当たり前じゃないから、綺麗なんだよ
なんて、反吐が出る
日常の美しさの分からぬ人間と話したくない
そんな、自己満な思いから
今日も、部屋で1人
こうして見ると、案外自分の部屋って面白い
自分の好きで溢れていて
私の場合、それが本だった
文字の美しさの、虜だった
同時にそれは、人を傷つけるのだと知っていて
それが、更に美しく見えたのだ
アブナイ恋、というやつだろうか?
本のページを、優しく撫でる
紙の質感が、たまらない
私を魅了してくる
私も、本の中に入れたらいいのに
なんて、思うけど
これは、「他人事」だから美しくなれる
「本の中」は、優しくないから
そう考えると、私は薄情だ
でも、やっぱり好きなんだ
盲目的な、恋をする
部屋に音が響く
ページ以外の音が、嫌い
特に
知らない女の足音、とか
……今、この瞬間だけでも
現実から、逃げさせて
コメント
1件
語り手さんが本の魅力に惹かれ、本の中の世界に入ることを夢見る物語かと思ったらまさかの知らない女の足音が聞こえる現実世界から逃げるために本の世界に入ることを望んでいる物語だったなんて……😳😳 知らない女、は何者なんだろう……不審者?それとも「私」の彼氏の浮気相手とか?どちらにしろこんな状況じゃ現実逃避したくなるよね……