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数ヶ月前、人の通らないこの路地裏で” 殺戮の悪魔”と呼ばれ恐れられている殺 人鬼、早乙女瑠花が無惨な死体の頭を握りその表情を見ながら興奮していた。
「キャハッ♡ヤバ~いっ ♡♡////」
「超いい顔してる♡/////」
その死体は警官服を着ていた。瑠花の顔手足には真っ赤に染まっていた。
「やっぱ最高だわぁ♡血 みどろ死体の歪んだ表情って!♡/////////」
「”IBUKIに入ってからはこーいうのダメなの分かってるんだけどなー、やっぱどうしても辞められないなぁ!」
「でも特にクソ喰らえなサツの方が・・・」
「最高に心地い い!!♡♡/////」
~警視庁本部庁舎~ 〜公安部暗黒街課~
”次のニュースです。昨晩〇〇市(=暗黒街)の路地裏に察官の遺体が発見されました。”
矢田野 遼
テレビの前に立って腕を組みながらニュースを睨みつけているのは公安の男。
彼の名は矢田野 遼。キリッとした藍色のツリ目にくせ毛の髪に頭のてっぺんにはクルッとしたアホ毛。彼の目と同じ色の軍服のような制服、中には黒のネクタイに白のシャツを着ている。 手には黒手袋、黒い長いブーツを履いている。
ここは"公安部暗黒街課”。国際テロや過激派などの捜査や取り締まるのが警視庁公安部の仕事。その中で唯一銃撃戦が許されている最も危険でエリートなのがこの”暗黒街課”。ここは犯罪係数日本一の暗黒街と呼ばれる東京某市。ここで起きる数々の犯罪を主に取り締まり、日本の平和を守るのが彼らの指名だ。
ついでに言うと、暗黒街課は公安の中で最もイカつくまるでゴリラな部署であることでも有名だ。この矢田野遼という男も所謂エリートゴリラなのである。
柳原 優介
そこへ柳原優介と言う遼の相棒でペアを組んでいる男が彼の隣に来た。
優介はグレーの目にツンツンヘアをした男。遼と同じ制服を1式着ており頬にはいくつかのそばかすがある。本人曰く「 そばかすは俺のチャームポイントなんだよ!」…だそうです。
矢田野 遼
そう言いながら椅子に腰掛け、デスクに置いていたパックのいちごミルクのストローを咥えて飲んだ。
ドサッ
柳原 優介
優介はデスクの上に過去の事件に関するファイルの山を置いた。
柳原 優介
椅子にもたれかかって、その中の1つのファイルを手に取り目を通す。
矢田野 遼
ブシャァ!
遼は優介の言葉を聞いて頭に稲妻が走ったかのように閃いた。そしてそれと同時に手元のいちごミルクのパックを握りつぶし、中身が漏れ辺りに飛び散った。
柳原 優介
矢田野 遼
柳原 優介
矢田野 遼
遼は勢いよく立ち上がった。
柳原 優介
矢田野 遼
矢田野 遼
「8年前の”暗黒街課集団虐殺事件”と同一犯かもしれねぇな」
その言葉に周囲は一旦静まり返ってから ざわついた。
柳原 優介
矢田野 遼
柳原 優介
優介はファイルのページをめくりながら言った。
矢田野 遼
矢田野 遼
遼は不敵な笑みを浮かべて呟いた。握りしめていたいちごミルクのパックを更に手に収まる程に小さくして握り潰した。
柳原 優介
矢田野 遼
矢田野 遼
遼の心は恨みや憎しみに満ちていた。
柳原 優介
柳原 優介
矢田野 遼
我に返った遼は己の現状に目を剥き、すぐさま手袋を脱ぎデスクを拭いた。
モブ公安
〜某ショッピングモール〜
百峰 桃音
早乙女 瑠花
桃音と瑠花は紙袋を肩にかけて歩いている。中身はお目だった服や靴が入っている。今日は非番なのでショッピングモールでセール品を買いに来たのだ。
早乙女 瑠花
百峰 桃音
バン!バン!
きゃあああ!!!
