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空詩
#ハッピーエンド
ユリウス
メグ
倉庫の中心に鎮座するのは、完成したばかりの銀色の液体。
細かな粒子がキラキラと、さり気なく輝く様は、自分で言うのもなんだが……とても美しい。
星の瞬きのような光に導かれるように、ユリウスさんがゆっくりと近づいてくる。
メグ
メグ
ユリウス
ユリウス
メグ
メグ
メグ
ユリウス
メグ
ユリウス
ユリウス
メグ
メグ
ユリウス
メグ
メグ
ユリウス
細かな粒子がキラキラと、さり気なく輝く様は、自分で言うのもなんだが……とても美しい。
ユリウス
ユリウス
メグ
ややカサついたスケッチブックに、硬いペン先が当たる音が、妙に響く。
インク壺にペンが沈む度に、揺蕩う銀が小さく波打ち、周囲に僅かなきらめきをこぼした。
メグ
メグ
メグ
メグ
奪う者は、相手をただの『素材』として削り取り、自分の色で塗りつぶそうとする。
けれど、今ここで起きているのは、その逆だ。
この街の大多数が求めている、所有や支配とは、決定的に違う温度を持った繋がり。
私の作ったインクが、ユリウスさんの指先に寄り添い、彼の感性を世界へ引き出そうとする対話だ。
その中に私がいる事に、胸が温かくなるような心地になった。
ユリウス
ユリウス
ユリウスさんの表情が、少しずつ、でも確実に変わっていく。
いつもどこか怯えたように風景の影に隠れていた彼の瞳が、今はただ、目の前の紙だけを真っ直ぐに見つめていた。
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
メグ
メグ
銀色のペン先が、紙の上で軽やかに踊る。
それを操る彼の顔もまた、童心に返ったかのような、無邪気さを湛えていた。
ユリウス
ユリウス
メグ
メグ
メグ
ユリウス
メグ
メグ
メグ
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
メグ
ユリウス
ユリウス
メグ
メグ
ユリウス
ユリウス
メグ
ユリウス
メグ
メグ
メグ
メグ
その時だった。
ドンドンと、ノックにしては激しい音が、突然に静寂を破ったのは。
サーシャ
サーシャ
ミーシャ
メグ
ミーシャ
ミーシャ
サーシャ
メグ
メグ
ユリウス
慌ただしい足音を立てて、私達は廊下へと出ていく。
そうして、静まり返った倉庫の中。
視界の片隅で、主を失ったスケッチブックの頁が、隙間風に吹かれてパサリと捲れた。
レベッカ
レベッカ
ここら一帯から人が消えたのを確認して、うちは倉庫の中に忍び込む。
簡易的なアトリエとしての面影もなくなった、倉庫の中。
うちは机の上に置かれたスケッチブックを、遠慮なくひったくった。
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
興奮で震える手が、一枚の板を摘まみ上げる。
機械を立ち上げる、動作さえ煩わしい。
早く自分の手で作り変えてやりたくて、うちは写鏡を取り出した。
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
写鏡を掴んだまま、右腕が石のように固まって動かない。
それどころか、指先からじわじわと冷たい感覚がせり上がってきて
心臓を、冷たい手で握られたような、圧迫感に襲われる。
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
左手まで使って、無理やり写鏡の読み取り面を、スケッチブックに向けた――その瞬間。
レベッカ
写鏡の面に張られたガラスが、見たこともない激しさでガタガタと震え出す。
レベッカ
レベッカ
レベッカ
レベッカ
……じ
木の絵
レベッカ
レベッカ
混乱する頭の中で、記憶のものよりも厳格で、慈悲のない声が反響する。
木の絵
木の絵
その間も、インクと同じ青を宿す銀の光が、スケッチブックから写鏡の中へと吸い込まれていった。
あれだけ綺麗だと思ったのに、今では冷たくて、怖くてたまらない。
木の絵
木の絵
レベッカ
レベッカ
いつの間にか、指から赤が抜けるほど、力強く握りしめていたらしい。
そのせいか、ガラスの面にピキリ、と亀裂が走った。
レベッカ
レベッカ
レベッカ
喚く間にも、日に照らされた雪のように、静かに溶け消えていく。
やがて、一滴の汚れも、一筋の線も残っていない――冷ややかなほど真っ白な紙が、写鏡から排出された。
レベッカ
レベッカ
メグ