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ハナ、ひとり。

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ハナ、ひとり。

5 - 女遊び常習犯、現る

♥

23

2025年12月30日

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バス内

ふぁあああ……

(昨日は漫画読みすぎて
夜更かししちゃったな…)

ガラガラ(バスの扉が開く)

あ!

おはよう、花

あ、白崎君……

おはよう

あれから私と白崎君は 一緒に登校し

放課後は一緒に帰ることが 多くなった

相変わらず私は男の人の前では 身体が固まってしまう

けど白崎君の前なら

だいぶ心が打ち解けられる ようになった

てか今日朝から
数学じゃん
だっる

数学…苦手?

まあなー

花はどうなの?

私も、苦手…

だよねー

こんな風に 話せるようにまで 私たちは仲良くなった

あ、学校着くぞ

う、うん

それでさー
丸山が……

こーんな顔
で寝てんだよ

何それ…(笑)

そんでよー(笑)

ブロロロロロ!!

なんだ……?

私は校門の方を振り向くと 1台のバイクがものすごい勢いで 入って来た

あ、あのバイク……

ギュィイイイイイン!!

「ふぅ〜間に合った!」

バイクの運転手は 被っていたヘルメット を取る

先生

あ!お前は!!

陽斗

よ!せーんせ♡

瀬戸じゃん

(せ……?)

先生

お前1年2組の
瀬戸陽斗か!?

先生

入学式から
無断欠席で
何やってたんだ!?

陽斗

さーせーん♡

先生

職員室に来い!

陽斗

はーい♡

陽斗

っとその前にバイク
止めて来まーす

瀬戸!

陽斗

お!やっほー蓮〜

ずっと学校来ずに
何やってたんだよ

陽斗

決まってるだろー?

陽斗

女と遊んでた♡

お前またかよ

陽斗

それ以外理由あると
思うかー?

お前だけだぞ。
そんな理由で欠席
すんの

陽斗

(笑)

陽斗

先公に呼び出されてっから先行くわー

おう、後でなー

……

し、白崎君……

ん?あぁあいつか

瀬戸陽斗

俺らと同じクラスの奴

そ、そうなんだ

職員室

先生

おい瀬戸

先生

お前、なんで
無断欠席
したんだ?

陽斗

えーそれ言う必要
ありますー?

先生

必要だから
聞いてんだ

陽斗

そりゃあ一択しか
ないっしょ

女と遊んでた♡

先生

!!?

先生

おま……本気で
言ってんのか!?

陽斗

さーせんしたー♡

先生

ふざけてんのか!?

先生

反省してねーな!?

陽斗

反省してますよ〜

陽斗

もう頑固だな〜

先生

はぁ……

先生

(これは……
とんだ問題児生徒
になりそうだ……)

昼休み

先生

すまんみんな

先生

朝はバタバタしてて
ホームルーム
できなかった

先生

今からホームルーム
を始めるが

先生

欠席していた
瀬戸に自己紹介
してもらう

先生

瀬戸、前に出ろ

陽斗

はーい♡

陽斗

瀬戸陽斗でーす

陽斗

趣味は女と遊ぶこと
でーす

陽斗

よろしく〜

先生

と、ということで
仲良くするように

はーい

陽斗

……!

私は瀬戸君と目が合ってしまい 慌てて目を逸らした

陽斗

……

昼休み

陽斗

丸山〜!!

丸山元

あ!瀬戸君!
久しぶり〜!
(もぐもぐ)

陽斗

お前また丸くなって
ねーかー!?

丸山元

えへへ〜

陽斗

陽斗

そういえばよ、
聞きてぇこと
あんだ

丸山元

んー、何ー?
(もぐもぐ)

陽斗

この学校って
男子校のはず
だったよな?

陽斗

なんでおれらのクラスに女がいんだよ?

丸山元

あれー?瀬戸君
知らなかったのかい?

丸山元

今年から
共学になって

丸山元

花ちゃんがこの学校に
入学したんだー

陽斗

花ちゃん?

丸山元

女の子の名前さ

丸山元

花園花って言うんだ!
可愛らしいだろ〜!

