過去に囚われた君に

黒色の封筒を開くと、 そこには

「この館には貴方のやるべき事がある」 と書いてある。

ルマはそういって封筒を見せてくる

やるべき事ってなんだろう...

そうして共通点を探す話し合いが始まる

綺麗なツッコミだなぁ...

話は行き詰まったものの、 そのまま続け 全員がある程度打ち解けた

やっぱり厨二病ではあったみたい...

柄木くん、この見た目で22なんですって

人はみかけによらないって言いますね

青年がライトに手を伸ばし、 消そうとした寸前で手を止める

眼帯を指さすと、柄木くんは 一瞬焦ったような顔を見せた

が、すぐにいつもの顔に戻り、 言葉を続ける

厨二病だ...

そう言って光を消すと、 自分自身も柄木も直ぐに睡魔に襲われ

真っ暗な空間に、鈴の音が チャリン...チャリン、と響いていたのを 覚えている。

今は恐らく深夜2時を回ったぐらい？

何かの物音で目が覚めました

真っ暗で何も見えないけど、 柄木さんがトイレか何かで起きたのかな

...いや、それにしては変

何故か身動きを取れない....

縛られている？拘束かな...

まぁ一応誘拐されてるわけだからね

あれ、これ違う

まずい、これって....

人だ

寝ぼけていて気づかなかったが 胴体に明らかに人の重みを感じていた

暗くて何も見えなかった部屋も、 視界が慣れてきて段々と見えるように なってくる

窓の光を反射しているのか、 キラキラとした物が見える

これは...

刃物、というか大きさ的に ナイフの部類だ...

え、ということは僕 刺されそうになってる？

抵抗しないと

ガサガサと身体を動かすと、 刺そうとしてきた相手は 自身が起きていることに気づいたのか、一瞬止まる

だが、相手が止まったところで 動けないのは変わらず、抵抗するすべが 一切と言って良いほど無かった。

まずい...、誰か、

急に男性の声が聞こえる

位置から言って、刺そうとしてる 張本人でないことは確実

そして...この声は

助かった...

柄木くんがナイフを持った方の腕を 抑えると、チッと舌打ちが聞こえ、

僕の体は動くようになった

って、そうじゃない！

誘拐犯の顔を見ないと！！！

急いでライトを付けるが、そこに 居たのは柄木と自身だけだ

飛びつくと、一瞬驚いた顔を した後に またにこりと微笑まれる

涙ながらに話すとポケットティッシュを 差し出される。準備いいな...

本当に守ってもらえて良かった...

そういえば、寝る前まで居たはずの 猫さんがいない？