バス内
花
花
夜更かししちゃったな…)
ガラガラ(バスの扉が開く)
蓮
蓮
花
花
あれから私と白崎君は 一緒に登校し
放課後は一緒に帰ることが 多くなった
相変わらず私は男の人の前では 身体が固まってしまう
けど白崎君の前なら
だいぶ心が打ち解けられる ようになった
蓮
数学じゃん
だっる
花
蓮
蓮
花
蓮
こんな風に 話せるようにまで 私たちは仲良くなった
蓮
花
蓮
丸山が……
蓮
で寝てんだよ
花
蓮
ブロロロロロ!!
花
蓮
私は校門の方を振り向くと 1台のバイクがものすごい勢いで 入って来た
花
蓮
ギュィイイイイイン!!
「ふぅ〜間に合った!」
バイクの運転手は 被っていたヘルメット を取る
先生
陽斗
蓮
花
先生
瀬戸陽斗か!?
先生
無断欠席で
何やってたんだ!?
陽斗
先生
陽斗
陽斗
止めて来まーす
蓮
陽斗
蓮
何やってたんだよ
陽斗
陽斗
蓮
陽斗
思うかー?
蓮
そんな理由で欠席
すんの
陽斗
陽斗
蓮
花
花
蓮
蓮
蓮
花
職員室
先生
先生
無断欠席
したんだ?
陽斗
ありますー?
先生
聞いてんだ
陽斗
ないっしょ
女と遊んでた♡
先生
先生
言ってんのか!?
陽斗
先生
先生
陽斗
陽斗
先生
先生
とんだ問題児生徒
になりそうだ……)
昼休み
先生
先生
ホームルーム
できなかった
先生
を始めるが
先生
瀬戸に自己紹介
してもらう
先生
陽斗
陽斗
陽斗
でーす
陽斗
先生
仲良くするように
はーい
陽斗
花
私は瀬戸君と目が合ってしまい 慌てて目を逸らした
陽斗
昼休み
陽斗
丸山元
久しぶり〜!
(もぐもぐ)
陽斗
ねーかー!?
丸山元
陽斗
陽斗
聞きてぇこと
あんだ
丸山元
(もぐもぐ)
陽斗
男子校のはず
だったよな?
陽斗
丸山元
知らなかったのかい?
丸山元
共学になって
丸山元
入学したんだー
陽斗
丸山元
丸山元
可愛らしいだろ〜!
陽斗
丸山元
(もぐもぐ)
陽斗
陽斗
花
花
花
萎れてる……)
花
取り替えてこよう)
カツッ…カツッ……
花
私は花瓶の水を替えようとして 水道に向かう途中だった
ずるっ
花
私は階段を踏み外して しまい、転びそうになった
体が前に傾き、 花瓶が腕から滑りそうになる
次の瞬間だった
ガシッ
陽斗
花
私はぐっと腰を引き寄せられ、
気づいた時には、 私は誰かの腕の中にいた
背中に回された手 かすかな男の人の匂い
私は目を開くと、そこには……
陽斗
花
近すぎる距離
見上げると、 少し緑がかった髪の男子
口元は、 いかにも慣れたような笑み
瀬戸君だった
陽斗
もっと俺を頼ればいいんだよ
陽斗
女の子が持つもん
じゃないでしょ?
陽斗
“花ちゃん”
花
瀬戸君はわざと顔を近づけ、 片目を細める
私の身体は硬直したままだ
胸がきゅっと縮こまる
視線が合うのが怖くて、 思わず一歩後ずさる
花
ございま…す……
私は花瓶を抱え直し、 頭を下げ、素早く 立ち去った
陽斗
陽斗
いつもなら、ここで照れたり、 顔を赤らめたりする反応が 返ってくる
それが“当たり前”だった
でも、今日は違う
彼女は逃げるように視線を逸らし、そのまま小走りで 階段を下りた
瀬戸はしばらく その場に立ち尽くし、 やがて小さく笑った
陽斗
陽斗
(顔に出ないタイプ なんだな)
陽斗
わからなかったが)
陽斗
照れてやがる……)
陽斗
キーンコーンカーンコーン
先生
先生
こんな感じだから
来週までにやっとけよ
はーい
先生
花
先生
北校舎の生物室に
持ってってくれ
花
蓮
大丈夫か?
花
花
蓮
陽斗
花
生物室は……)
花
花
花
次の瞬間
開いていた窓から 風が入り込み
ばさっと音を立てて プリントが宙に舞った
花
──その時
瀬戸君が教室に入って来て
散らばったプリントを集め 私に渡した
陽斗
花
花
ございます……
私はプリントを受け取ると、 瀬戸君はニコッと笑った
陽斗
怖ぇよな
そう言って、瀬戸君は 私の頭に手を伸ばす
ぽん、と軽く撫でる つもりだったのだと思う
でも──
花
私は反射的に、 その手を振り払った
花
陽斗
花
ごめんなさい……!
瀬戸の手を払ってしまったことに 気づき、慌てて頭を下げる
そして逃げるように その場を離れた
陽斗
その帰り
瀬戸はバイクを運転しながら 自分の右手を見つめる
陽斗
嫌がられた、というより──
怯えられた
そんな感触だった
そして彼女のあの表情──
頭を撫でようとしただけだ
それで照れる子も、笑う子も、 今まで出会った子はみんな そうだった
なのに、あいつだけは違った
陽斗
あれは……)
むしろ、最初から 距離を取られてる
自覚した瞬間、 胸の奥が少しだけざわついた
陽斗
気づけば俺は、 口元が緩んでいた
陽斗
陽斗
「面白ぇ」
俺はアクセルを踏み、 バイクを加速した






