12月23日
クリスマスツリーの飾りつけをすることになった
たっくんがツリーの入った箱を開ける
拓郎
美結、見てごらん!
美結
わぁ!
郁美
凄いね!
拓郎
えっと、説明書は……
ツリーの飾りは細かいものもあって
郁美
お口に入れちゃダメだからね
美結
うん
どれもキラキラしてキレイだった
拓郎
じゃあこれはここに着けて
三人で協力して様々な飾りを着けていく
生まれて初めてのクリスマスツリー
いっちゃんが用意してくれた大きな靴下をぶら下げて
郁美
できたー!
美結
たっくん……
拓郎
ん?
美結
ありがと……
たっくんの頬にチュってしたら
拓郎
み、みみみ、美結……
郁美
たっくん照れてる
拓郎
だ、だって……
郁美
たっくん!?
昔から涙もろい性格だったたっくんは
嬉しさのあまり泣き出してしまって
私のことをぎゅっと抱き締めて
拓郎
ありがとう美結……
拓郎
たっくん嬉しいよ
そう言って頭を撫でてくれた
亮二
本当に
亮二
優しい人たちなんだね
美結
うん
美結
二人がいなかったら……
美結
私はどうなっていたかわからない……
美結
施設で暮らすことになってたかもしれないし……
美結
実の母からもっと酷い目に遭っていたかもしれない……
美結
それにたっくんとは血の繋がりがあるけど
美結
いっちゃんは違う……
全く血の繋がりのない私を
いっちゃんは実の娘として……
美結
本当に大切に育ててくれたの
亮二
そこまで大事に育ててくれたご両親に……
亮二
明日会うのか……
美結
ご、ごめんね……
美結
急にこんな展開になって……
亮二
緊張とプレッシャーと……
亮二
なんかとにかくヤバイけど……
亮二
でも、遅かれ早かれ挨拶には行くつもりだったし
美結
ありがとう亮ちゃん
亮二
それに
亮二
美結を見てたらわかるからね
美結
え?
亮二
美結のご両親が優しくて暖かい人達だってこと
美結
亮ちゃん……
亮二
俺にとって美結は
亮二
世界で一番、優しくて心の暖かい
亮二
愛しい女性だから
亮二
な、なんてね!
照れたように笑う亮ちゃんの顔
うれしくて涙が溢れる
亮ちゃんの言う通り
私が今こんなにも幸せなのは
いっちゃんとたっくんが大切に育ててくれたから
そのおかげで亮ちゃんとも出会えた
こんなにも優しくて
こんなにも愛しい気持ちになれるのも
いっちゃんとたっくんと
大好きな亮ちゃんがいてくれるから
美結
亮ちゃん……
美結
本当にありがとう……
亮二
美結……
亮二
これからは二人で幸せになろう
美結
うん