アキ
あら
アキ
ハル、メガネはどうしたの?
アキはハルの顔を覗き込む
ハル
あ
ハル
厨房に行く途中で転んでフレームが歪んでしまって…
アキ
慌てると危ないと言ったのに…
ハル
ごめんなさい…お姉様…
ハルは顔を曇らせてうつむく
アキ
私はハルに痛い目にあって欲しくないの
アキ
いい子だからわかるわよね?
アキはハルの先程転んでできたであろう 鼻先の傷をそっと撫でる
ハル
はい…
アキ
手も見せてごらんなさい
ハルはそっと手を差し出す
アキ
切り傷がいっぱいね
アキはハルの指に口付けをする
ハル
あわわ…お姉様っ…
ハル
き、汚いです…っ
アキ
汚くないわ
アキ
それにハルの指からもアップルパイのいい香りがする
ハル
…っ
アキ
ふふ、美味しそう
アキはハルの指に舌を沿わせる
ハル
ひゃっ…
ハルはビクッと身体を震わせる
ハル
(傷口を舐められて少し染みる)
アキ
痛い?
ハル
フルフル…(無言で首を振る)
アキ
そう
アキ
こんなに傷をいっぱいつくって
アキ
私のために頑張ってお料理してくれたのは嬉しいけど
アキ
もう少し自分の身体を大切にして
ハル
コクコク…(首を縦に振る)
アキ
この手で今晩お風呂に入れるのかしら?
ハル
(染みてることがバレてる…!?)
ハル
は、入れます…!!
アキはやや強い力で 傷口を抉るように舐める
ハル
ひゃぁっ
ハルの目にうっすら涙が浮かぶ
ハル
うぅ…
アキ
今晩は私が身体を洗ってあげるわ
ハル
………えええ!!!
……To be continued