陽斗

女は…あいつだけ?

丸山元

うん!
(もぐもぐ)

陽斗

……

陽斗

へぇ〜(ニヤッ)

……?

(あ……)

(花瓶の花が
萎れてる……)

(水、
取り替えてこよう)

カツッ…カツッ……

……

私は花瓶の水を替えようとして 水道に向かう途中だった

ずるっ

っ……!!

私は階段を踏み外して しまい、転びそうになった

体が前に傾き、 花瓶が腕から滑りそうになる

次の瞬間だった

ガシッ

陽斗

おっと

!!

私はぐっと腰を引き寄せられ、

気づいた時には、 私は誰かの腕の中にいた

背中に回された手 かすかな男の人の匂い

私は目を開くと、そこには……

陽斗

大丈夫?

あ、あ…

近すぎる距離

見上げると、 少し緑がかった髪の男子

口元は、 いかにも慣れたような笑み

瀬戸君だった

陽斗

こういう時はさ、
もっと俺を頼ればいいんだよ

陽斗

花瓶なんて重いもん、
女の子が持つもん
じゃないでしょ?

陽斗

ね?

“花ちゃん”

あ、あ……

瀬戸君はわざと顔を近づけ、 片目を細める

私の身体は硬直したままだ

胸がきゅっと縮こまる

視線が合うのが怖くて、 思わず一歩後ずさる

あ、ありがと……
ございま…す……

私は花瓶を抱え直し、 頭を下げ、素早く 立ち去った

陽斗

・・・

陽斗

(あれ?変だなぁ)

いつもなら、ここで照れたり、 顔を赤らめたりする反応が 返ってくる

それが“当たり前”だった

でも、今日は違う

彼女は逃げるように視線を逸らし、そのまま小走りで 階段を下りた

瀬戸はしばらく その場に立ち尽くし、 やがて小さく笑った

陽斗

(そうか……)

陽斗

(あの子は……)

(顔に出ないタイプ なんだな)

陽斗

(外見じゃ
わからなかったが)

陽斗

(ちゃんと俺に
照れてやがる……)

陽斗

(かわいいじゃん)

キーンコーンカーンコーン

先生

今週もお疲れ様でした

先生

今週の課題は
こんな感じだから
来週までにやっとけよ

はーい

先生

あ、花園

は、はい

先生

このプリント、
北校舎の生物室に
持ってってくれ

わ、わかりました

重そうだな、
大丈夫か?

大丈夫…!

先…帰ってて

お、おう

陽斗

……

(えっと、
生物室は……)

(あ、ここか)

っしょ

ふぅ……

次の瞬間

開いていた窓から 風が入り込み

ばさっと音を立てて プリントが宙に舞った

(えっ……)

──その時

瀬戸君が教室に入って来て

散らばったプリントを集め 私に渡した

陽斗

はい、これ

あ…

ありが……とう
ございます……

私はプリントを受け取ると、 瀬戸君はニコッと笑った

陽斗

風、油断すると
怖ぇよな

そう言って、瀬戸君は 私の頭に手を伸ばす

ぽん、と軽く撫でる つもりだったのだと思う

でも──

……っ

私は反射的に、 その手を振り払った

あ……

陽斗

ご、
ごめんなさい……!

瀬戸の手を払ってしまったことに 気づき、慌てて頭を下げる

そして逃げるように その場を離れた

陽斗

……

その帰り

瀬戸はバイクを運転しながら 自分の右手を見つめる

陽斗

(……さっきの)

嫌がられた、というより──

怯えられた

そんな感触だった

そして彼女のあの表情──

頭を撫でようとしただけだ

それで照れる子も、笑う子も、 今まで出会った子はみんな そうだった

なのに、あいつだけは違った

陽斗

(惚れてねぇな、
あれは……)

むしろ、最初から 距離を取られてる

自覚した瞬間、 胸の奥が少しだけざわついた

陽斗

(なんでだよ……)

気づけば俺は、 口元が緩んでいた

陽斗

(花園花…か)

陽斗

ふっ

「面白ぇ」

俺はアクセルを踏み、 バイクを加速した

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