俺含めおろおろしてるだけ
まぁ、俺に関しては四人神様が居ればいいだろと言うのが感想だ
……そもそも、この方々も強いのだ
自分では勝てないほどに
それに、俺達よりも2代目様と仲もいい
……なら、俺達神の使いが居る意味は?
そんな、強い疎外感を感じた瞬間だった
誰かが最期のその瞬間まで
2代目様を守っていればいい話で
それは、俺じゃなくてもいい訳で
……俺達が、選ばれた理由は?
ここに、存在する理由は?
そんな考えがぐるぐる回る中
桃香
なんて呟いて
立とうとする2代目様が
……不敬な話、強がってるようにしか見えなくて
それが、1周まわって
なんとなく、哀れだった
四人神様との明確な差を感じてから
なんとなく、2代目様に会う気にならなくて
仕事だと言うのに、避けてしまっていた
そのツケが回ってきたのか
俺は初代様に呼び出されてしまった
何かやらかした記憶もない
となれば、神の使いを外されるのか
とにかく、覚悟だけはしておかなければならない
……何せ、この八大陸で1番権力があるのは
この、沙羅家初代巫女様なのだから
風魔
沙羅家初代巫女
凛とした、響く声が届く
風魔
沙羅家初代巫女
沙羅家初代巫女
風魔
風魔
沙羅家初代巫女
沙羅家初代巫女
風魔
沙羅家初代巫女
沙羅家初代巫女
風魔
なんか、不思議な感覚だ
あんまり、言われた事がない言葉だ
風魔
沙羅家初代巫女
沙羅家初代巫女
風魔
母のことは、そんなに知らなかった
故に、黙ることしか出来なかった
沙羅家初代巫女
沙羅家初代巫女
沙羅家初代巫女
沙羅家初代巫女
沙羅家初代巫女
沙羅家初代巫女
風魔
あぁ、なるほど
そういうことか
初代様直々に、よろしくねと言うことは
もう、この役目からは逃げられないのか
なるほど、そのために呼んだのか
わざわざ褒めるだけというのも変な話だと思ったらそういう事か
腑に落ちた
沙羅家初代巫女
風魔
何の話だ?
……まぁ、いいか
とりあえず、この役目から逃げるなよ
そういう話だったのか
風魔
風魔
そして、この数日後
俺は初代様の言葉の意味を理解するのだ
コメント
3件
改めて昔から桃香さんは仲間想いで優しい子だったって伝わってくるお話だった……🥲✨ まだ桃香さんを完全に理解していないから風魔さんの態度が冷たく感じるところもあるけど、神の使いとしての使命は果たそうとするところは今も昔も変わらないんだね……!! え!?数日後何が起きるんだ!?