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2021/05/26 20:47:40

………。

明かりが消え 暗闇に溶け込んだ白い校舎

校門で1人立っていた紬は 亡くなった友達や上級生との思い出を 回想していた

記憶の中の彼等は まだ笑顔のまま

……。

紬は肩掛けカバンの持ち手を強く握る

ん…?

暗闇の校舎の中 廊下を歩く者の姿が見えた

紬はその人間をよく知っていた

結月…先輩

なんでこんな時間に…

忘れ物?用事?居残り?

様々な要因が思い浮かんだが 紬は直ぐに校内へ走った 考えるより先に直感で察した

違和感があった

結月先輩…?

結月

!…ん、紬くん。

結月

どうかした?
こんな時間に。

忘れ物しちゃって…
先輩はここで何を?

結月

大した事じゃないよ!
ただ部室に置きたいものが
あったから戻っただけさ

結月は笑いながらそういった

(…置きたいもの?)

先輩は…

結月

ん?

先輩、亡くなった人達と
仲良かったんですよね

結月

結月

…そうだね。

亡くなる直前…先輩達に
変なことは無かったですか?

結月

…というと?

おかしな行動、発言。
何かを気にする様子が
あったりとか。

結月

結月

いいや?アイツらは
いつも通り俺と怪談話して
ただけだよ。

…怪談話?

結月

…おっと

結月

なんでもない。それより
ボクそろそろ帰らなきゃ。
君も用事があって
戻ったんだろ?

でも、気になります
どんな些細なことでも
構いません…だから

結月

…あまり死んだ彼らの
事情に生徒が踏み込むのは
いい考えだとは思えないな
部外者が首を突っ込むべき
じゃないからね

結月

当事者でない内は。

結月

探偵ごっこもいいけど
無茶すると危険だよ?
狩人罠にかかるって言う
でしょう…?

結月

それに…
君も今日は墓参りで
疲れてるだろうし

?!なんでっ…それっ…!

その話を知ってるのはあそこに 居た3人だけ…のはず

結月

さぁ?じゃ僕はこれで。

待っ!…
(行っちゃった)

結月の、あの不気味な笑いが頭から 離れなかった

結月先輩 なにか変だった

何か…何か手がかりが掴みたい

立て続けに死んだ…皆 その元凶がきっと居るはずだから

こんな事が…たまたまなハズがない

焼死、出血多量、転落 首吊り、凍死、行方不明

学生内の情報ネットワークで 発見時の状況は知れ渡っていた

それは必然 紬の耳にも入った

嫌でも知ってしまう たとえ知りたくないことでさえ

夜の校舎の廊下はしんと静まり 廊下の先は暗く覚束ない

等間隔にはられた窓から刺す月光は 不安に駆られた紬にとって唯一の 明かりだ

(まずは…最上階から)

(結月先輩の"置きたい物"
が…とても気になる)

(……靴はいてると
音が響くなあ)

(先生が残ってたら
面倒、脱いでいこう)

紬は革靴を片手につまんで校内へと 入ってゆく

最上階から下へ 探して回るうちに、 暗闇の中で明かりが漏れている 扉があった

開いた扉の小さな隙間 中を覗くと、誰かが居る

(…照先輩だ
こんな時間に何を…?)

照は紙を持っていた なにが書いてあるかまでは 見えなかったが

(…照先輩…怒ってる?)

照は持っている紙を破り捨てる

どいつもこいつも…
クソ野郎がっ!!!

(ひっ…!?)

がたっ

照の怒号に、思わず体が強ばり

はずみで革靴を落としてしまった

(やばっ、ばれ…)

誰かいんのか?

…結月か?

(…逃げッッ…!)

革靴を拾い、階段を駆け下りて 学校を離れる

(…なんで
照先輩、あそこに…)

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