百峰 桃音
早乙女 瑠花
カフェに向かおうとすると突然桃音たちの真後ろから銃声が鳴り響いた。他の客たちは悲鳴をあげ屈んだ。もちろん桃音たちも届んだ。
強盗犯
振り向くと1人の男が銃を天井に向けていた。銃口からは煙が出ていた。
百峰 桃音
桃音は少し前から怪しんでいた。
強盗犯
早乙女 瑠花
強盗犯は最も近くにいた瑠花を掴み引っ張り立たせた。そして彼女の頭に銃を突きつけた。瑠花は人質として捕えられたしまったのだ。
百峰 桃音
強盗犯
百峰 桃音
百峰 桃音
モブ客(女)
百峰 桃音
恐怖で腰を抜かした1人の客の女がオドオドしながらカバンからスマホを取り出そうとする。
バンッ!
モブ客(女)
するとそれに気づいた強盗犯は客の女に目掛けて威嚇射撃をした。弾丸は女の手元ギリギリの位置の床に着弾していた。
百峰 桃音
強盗犯
百峰 桃音
強盗犯
バシッ
すると花は突きつけられた銃を手で弾き男の胸ぐらを掴んだ。
早乙女 瑠花
強盗犯
百峰 桃音
ダンッ!!
瑠花は真顔で男を背負い投げして床に叩きつけた。
強盗犯
百峰 桃音
モブ客(男)
おおおおおお!!👏👏👏
周囲の客たちが瑠花に拍手をした。
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
百峰 桃音
まさか護身術で拍手されるとは思ってもいなかったので、どう反応すればいいか分からず、赤面でオロオロする瑠花。
早乙女 瑠花
百峰 桃音
裏声で言いながら桃音に駆け寄り、抱きついた。そして2人はそのままゆっくりとその場から離れた。
ピピーーッ!!
百峰 桃音
早乙女 瑠花
次の瞬間、笛が鳴り響いた。
???
百峰 桃音
聞き覚えのある声がした方向を見ると公安警察の女が驚棒を持って立っていた。
その女はキリッとした水色のツリ目で左目は前髪で隠れている。くせ毛のウルフカットで頭のてっぺんにはハート型のアホ毛がクルッとはねている。軍服のような紺色の制服は膝より少し上の丈のスカートで、見えていないがパンチラ防止のために中には指定のショートパンツを履いている。黒の手袋に黒いレースアップロングブーツに黒のニーハイソックスを履いている。中性的な女性だ。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
彼女の名は矢田野愛美。この苗字と容姿の特徴で察した人は居るであろう、彼女は先程いちごミルクをぶちまけた矢田野 遼の年子の妹なのだ。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
小声でそう言って2人はここで捕まる訳には言わんばかりと、慌てて立ち去って行った。その時桃音は花から警察への殺気を感じた...........。
矢田野 愛美
愛美は桃音たちが居た方向を見るが、既に2人の姿は無かった。
月嶋 沙友理
強盗犯
モブ公安
再び強盗犯の方に目を向けると月嶋沙友理という愛美の親友でペアを組んでいる女が既に犯人を取り押さえていた。
彼女は薄紫の丸い目にセンター分けの前 髪に長い髪を編み込みの三つ編みをして束ねている。愛美と同じ制服を一式身にまとっている。視庁の中で最もイカつくまるでゴリラな暗黒街課には馴染まないような周囲を癒すゆるふわ系女子だ。
矢田野 愛美
月嶋 沙友理
矢田野 愛美
ガチャッ
強盗犯
手錠をかけられた強盗犯が愛美を睨みつけた。
矢田野 愛美
ゲス顔で強盗犯を見下して言う愛美。
月嶋 沙友理
矢田野 愛美
モブ公安
~カフェ〜
桃音と花はパンケーキ専門店の隅っこの席に座っている。今日は珍しく空席が多い。少々裏の仕事関係の話をしても大丈夫そうだ。注文した後、自分たちでコップに水を入れた。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
桃音は水を飲んでため息をついた。
早乙女 瑠花
百峰 桃音
桃音は頬を着いて言った。”IBUK"”では任務外での殺害や一般人を巻き込むことは絶対NGなので、ここで対象外の犯罪者を一般人の前で殺すことも、瑠花の怪力を披露させるのは何がなんでも防がねばならない。が、瑠花も流石にそれを承知していたのか、見た感じ手加減はしていたようだった。
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
百峰 桃音
早乙女 瑠花
百峰 桃音
桃音は水を氷ごと飲み一息ついた。
早乙女 瑠花
百峰 桃音
早乙女 瑠花
瑠花は桃音がその名を呟いた時から疑問に思っていた。あの時、桃音は明らかに虫でも見たような表情をしていたのだ。
百峰 桃音
桃音は苦笑いをつくって言った。
百峰 桃音
桃音は愛美との出会いを語り始めた。
5年前
あれはまだウチが上京したばっかで”IBUK"”に加入する前やった。
バンッ!
