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#恋愛
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工房・夜
グレッタ
グレッタ
ノエル
ノエル
グレッタ
そういうと、グレッタは奥へと消えていく。
残されたのはノエルとロゼリア。
ノエル
ロゼリア
工房へ戻ってからも、ロゼリアの呼吸はまだ浅かった。
隠し部屋で見たのは、たくさんの“わたし”。
ロゼリアと同じ顔の人形たち。
それが、まぶたを閉じても消えてくれない。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ノエルは何も答えなかった。
しばしの沈黙。
グレッタ
グレッタ
戻って来たグレッタが言う。
ロゼリア
グレッタ
グレッタが、湯気の立つカップを二つ、テーブルに置く。
グレッタ
ノエル
グレッタ
グレッタ
ノエル
ノエル
先に飲み始めたノエルが笑顔になった。
ロゼリアは少しためらい、白い指でカップを持った。
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
ロゼリアは恐る恐る、ひとくち飲んだ。
甘い。ココアの味がする。
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
ロゼリアはカップを見つめた。
冷たくて硬い、人形の体。
ロゼリア
温かいものは温かい。
甘いものは甘い。
……少しだけ、ほっとした。
工房・朝
ロゼリア
目を開けると、工房に続く寝室にいた
ベッドから身を起こす。
ロゼリア
ノエル
声のした方を見ると、ノエルはもう起きていた。
作業台の脇で、グレッタとともに器具を磨いている。
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
短い沈黙。
その時だった。
──コン、コン、コン
玄関の扉が、静かに叩かれた。
三人の動きが止まる。
──コン、コン、コン
再び扉が叩かれた。
さっきと同じ強さで、同じ間隔で。
グレッタ
グレッタ
グレッタが鋭い目になった。
ロゼリア
ノエル
ノエルが立ち上がった。
瞬間、外から男の威圧的な声が響く。
??
??
ロゼリア
返事を待たず、扉が開く。
??
黒い制服の男4人が、無言で部屋に入ってきた。
やけに動きが揃っている。
グレッタ
ロゼリア
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
その事実だけで、恐怖が新たに立ち上がる。
諜報隊員
先頭の男が無言で敬礼し、あとの3名も続く。
諜報隊員
ロゼリア
諜報隊員
ロゼリア
諜報隊員
ロゼリア
ノエル
ノエルが、わずかに目を見開く。
グレッタ
グレッタは、舌打ちした。
ロゼリア
ロゼリア
──赤薔薇、それは帝国の象徴だ。
ロゼリア
ノエル
ふとロゼリアは気づく。
ノエルが青ざめていることに。
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ノエルは気まずそうに顔をそむけた。
諜報隊員A
ロゼリア
諜報隊員A
ロゼリア
ロゼリア
諜報隊員A
その一言で、空気が変わる。
──宰相クラウス
密書。戴冠後の指示。鏡の間。
全てが、一本の線でつながっていく。
ロゼリア
諜報隊員A
ロゼリア
諜報隊員A
ロゼリア
ロゼリアが声を荒げた瞬間。
諜報隊員たちが隊列を変えた。
武器は抜かない。だがすぐに攻撃できる体勢だ。
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
諜報隊員A
グレッタ
諜報隊員A
短い、冷たい言葉だった。
諜報隊員A
諜報隊員A
諜報隊員A
ノエル
ノエルが唇をかみしめた。
ロゼリア
諜報隊員A
ロゼリア
諜報隊員A
一瞬にして、諜報部隊が間合いを詰めた。
ロゼリア
ロゼリアは息を呑んだ。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ノエル
諜報隊員A
ノエル
諜報隊員A
グレッタ
諜報隊員A
申し訳なさそうな顔ひとつしないまま、男は言った。
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
昨夜の人形の列がよみがえる。
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリアはうつむいた。
修理されなければ歩けない。
今度は連れて行かれる。
それでも、自分一人では拒み切れない。
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
ロゼリアの喉が詰まる。
でも、泣かなかった。
ロゼリア
ロゼリア
覚悟を決めたロゼリアが立ち上がった。
ロゼリア
ノエルがロゼリアの横へ。
さりげなく半歩前に、支えられる位置へ。
諜報隊員A
諜報隊員A
宮殿地下・朝
特殊諜報部隊に挟まれ、ロゼリアとノエルが石段を下りていく。
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
重苦しい空気がただよう地下。
地上の朝とは別の世界みたいに、空気が重い。
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
グレッタの言葉が、残っている。
それだけを、今は握って歩くしかない。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ノエルが目をそらした。
ロゼリア
諦めたらしいノエルが、口を開く。
ノエル
ノエル
ロゼリア
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリアは前を向いたまま、唇を噛んだ。
ロゼリア
ロゼリア
ノエルのことを、信じようと思った。
だけど彼には、自分に話していない“事実”がある。
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
通路の先に、重い扉が見えてくる。
白い石に、深紅の薔薇が彫られていた。
ロゼリアの足が止まる。
ロゼリア
ノエル
諜報隊員が両側に立つ。
諜報隊員A
諜報隊員A
扉が、ゆっくり開いた。
──ゴゴゴ…
静かすぎる大広間。
その奥、一番高い場所に、一人の男が立っている。
クラウス
ロゼリア
赤薔薇の間には、宰相クラウスが待っていた。