百峰 桃音
あの時ウチは雇い先が無くて自称フリーの殺し屋としてヤクザとかのチンピラを殺してまわっていてん。
百峰 桃音
矢田野 愛美
百峰 桃音
振り向いたらアイツが銃を向けててん。 ウチが殺ってるとこ見られてたらしい。
百峰 桃音
矢田野 愛美
百峰 桃音
バンッ!
キィンッ!
矢田野 愛美
早撃ちでアイツの銃を撃って逃げてん。
矢田野 愛美
矢田野 愛美
百峰 桃音
百峰 桃音
んで、しばらく逃げまわってたらガス管 があってな……
百峰 桃音
バンッ!
ドカン!
ガス管撃って爆発させてん。
矢田野 愛美
百峰 桃音
百峰 桃音
いや〜…あんな?ウチも殺す気は無かってんけどな。爆発で足止めさせるためやったんやけどな…まぁ死んだならそれでもええかと思ってん。ウチの犯行現場見てもうたんやしさ。
でもそれがアカンかったんかな…その後
ヒュンッ
百峰 桃音
グサッ!
百峰 桃音
爆発に巻き込まれてもウチを捕まえたかったのか、(たぶん)アイツが投げた警棒がウチの腹部に貫通してん。
ボトボト🩸
百峰 桃音
百峰 桃音
あれはめちゃくちゃ痛かったわ。吐血で口ん中が血の味しかなくなったわ。でもそれでもまだ死にたくなたかったから地面を這いつくばって何とかしようと思ってんけど…
ファン!ファン! ファン!ファン!
百峰 桃音
最悪なことにウチは既にパトカーやら驚 官に包囲されてたみたいやった。
百峰 桃音
百峰 桃音
百峰 桃音
百峰 桃音
百峰 桃音
百峰 桃音
百峰 桃音
百峰 桃音
店長
死にかけやったから流石にそっからは覚えてへんけど……
ピッ…ピッ… ピッ…ピッ…
モブ闇医者
店長
モブ闇医者
百峰 桃音
店長
百峰 桃音
ズキィッ!!
百峰 桃音
モブ闇医者
ズキンッ…ズキンッ… ズキンッ…ズキンッ…
百峰 桃音
百峰 桃音
店長
百峰 桃音
百峰 桃音
店長
百峰 桃音
モブ闇医者
店長
百峰 桃音
店長
店長
モブ闇医者
モブ闇医者
気づいたら”IBUKI”の医療部で寝てた。 ウチはあの時見たのは閻魔大王じゃなくて店長やってん。そんで店長が死にかけで包囲されたウチを助けてくれてん。
百峰 桃音
そして現在に戻る。
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
百峰 桃音
店員
するとそこへ店員が2人が注文したパンケーキを運んできた。
百峰 桃音
店員
早乙女 瑠花
店員はレシートを丸めてプラスチックの筒(伝われ)に入れて立ち去った。
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
~警視庁本部庁舎~ 〜公安部暗黒街課~
モブ公安
矢田野 愛美
月嶋 沙友理
本部に戻った愛美と沙友理は上司に褒められた。
柳原 優介
少し離れた所で優介も感心していた。
矢田野 遼
遼はもの凄いドヤ顔で言った。 彼は重度のシスコンなのだ。
愛美が名前で呼ばれる理由は遼と被ってややこしいからだ。そのため、遼も同僚からは基本的名前で呼ばれている。
モブ公安
遼・愛美「「はい?」」
上司に呼ばれて2人同時に振り向いた。
モブ公安
矢田野 遼
矢田野 愛美
ほら、こんな感じ。 兄弟姉妹あるあるだ。
愛美はそのまま事務所を出ていった。
矢田野 遼
モブ公安
モブ公安
ブオオオン……
先輩の公安が指を指しながら尋ねた。その先を見ると先程汚した遼の手袋が洗って扇風機の前に置いて乾かされていた。
矢田野 遼
モブ公安
柳原 優介
遼の代わりに優介が答えた。
モブ公安
???
するとここに居る皆が聞き覚えのある男の声が聞こえた。彼の方を目を向けると周囲がざわついた。
その男は糸目に長い前髪をオールバックにした髪。遼たちのと色違いの黒い制服一式を身にまとった、顔面にある大きなバツ印の傷跡が目立つ。
矢田野 遼
モブ公安
ビシッ!
ここに居る全員が敬礼した。 この男、警視総監の名は明智 司。 何故かしょっちゅう公安部に足を運ぶ、ある意味謎めいた上司でもある。
明智 司
矢田野 遼
柳原 優介
明智 司
優介の心の声がおもくそ漏れていた。
柳原 優介
柳原 優介
明智 司
明智 司
明智は遼の方を向いて尋ねた。
矢田野 遼
明智 司
モブ公安
矢田野 遼
上司がやや震えた声で遼のデスクの横にあるゴミ箱に目を向けながら言った。見ると先程握り潰したいちごミルクのパックが捨てられていた。
矢田野 遼
明智 司
モブ公安
ゴリラ揃いの暗黒街課というのは承知の上だが、遼の握力と腕力には他のメンバーもドン引きレベルなのであった。
矢田野 遼
矢田野 遼
明智 司
矢田野 遼
モブ公安
矢田野 遼
矢田野 遼
明智 司
モブ公安
その言葉に2人は驚愕の声をあげた。
矢田野 遼
モブ公安
明智 司
遼は先程この場に居なかった故、初耳だった明智と上司にもう一度説明をした。
〜取調室〜
ガチャッ
愛美は取調室のドアを開けて入った。そこには強盗犯が先に机に座らせており、愛美は対面で机に座った。
矢田野 愛美
強盗犯
強盗犯は舌打ちをしながら愛美を睨みつけた。
矢田野 愛美
強盗犯
強盗犯は黙り込み、目を逸らした。
矢田野 愛美
強盗犯
矢田野 愛美
強盗犯
矢田野 愛美
矢田野 愛美
強盗犯
強盗犯
強盗犯は再び黙秘した。今度はどこか怯えているようにも見えた。
矢田野 愛美
強盗犯
矢田野 愛美
強盗犯
青ざめた表情で話し続ける強盗犯。
強盗犯
強盗犯
強盗犯
叫ぶように言った強盗犯は冷や汗をかき、脚がガクガク震え、机まで振動していた。
矢田野 愛美
矢田野 愛美
愛美は怒りを込めて言った。
矢田野 愛美
バンッと机を叩いて怒鳴った。
矢田野 愛美
矢田野 愛美
拳を握りしめて食いしばるように言った。すぐ側でこの内容をパソコンで記録している補助者も俯く。
矢田野 愛美
一旦冷静になろうと息を1つ吐いてから質問した。
強盗犯
強盗犯
矢田野 愛美
愛美は少し黙り込み、考えた。
矢田野 愛美
強盗犯
すると強盗犯は先程と打って変わって、もう怖いものは無いとでも言うような態度と口調で言った。
矢田野 愛美
強盗犯
強盗犯
矢田野 愛美
強盗犯
不敵な笑みを浮かべながら言った。”殺戮の悪魔”は過去に逮捕したヤクザが口にした時がきっかけで、それ以来公安が重要視して追い続けているのだ。そのこと愛美は勿論、補助者も驚愕していた。
強盗犯
矢田野 愛美
強盗犯
矢田野 愛美
愛美は思わず立ち上がってしまった。
矢田野 愛美
強盗犯
矢田野 愛美
矢田野 愛美
強盗犯
こうしてしばらくして、取り調べは終わり、強盗犯は手錠をかけられ、留置所へ連行された。
愛美は取調室を出た後、自分のオフィスに向かう中、考察していた。
あの強盗犯はオレ達を引き付けるための餌として利用され、その矢先に”人間兵器”と”殺戮の悪魔”が居た、だと?
じゃあ…その黒幕の目的は……その2人への復讐か?いや、仮に黒幕が何らかの犯罪組織の場合、隙を見て殺す可能性が高い。何か特別な理由が無ければそんな回りくどい事をする訳がない。
それも、よりによって裏社会で名の知れた銃の凄腕に快楽殺人鬼……。ていうか、アイツの言葉が正しければ、まさかのこの2人は友人関係だったのか!?
結局誰なんだ?どこのどいつなんだ? 公安を動かしてまでその2人を狙うとか……何が目的なんだ?
この合間に愛美は周囲の音や声は全く耳に入ってこなかった。
〜商店街〜
その夜、仕事が終わった愛美と沙友理は気分転換に中華街を通った。日頃の疲れを癒すご美としてタピオカミルクティーを買った。こんな時間に甘いものなんて太る?頑張ったからいいんです〜!
矢田野 愛美
月嶋 沙友理
月嶋 沙友理
矢田野 愛美
矢田野 愛美
タピオカミルクティーを1口飲んでからため息をついた。ちなみに愛美は貧血持ちです。いや、今は仕事終わりの一服(?)だ。違うことを考えよう。
……そうだ!
矢田野 愛美
月嶋 沙友理
矢田野 愛美
月嶋 沙友理
恋愛話しをふっかけた。 実は沙友理は親友の兄であり先輩である遼に片思いしているのだ。愛美はそれを知っており、彼女の恋を応援してる。
月嶋 沙友理
月嶋 沙友理
矢田野 愛美
月嶋 沙友理
矢田野 愛美
そんな恋バナをしながら商店街を進んで行った。
月嶋 沙友理
この話題でふと思った。シスコンである遼は宿舎へ帰る時、必ず優介と共に愛美と沙友理と同行する。つまりいつもは4人で帰っているのだ。
矢田野 愛美
月嶋 沙友理
矢田野 愛美
プルルルッ📞
すると愛美のスマホから着信音が鳴った。
矢田野 愛美
矢田野 愛美
取り調べ室の補助員からの電話だった。
矢田野 愛美
矢田野 愛美
月嶋 沙友理
思わず大声をあげてしまった。
矢田野 愛美
矢田野 愛美
その言葉を最後に、電話を切った。
月嶋 沙友理
矢田野 愛美
ピロン♪
月嶋 沙友理
沙友理のスマホからラインの着信音がした。ここでは言えない内容だからLINEしたということは、すぐに察した。
”今日捕らえた強盗犯が留置所で何者かに殺された。”
月嶋 沙友理
衝撃のあまり言葉を失った。
月嶋 沙友理
矢田野 愛美
月嶋 沙友理
愛美と沙友理は踵を返して人混みを避けながら走って署に向かった。
〜商店街の裏道〜
早乙女 瑠花
愛美と沙友理が署へ駆け出したところを……いや、その少し前に愛美を見かけた時から、瑠花は商店街の裏道から彼女たちを目をつけていた。
早乙女 瑠花
(いや、あんなの人間じゃない。悪魔だ。悪魔なのはアタシじゃなくてお前らよ!!)
百峰 桃音
憎悪に満ちた瑠花の背後から桃音が声をかけた。その隣には凜々愛と麗もいた。
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
瑠花は振り返って笑顔で明るく言った。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
本当は警察目ェつけてた ………なんて言えない。 瑠花は感情を覆い隠して答えた。
姫宮 麗
百峰 桃音
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音は瑠花の反応を見て心の中でそう言った。桃音は射撃以外にも、ちょっとした特技があった。それは下手な芝居だけは見破れることだ。 そんな芝居打った瑠花を、凜々愛は疑いの目で見つめていた。
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
瑠花は目を輝かせて言った。
姫宮 麗
百峰 桃音
神楽 凜々愛
瑠花は背を向けて歩きだした。彼女の自宅はそっち方面のようだ。桃音と麗はその後について行った。
神楽 凜々愛
3人が歩く中、1人立ち止まったままの凜々愛が口を開いた。
早乙女 瑠花
瑠花は立ち止まり、振り返った。
神楽 凜々愛
早乙女 瑠花
神楽 凜々愛
早乙女 瑠花
瑠花が動揺した。 ……ちょい、まさか
神楽 凜々愛
ギクッ!
早乙女 瑠花
百峰 桃音
姫宮 麗
場の空気が凍りついた。例の警察が惨殺される事件の犯人が瑠花だったのだ。
早乙女 瑠花
瑠花は作り笑いをして言った。見ればわかる。心は全くもって笑っていない。
早乙女 瑠花
明確な発言で他の3人は驚愕した。
神楽 凜々愛
早乙女 瑠花
百峰 桃音
早乙女 瑠花
瑠花は真顔で言った。
早乙女 瑠花
「でも本当の悪魔なのは警察なんだよ。」
百峰 桃音
ガラッと雰囲気を変えて言う瑠花に恐る恐る問う桃音。
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
感情任せに叫んだ。 気が狂ったようにだ。
姫宮 麗
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
麗の言葉に反発した。桃音と凜々愛は瑠花にかける言葉を考えるがなかなか見つからない。
早乙女 瑠花
百峰 桃音
百峰 桃音
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
また気が狂ったかの様に……いや、”〜の様に”とかではない。仕事で同行する時によく見る彼女、狂気に満ちた”殺戮の悪魔”そのものを表していた。
百峰 桃音
百峰 桃音
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
「公安に皆殺しにされたんだよ!!」